抱きしめた雅紀の肩が震えてる。
泣いてるのか?
こんなに傷つけてた。
こんなに苦しめてた。
本当に俺ってバカだな。
いつだって、一番大切なのは雅紀の幸せで。
俺の横でニコニコ笑う雅紀が可愛くて、愛しくて守ってやりたかったのに。
そばにいて、二人で笑って、甘い雅紀との時間が幸せなんだって言わなきゃいけなかったんだよな。
ごめん。本当にごめんなって気持ちを込めて、雅紀を抱きしめる。
背中をとんとんとしてたら、肩の震えが少しずつおさまって、漏れていた熱い息もほんの少しになってきた。
「雅紀、本当にごめんな。好きだよ」
抱きしめたまま、言った。
スルッと俺の腕から離れて、じっと顔を見つめてくるから、なんか恥ずかしくなる。
だけど、ここで目を反らしたらダメだってことは分かるから、恥ずかしいのを必死で我慢して、気持ちが伝わるように見つめ返す。
「しょーちゃん、俺のこと好き?」
「好きだよ」
「本当に?」
「誓うよ。雅紀が好きだ」
雅紀の黒目がちな瞳がまた潤んでくる。
「仕方ないから....許してあげる」
そう言った目元が真っ赤になって、恥ずかしそうな嬉しそうな顔をしてるから、キスがしたくて堪らない。
「キス....していいか?」
「聞かないでよ」
少し伏せた目が色っぽい。
頬を両手で挟んで、ゆっくりキスをした。
柔らかい雅紀の唇に、優しく重ねてゆっくり離れた。
少し物足りなさそうな顔が可愛い。
「好きだ。2度と泣かせない」
「うん。しょーちゃん.....もっとキスして?」
ねだるようなその声に、俺の理性は飛びそうで、必死に堪えて、優しく優しくキスをした。
言葉が足らなくて不安にさせた。
身体だけなんて、寂しいこと思わせた。
だから、今日は抱かないと思ってたし、そのつもりだったのに、キスをした後の雅紀の濡れたように光る瞳が俺を惑わす。
綺麗な雅紀を抱きたくて、愛しあいたくて堪らなくなる。
「ねぇ、しょーちゃん。もっと大人のキスしよう?」
小首をかしげて、ニコッと笑う雅紀の可愛さは天使を超えてて。
俺、どうしたらいいんだよぉ。