楽屋について、中に入って5人だけになった途端、また聞かれる。
「で?何したの?」
「なんもしてねぇわ。いちゃいちゃしてて、ソファーから落ちただけだわっ」
お腹抱えて笑う3人に、なんとなく腹が立つ。
「気をつけろよ」
「ひどく怪我しなくて良かったよ」
「おーちゃんは大丈夫なの?」
「だいじょーぶ。たんこぶ出来ただけ」
「さとし、たんこぶ出来たの?」
「今日は、大人しくしとけよ」
「長風呂禁止ねって、智くんは長風呂できないか…」
「にのちゃんも、ちゃんと冷やしてね」
相変わらず過保護なメンバーに色々心配されて、マネージャーにも気をつけてくださいよってしつこくしつこくしつこーーーーく言われて、かずの家に2人で帰った。
バタンと玄関のドアがしまると、おいらの我慢はもう限界でかずを抱きしめてキスをした。
はじめから貪るようにかずの舌を絡めとって、深く深くかずを感じる。
少し苦しそうに身をよじるけど、ふっと力を抜いておいらに身を任せるかずが愛しい。
「んっ..さ...と....」
「かず...かず......」
漏れる息の合間に名前を呼び合う。
おいらの背中に回った手が、シャツをギュッと握ってる。
カクっとかずの足がふらついて、しがみついてくる手が熱くて。
グッと腰を抱いてかずを支えた。
名残惜しい唇から離れてかずの顔を見れば、目元を赤く染めて、潤んだ瞳からは涙が零れそうでなんとも扇情的だ。
「部屋行こう…」
かずの腰を抱いたまま、寝室へ向かった。
光量を絞ったスポットライトだけが照らすベッドの上。
横たわるかずの顔を見ると、今にも泣き出しそうな顔をしてる。
可愛い.....
キスで感じて赤く染まって涙の貯まる目元も、白い頬も、赤い唇も全部可愛い。
こんな顔、誰にも見せらんない。
見せたくない。
ミニスカートを想像させるあの早口言葉。
想像されることさえ許せないおいらは、かずにイカレてるんだと思う。
こいつはおいらのモンで、他の誰にも触らせたくない。
閉じ込めておきたい。
本気で思ってるんだよ。お前、いつも冗談だと思ってんだろ?
じっとおいらを見上げるかずの上に跨って、その赤い唇に口づけた。