シェアハウスに戻ると、買ってきたものをそれぞれの場所にしまっていく。
相変わらず大野さんは、俺の後ろをついて歩いてて、なんかアシスタントみたいだ。
思わずクスッと笑ったら、大野さんが目を見開いて俺を見た。
「かず、笑ったな」
って、なんだよ。その嬉しそうな顔は。本当に鬱陶しい。
昼飯を、簡単なもので済ませて、掃除をしたいからって言って、大野さんには部屋に戻ってもらった。
個室の掃除は、明日にしよう。
もう今日はぐったりだ。
夕飯の支度を始めると、どこからともなく大野さんが現れる。
もう、勘弁してほしい。
今朝、まーくん調子悪そうだったし、夕飯は、まーくんの好きな豚のしょうが焼きと、味噌汁、ひじきにしよう。リンゴもあったから、それも出そう。
準備を始めると、キッチンの隅で大野さんがスケッチをしてる。
勝手に俺の絵を書くのはどうにかなんないかな。
そのうち、松本さんが帰宅して、そのあとまーくんも帰ってきた。
キッチンを覗いて
「ただいま」
って言ったまーくんの顔色は最悪で、きっとまた、頭が痛いに違いない。
少しでも眠れると良いなと思った。
夢を見ることなく。
肉を焼いてたら、櫻井さんが帰ってきた。
「なんか、今日、相葉さん具合悪そうでしたよ」
本当にこの人まーくんのことよく見てる。まあ、安全そうだからほっとくかな。
「ねぇ、ちょっと手が離せないんで、まーくんのこと、見てきてもらえませんか?一応、医者のタマゴですよね?」
そう言ったら、少しだけ頬を弛めて、まーくんの部屋に行った。
ダイニングテーブルに食事を並べる。
夕飯は、俺も一緒に席につくことにしてる。
戻ってきた櫻井さんは
「よく眠ってました。薬を置いてきました」
って言ったから
「何にもしてないでしょうね」
って釘は刺しておいた。
まーくんは、起きてから食べるだろうから、皿にはラップをかけた。
夕飯の後は、それぞれの部屋にみんな引き上げる。
俺も食器を片付けて、やっと一人になれる時間がきたことに、心底ホッとしていた。