happiness 206 | 大宮さんと一緒 。。。

大宮さんと一緒 。。。

大宮さんの妄想BL小説です。
色々、大丈夫な方のみお読み下さい。

にのちゃん大好き♡嵐さん大好き♡

大宮さんに癒されて、ドキドキして、毎日幸せ。

嵐のみなさんずーっと、幸せをありがとうございます!






初めて、五人で砂丘に行く。




まーくんといつも二人で歩いた道を、今日は五人で歩いてる。



アスファルトから砂に変わる一本道。


シェアハウスからの一本道。



サクサクと砂を踏みながら、空に浮かぶ半分の月を見た。



この道も、砂丘も、月も。

何も変わってないのに、今日は少し違って見える。



サクサクと歩いて、砂丘の一番高いところでいつものように腰をおろす。




「潮くさい」

「ベタベタするしね」

「靴の中砂だらけ」

「玄関もだよ」




微笑んでるまーくんと、お約束の文句を並べる。




「それ毎回言うの?」

「うん、そう」

「文句言いながら毎日のように来てたのかよ」

「そうだよ。ね?和」

「うん」

「………砂丘も気の毒だな」




潮くさくてキライって言いながらもここに来てたのは、まーくんと二人になれたから。


俺が俺でいられたから。



今だって潮くさいのはキライで、ベタベタするのも嫌で、砂だらけになる玄関の掃除もめんどくさくて嫌だけど。



だけど、月が綺麗だから。

まーくんが優しい顔をしてるから。


みんながいるから。



だから今日は俺も少しだけ、幸せな気持ちになる。







あの頃いつも苦しそうだったまーくん。


俺の話を聞いてくれるけど、聞いてくれるだけだった。


それでもまーくんが俺を大事にしてくれてる気持ちを、ここにいる時だけはちゃんと感じられたから。


大事な時間だったんだよ、まーくん。




笑ってるまーくんがキラキラしてる。

俺は少し寂しい。


俺と二人でいた時より、ずっと嬉しそうな顔してる。

やっぱり、少し寂しい。





ずっと海を見てたら、突然櫻井さんがプレゼントがあるんだって言い出して。



プレゼント?



なんにも持ってないのに何言ってるんだろうって思ってたら、スマホを取り出してなにか話し出した。


まーくんがなにか知ってるのかなって顔を見上げたけど、まーくんも何のことって顔してて。



「ああ、山本?俺。うん、準備は?」


ヤマモト?ヤマモトって誰?


「こっちはオッケーだよ。電話切って30秒?分かった。頼む」


何がオッケーなんだろう。
30秒ってなに?



通話を終えた櫻井さんが灯台の方を指差して言った。


「見てて。俺からのプレゼント。20歳おめでとう」







ひゅるるるるるるるるー




どおおおおおん







大きな大きな、打ち上げ花火。


夜空にぱぁっと光の花が咲いた。









ひゅるるるるるるる


どおおおおん





何度もひゅるるるるるるって音がして


鮮やかな光の花が咲く。





まーくんを見たら、キラキラの目で空を見上げてた。


大野さんは目が真ん丸になってて、口もポカンと開いてた。


潤くんの顔はまーくんで隠れて見えなかったけど、すげぇって呟く声が聞こえた。



これが誕生日プレゼントなの?


花火って高そうだけど幾らくらいするんだろう?

どこからあげてるのかな?

ヤマモトって誰?

いや、人じゃないのかな?

会社?

組織?

あ、櫻井さんの使用人みたいな人たちなのかな。

チームヤマモトで櫻井さんのありとあらゆる要望を叶えるために、全力でサポートするのが任務で。

普段は普通の仕事してるけど、エマージェンシーコールですぐに集まって事にあたるプロ集団みたいな?


てことは、今回は花火職人とか連れてきてるんだよね。


あらゆる手配もお手のもの。

翔様!お任せ下さい!

みたいな人たちだったら面白いなぁ。



考え出したら止まらなくて、ちょっとの時間だったのか長かったのかわかんないけど、気づいたら花火は終わってた。



火花がちらちらと舞い落ちてきて、瞼がチリっと熱くなって、我に返る。


空気の中に焦げ臭い匂いがして、打ち上げ花火の匂いって、手持ちの花火とは違うんだって思った。




「予算や時間とかの都合上5発しか準備できなかった、ごめん。でも、おめでとうってことで」

「………しょーちゃん」

「5発しかって………。打ち上げ花火って1発すげぇ高いんじゃないの?」

「ん?うーーーーん。まあ、そこそこ?」

「………そこそこって」



櫻井さんはやっぱりお金持ちで、ちょっと変な人だけど、きっといい人なんだと思う。


「………ありがとう」


まーくんが嬉しそうで、俺はやっぱり少し寂しかったけど、俺は小さい声で花火のお礼を言った。



「どういたしまして」



優しい声で櫻井さんが答えて。



大野さんはいつの間にか俺の隣にいて、優しく笑ってた。




それからまた、みんなでシェアハウスまでの一本道を歩いた。



後ろを振り返ると、半分の月が俺たちを見ていた。