「せ」っこう~一人の男の青春の終わり~ | 中西がブログ

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どうも中西です。

今回は青春時代に起こった切ないお話を・・・。



高校3年の春、当時ギターをやっていて目立ちたがりな僕はバンドを結成しライブを2日後に控えているという状況。

ライブというのは学年最後の文化祭。体育館で一日だけヒーローになれるというあれです。



当時僕には付き合っていた彼女がいました。こんな僕で恐縮ですが彼女は僕の「容姿が好きで」付き合っているという方。文化祭の一カ月前くらに付き合いました。


明後日は晴れ舞台、彼女も見に来る事だし髪の毛をカットをしよう!

そう思ったものの当時は学生。お金もなくカットには自信があると豪語する友達のI君にカットをお願いすることに。



今振り返れば悲劇の歯車はここから回り始めていたのです。



夜の19時、すっかり暗くなった公園にIくんと待ち合わせ。

椅子に座りカット開始。



「おお後ろええ感じ!」

I君はカットが上手く言ってるのかご機嫌です。

そんな僕も「まじかー!」と含み笑いの恵比寿顔。


後ろのカットが終わり前方に回り込むI君。


どうやら前髪を切っている様子。




10分経過




こいついつまで前髪切ってるんや?と思った矢先



プルプル震えだすI君。



からの土下座。



I「中ちゃんごみん」



正確には「中ちゃんごめん」と言ったのでしょう。

ただ声が震えていたのか僕にはそう聞こえました。



僕「え?」



I「まじごみんwwwwww」


Iくんの震えは笑いをこらえる震えだったのです。



僕「え?」



I「か・・・鏡wwwww」



そっと手渡された鏡に映り込んだのは






「ウォーズマン?」


知る人ぞ知る「キン肉マン」にでてくる超人。







そう・・・例えるならばまさに「ヘルメット」


僕の髪型は




から




になりました。


前髪を失敗したにも気まずくて言い出せなったI君が修正に修正を重ねた結果、限りなくおでこのてっぺんでぱっつんになりました。




もう言葉がでませんでした。でも髪を切ってくれとお願いしたのは紛れもなく僕。I君を責めるわけにはいきません。

「スタイリングでなんとかするわ」とヘルメットボーイは公園を後にしました。



翌日




「スタイリングでなんとかするわ」と言ったもののスタイリングするほど前髪がない。

これはまずい。

そこでヘルメットは閃きました。




「顔ごと隠せばええんや」



当時、LOUDシーンで絶大な人気を誇っていた「slipknot」というバンド。





彼らのように顔を隠せばなんとかなる!!



急遽バンドメンバーにわけを説明し仮面をつけてライブ出演できないかお願い。

心境を察してくれたメンバー達は快く仮面をつけての出演を承諾してくれました。




放課後



僕たちは美術室に集まりました。

当時僕達は美術室によくつるんでいました。

そこの美術の先生が女性のくせに生粋の音楽好き(メタラー)という事で仲良くしていたのです。


その先生にいかつくて丈夫な仮面は作れないか?とお願いした所、「石膏、セメント?のようなもので型を作りをそれをペインティングすればお面できるよ!」との事。


ライブは明日、時間もないという事で言い出しっぺの僕から仮面を作っていく事に。




3つ並べた机の上に寝ころび顔の上に石膏を流し込んでいきます。



石膏は最初は液体ですが少しづつ石のように固くなってきました。


固まるまでの僕ですが




このように呼吸し固まるのを待機。

まさに地上でシュノーケル状態。


そして時間が経ち石膏も固まり顔から外そうとした時



僕「あれ、石膏が顔から外れない。」



ざわつく現場、単刀直入に理由を説明しましょう。



顔と石膏の間にサランラップをひくのを忘れていたのです。



僕も先生もメンバーも最初の段階で全く気づきませんでした。


顔に生えている全ての毛に纏わりつく石膏。

とろうとしても簡単にはとれません。


「痛い!!痛い!!!」叫ぶ僕を見て爆笑する周りのメンバー達。



放課後の教室に僕の声が響き渡りました。


「笑うな!!」


あまりの痛さにマジで怒ってしまいました。



一瞬シーンとなったもののそんな僕に周りは更に爆笑。

僕も堪らず笑ってしました。もう疲れ切っていたのです。



とりあえず剥がせる所から剥がしていこうという事になり、最終的にはこんな感じに。


毛がない部分、つまり目の周りだけは無事剥がせる事ができました。

後は問題の目部分。

ここには眉毛、まつ毛がしっかりこびりついている。


でもためらっていても仕方ない。

「せーの!!」

自分では怖くて引っ張れないという僕の代わりにメンバー数人がかりで僕の顔から石膏を引きはがす。



「ブチっ」




無事に僕の顔から石膏を剥がすことに成功。

その瞬間周りは大爆笑の渦。


鏡を見た僕は絶句。






「マロ?」




ライブ当日



僕達は結局仮面をつけずに素顔で出演。


そんな僕を見た彼女には別れを告げられ僕の文化祭は幕を閉じました。





長文を読んで頂きありがとうございました。

皆さん、何事も自己責任ですよ。