潤はやんちゃな弟みたいで
智くんは、尊敬する先輩で
ニノは、あたまの回転の早い可愛い後輩
相葉くんは.........ごめん、よくわかんなかった。
高3の夏、俺は、そろそろ卒業の時期だと感じてた。
中学生から始めた刺激的な部活のようなジュニアの活動は、先輩のコンサートのバックダンサーや、テレビの歌番組のバックダンサーが中心で結構楽しくやってた。
それが。
突然の
空前のジュニアブーム。
いわゆるカリスマジュニアの出現は、デビュー組の先輩のバックにつくだけではなく、ジュニアのバラエティー番組を産んだ。
俺は、なんとなくその場所に近いところに立っていて、気づけばテレビに出るようになってた。
デビューを目指すみんなの中で、それを目標としていない俺は、辞め時を探していて。
賢くて話の合うニノが、やっぱり辞めようとしていることを知って、高校卒業と同時に辞める決意をしていた。
なのに
どうゆうわけか、坂を転がるように事態は急変して、俺たちは嵐になった。
最初は、どうにか逃げられないかと思ったけれど、そんなの出来ないって頭の中では分かってた。
ただ、自分の道が変わってしまったことに、どうしようもなく焦れていた。
同じように辞めると言っていた智くんは、もっと戸惑っていて、辞めようとしてたニノが、自分のことはそっちのけにして、常にそばで支えていた。
潤は、念願叶ってのデビューを喜んでいて、ただ、辞めたいともらす大野さんに不安そうな顔はしていた。
相葉くんは、本当に大人しい子で、我が儘めいたことは一言も言わず、スタッフに言われることに『はい』って答えて、静かに楽屋で座ってた。
ジュニアの頃から、ニノと相葉くんは親友で、俺もニノを通じて少しずつ親しくなっていった。
そのころから、ニノはちょっと可愛いタイプで動きや、目線は少年のそれとは違って。
ニノの隣に居る相葉くんも、やっぱり女の子に間違えられるような容姿と可愛らしい仕草が印象的だった。
沢山のジュニアの中で、ちょっと異色の二人だった。
嵐になる少し前から、ちょっとずつ近づいていた距離は、嵐になったことで、一気に縮まった。
ニノが智くんに付きっきりな分、相葉くんは不安そうにしてて、俺はどうしてもそれをほっておけなくて。
何かと気にかけて、声をかけていたら、ある日相葉くんが、ニコッと笑った。
キラキラのアイドルスマイルじゃなく、シャイな相葉くん本来の、はにかんだような笑顔。
慣れないpvの撮影で疲れた顔をしてた相葉くん。
となりに座って大丈夫かって、声をかけた俺に、ニコッと笑って答えた。
「ありがとう。しょーちゃんが心配してくれたから大丈夫」
なんだその可愛い返事は。
あの時、俺は雅紀に恋をしたんだと思う。
それから、何年か片想いをして、友達から親友になって、告白した。
「俺も、ずっとしょーちゃんのこと好きだった」
ありがとうって呟いたその声に、我慢しきれずにキスしたよな。
そのあとの潤んだ黒い目が綺麗だった。
あれからもう、何年経つんだろうな。
智くんとニノはみんなの認めるカップルで、潤はすっかり大人になって。
俺は、キャスターもやらせてもらって。
君は、その人見知りで大人しい性格とは真逆のバラエティーで、自分の居場所を作った。
一生懸命な君の熱意で、周りのスタッフを虜にして、君は輝きを増していく。
そんな君に相応しい男でいたいから、俺は、頑張り続ける。
綺麗で可愛い俺の雅紀。
君は、今日も俺の隣で笑ってる。
君がいるから、俺の毎日は輝いてる。
愛してる