お風呂にゆっくり浸かって、さとしが髪を洗うのを見てる。
年をまたぐコンサートツアーのさとしのソロ。
いつも通り振り付けもさとしが考えてる。そのバックに流れる映像の最初はさとしのシャワーシーン。
武道を始めて更に鍛えられた筋肉。着やせするタイプだから、すごく細く見えることもあるけど、脱いだらマッチョで胸板なんかは結構厚かったりする。
会場が黄色い悲鳴に包まれるあの映像。
その身体が、俺の目の前にある。
夫婦なんだから見慣れてるはずなのに、シャワーのお湯を弾く鋼のような身体にドキドキしてしまう。
さとしはいつも俺のこと綺麗とか、可愛いとか、色気すげえとか言ってくれるけど。俺から言わせれば、さとしの方がよっぽど色っぽいと思うんだよね。
Jr.の子達もあの映像見て、ざわついてたもん。
本当にこの人に敵うもんなんて、なんにもないんだよね。
考え事してる間にシャワーの音が止んでて、さとしが俺をジッと見てた。
「かず、おいらに見惚れてた?」
「う....うるさいよっ」
「洗ってやるから出てこいよ」
「はあ?自分で洗うっ!」
「遠慮すんなよ」
「してない」
「じゃあ来いよっと」
言いながら抱き上げられて、バスチェアに座らされた。
さとしは優しく俺の身体と髪を洗ってくれて、意外なことにイタズラはされなかった。
うっとりと気持ちよさに目を瞑っていたら、チュッとキスされて。
夢見心地のまま、バスローブで身体を拭いてもらって、ベッドに寝かされた。
今もそらとひまわりと一緒に和室でねてるから、ベッドで一緒に寝るのは久しぶりで、めちゃくちゃ嬉しい。
「和、おなかすいてないか?」
「うーん、大丈夫そうだよ」
「よし、とりあえず寝るか」
「あ....うん。眠い....」
おでこにキスをひとつくれて、トントン背中を撫でられたら、あっという間に眠ってしまった。