とりあえず履いてたパンツをぬいで、まず自分がシャワーを浴びてサッと身体を洗う。
バスタオルで水気を拭って、ソファーで眠るカズを抱き上げた。
洗い場でザッとシャワーをかけて、身体を洗って湯船につかったら「んんっ」ってカズがむずがって、うっすらと目を開けた。
「目、覚めた?大丈夫か?」
「ん.....しょーちゃん、なに?」
「ごめん、無理させすぎた」
「なに.....あぁ、もういーよ。俺も嬉しかったし.....」
気だるそうなカズの照れて恥ずかしそうな顔に、また俺のが元気になりそうになって、さすがにもうダメだろって自分を戒める。
そんな俺に気づいてるのか、気づいてないのか「ふふ」って笑って
「しょーちゃん、ありがと」
って、言った。
その顔が何かさ、すんげぇ幸せそうで優しい顔しててさ、俺がこんな顔させてんのかって思ったらめちゃくちゃカズが愛しくなっちゃって。
絶対、泣かせたりしないって心の中で誓った。
「しょーちゃん?何考えてるの?」
「ん?幸せだなぁって思ってた」
「そう?.....うん。でも俺も幸せだよ」
「うん。ありがとな」
俺の言葉にクスクスと笑うカズ。
「なんで笑ってんの?」
「だって、さっきまでのドS変態仮面とは別人みたいだから」
そう言ってまた、クスクスと笑う。
「いやいやいや、ドSなのは認めるけど変態仮面ではないでしょう」
「ドSは認めるんだ」
「仕方ねぇじゃん。自覚あるし」
もう、肩を震わせて笑ってるカズ。
俺は何だかムキになってて、さらに言いつのった。
「長年付き合ってる恋人を、変態呼ばわりはないでしょ?」
「ふふ。そこがしょーちゃんの魅力かもしれないのに?」
「は?」
「ぷぷっ.....その顔......最高っ」
けらけら笑い出したカズに憮然とした思いでいたら、ふっと後ろを振り向いて俺のほっぺたにチュッとキスをして
「そんなしょーちゃんが好きだよ」
いたずらっ子みたいな顔で言うと、ザバッと湯船から上がって風呂から出ていった。
ほっぺへのチューと、必殺のアイドルスマイルにやられた俺は、カズが風呂の扉を閉めた音で我に返って、慌てて風呂から上がった。