さとしとまた2人になって最初の5人の仕事は、それから3日後だった。
毎日一緒に居たいなんてさとしは言ってくれたけど、実際にはやっぱり難しくてそれぞれの家からスタジオに向かった。
5人揃っての雑誌の取材は、昔からお世話になってるアイドル雑誌の仕事で、俺たちを担当してくれるスタッフさんたちもずっと変わらない。
いつものスタジオ、楽屋も何度となく使ってきた場所だからみんなリラックスしてる。
いつもの場所に座って、さとしに少しもたれてゲームをしてたら翔さんが突然さとしに話しかけた。
「で、どうなったの?」
「ん?なにが?」
「二ノとどうなった?」
「あー、かずはおいらのだから触るなよ」
翔さんの問いかけにちょっと待ってよ。ここで聞くの?ってなってた俺の気持ちなんか知る由もないさとしがサラッと答える。
いや、その答え方はどうなのよ。
触るなっておかしいでしょうよ。
大体ね、俺に触りたいとか思ってるのはさとしだけだし、や、それも恥ずいんだけど。
でも、やっぱりおかしいでしょうよ。
なんて、俺は色々考えちゃってるのに、相葉さんと潤くんまで会話に加わってなんだか盛りあがってる。
「へぇ、カズ素直に受け入れたんだ」
「当たり前だろ。かずはおいらの事大好きなんだからな」
「うんうん。そうだよね。にのちゃん、ずっとおーちゃんのこと好きなんだもん。素直が一番だよね」
「天邪鬼なのも可愛いけどな。耳が赤くなるからすぐ嘘ついてるってわかるし」
「あー、確かに。あの赤い耳は素直で可愛いね」
「だろ?あ!翔くんもみんなも、かずのことエロい目で見るなよ!!」
あの.....俺、帰っていいかな。
恥ずかしい。
恥ずかしすぎる!!
どんな顔してりゃいいんだよ。
今なら恥ずかしさで死ねる気がする。
もう限界でソファーにうつ伏せに倒れ込んだ。
「カズ」
「二ノ」
「にのちゃん」
3人の優しい声が俺を呼ぶ。
ノロノロと起き上がると目の前に3人のイケメン。
「良かったな」
「もう無理すんなよ」
「なにかあったら言ってね。相談のるからね」
もう
なんだよ。
そんなに優しい顔でそんな事言われたら泣いちゃいそうじゃん。
「ありがと.....」
俺の声は少し震えてて、泣きそうなのがバレるって焦る。
「泣くなよ」
しょーちゃん。
「素直だと可愛いな」
潤くん。
「ぎゅってする?」
まーくん。
本当にありがとう。
「俺.....がんばる。仕事もさとしのことも。だから.....本当にありがとう」
まーくんにぎゅってされたけど、さとしは怒らないでニコニコ笑ってた。