年越しをして、おめでとうを言い合って。
「良し。じゃあ、山頂まで移動しよう」
「初日の出は、ここじゃないんですか?」
「うん。もっと山頂の方にもう一つ展望台があって、そこがすごい綺麗なんだよ。ニノちゃんも、きっと気に入るよ」
「です。智くんの絵にも役立つと嬉しいかなあとか、図々しいかな」
「おお。翔くんありがとな。初日の出と和って良いよな」
「ふふ。楽しみだなあ」
車がゆっくり進む。
あーでもない、こーでもないと、テレビから流れるお笑いを見ながら話して、展望台の駐車場についてからも、色々話してたけど気づいたら眠っていたみたい。
「.....ノちゃん......ニノちゃん...起きて、そろそろ展望台に行こう」
相葉さんの声と、優しく肩をとんとんされる感覚に身体が目覚めていく。
右肩に暖かいカタマリ。
俺の右手を握りしめるさとしの左手。
ギュッと握られる手。
「和.....」
薄く目を開けると、俺を覗き込む相葉さんと目が合って、その次に、さとしにしっかりと握られている右手が見えた。
「んんっ。おはよう.....ございます...」
「おはよう。ニノちゃん」
「相葉さん、おはようございます」
「和ー」
「さと?」
「和、はよ.....」
俺達の話し声で目を覚ましたらしいさとしが、俺の手にキスをしてる。
「おはよ、さとし」
ぎゅうっと抱きしめて、スリスリしてくれる。
「はいはーい。ラブラブなのはわかったからねー。行きますよー。初日の出見ますよー」
相葉さんの明るい声で、目が覚めたらしいさとし。
ふにゃっと笑ったさとしに手を引かれて、車から降りた。