「ただいまー」
「おかえりぃ」
外にいる時とは違う柔らかい声で返ってくるおかえりに、肩の力が抜けていくのを感じる。
いつだって無理はしない。
だけど出来る努力は全力でする。
そんなスタンスで仕事をしてるけど、やっぱり外の世界での俺と家の俺は違うから、この瞬間が必要だと思う。
リビングのドアを開けてただいまを言うと、ソファーにもたれて床に敷いたふわふわのラグに座ってる智が見えた。
智の手にはこの間出た雑誌。
それからテーブルの上にも出たばかりの雑誌が並んでる。
「まーた、それ見てんの?」
「ん」
「本当、なんでもこだわる人だね」
返事は無いけど、何を見て何を考えてるのかは知ってる。
発売された雑誌を受け取ったその日にも、やっぱり今日と同じように見てたから。
「おいら達だけ、離れてんな」
「ん?」
雑誌を開いて最初にそう言った智。
横から覗き込んですぐに、やっちゃったなぁって思った。
俺は元々パーソナルスペースに難ありで。
ついつい人に近寄りすぎる癖があって。
だから、それこそ智に対してはおーちゃんって呼んでた子どもの頃から、ずっと腕がくっつく位の距離にいた。
だってどうしても好きだったんだ。
だから、どうしてもそばに居たかったんだ。
人一倍、警戒心の強いこの人は最初はちょっと戸惑ったみたいだけど、何言っても聞かない俺に根をあげて、そばに居ることを許してくれた。
それから少しずつ触れたり、くすぐったり、お世話したりして。
あなたが俺に触れられるのを当たり前だと思うくらいに、沢山あなたを構ってきたよね。
そして、いつの間にかあなたも俺にぴったりくっついてくれるようになったんだよね。
「これ」
「うん」
「お前、年取ったな」
「はいはい。あなたもね」
いつだって5人で。
いつだって2人だった。
これからもずっと。
『今日も明日もあさっても
これからずっと5人でいよう。
んで、2人でいような』
いつかのあなたの誕生日に話したね。
今日はあなたの誕生日
「誕生日おめでとう智。
生まれてきてくれてありがとう」
。。。。。。。。。。。。。。。。。。
おーちゃん💙💚💛💜❤
お誕生日おめでとうございます
(*´³`*) ㄘゅ♡
38歳なんですね
色んなことがあって
色んなことを思って
今、そこにいてくれることが嬉しいです。
本当に本当にありがとう♡