肩をガシッと組まれて、我に帰る。
「相葉さん、何考えてたの?」
俺を覗きこむのは、本当に秘密の薬があるのかと思うくらい、若返ってる感があるキラキラの松潤。
「何にも考えてない」
「相変わらず、嘘つくの下手くそだなあ」
「自分だって顔に出まくるくせにっ」
「そこが相葉さんの良いところだからね」
「どこが?」
「素直なところ」
「は?」
「え?」
びっくりまんまるな目の松潤は、ちっちゃい頃みたいで可愛い。
ぷーって吹き出したら、目の前の松潤も吹き出した。
「なんで笑うのー!」
「お前、自分も笑っといてなんでは無いだろ?」
おでこがくっつきそうな位顔を近づけて、笑いながら睨んでくる潤くんは、やっぱり子供の頃を思い出す可愛さだ。
本当に最近キラキラで、可愛くてなんか良いことあったのかな?
「潤くん、最近可愛いよねー。なんか良いことあったの?」
思ったら、そのまま口から出てた。
子供の頃からずーーっと一緒に頑張ってきたメンバーに対しては、ポロっと言葉が出てしまうことが多い。
人見知りはだいぶましになってるけど、人と話すときは、色んなことに気をつけてる。
それが、メンバーを相手にするときだけは別。
何を言っても、ちゃんと受け止めてくれる。
一緒に考えてくれる、悩んでくれる。
そうやってここまで来たから、安心して話が出来る。
だから今みたいに、思ったことも出ちゃうんだよね。
「何?相葉さん、俺のこと可愛いって思ってるの?」
「えっ、あ、うん。思ってるけど....」
「けど?」
「あの、可愛いとか言ったら、怒られそう....」
チラッと潤くんを見たら優しく笑ってて、ちょっとホッとした。
その時、俺たちの横を、しょーちゃんがスッと通りすぎて大宮の方へ歩いて行った。
どうしたのかな?
通りすぎたしょーちゃん、なんだか少し怖い顔をしてた。
何かあったのかな?
どうしたんだろうって潤くんを見たら、ニヤって口元が笑ってる。
なにか、知ってるのかな?