大宮の妄想bl小説です。
色々、大丈夫な方のみお読み下さい。
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「翔さん、お疲れさまです」
目の前に現れたニノに目を疑う。
ここんとこ忙しくて、社内にいる時間がほとんど無くて、会うのはたぶん2~3週間ぶり。
その間に、何があったんだ?
なんか、すごい綺麗になってる。それに色気が漏れまくってる。
良いのか?あんなの野放しにしてて。
智くん、すげえ精神力だな。
俺だったら、外に出すときはついていく。送り迎えと、一日を過ごす場所の安全確認が必要だと思う。
そこまで考えて、分かった。
だからニノは昨日、雅紀の家に泊まってて、今日は、松本の家に泊まるんだな。
そうすりゃ、あの二人が送り迎えをするし、三日目は智くんが家に帰るまで、松本か、雅紀が一緒に居れば安心だもんな。
それで、家飲みか。
誰かの家で飲むのは、結構久し振りのことだ。一番最近は、智くんがニノと暮らしだす前に、智くんの家で飲んだ時だ。
家飲みは、気楽だし、明日は土曜日。
ニノの色気は気になるけど、雅紀に会うのも久し振りで俺は少し浮かれてた。
飯は、雅紀とニノが作るって言って、スーパーに寄って帰って来た。
色んな小鉢と、唐揚げが並んで、ビールで乾杯する。
「うまっ。すげえ、雅紀もニノも料理出来るんだな」
口いっぱいに食べ物をいれてしまう癖はなかなか直らない。
口パンパンだよって笑う雅紀にドキッとするのは何でだろう。
「うちは、両親が共働きだから、中学くらいからはチャーハンとか作って食べてたかなあ」
「そーだよね。まーくん特製チャーハンよく食べたな。懐かしいね」
「カズは、おばさんの手伝い良くしてたもんな」
「うん。だけど、潤くんだってパスタとか得意でしょ?」
「あー、あれはちょっと嵌まってたね」
仲良さそうに話す3人を見ながら、俺は久し振りの家庭の味に夢中だった。
そしたら突然、俺にも質問がきた。
「しょーちゃんは?料理とか全然ダメそうだけど?」
「ああ、うん。ダメ、やったこと無い」
「え?でも翔さん、一人暮らし長いですよね?ロス時代からですよね?」
「あー、うん。だから、家ではパン焼いて食べるくらいしかしてない。後はスーパーでお惣菜とか、刺身とか買って食べてる」
「さとちゃんも、翔くんは家事は苦手って言ってた」
「じゃあ、俺が!時々行って家事してあげるよ。ね?」
「え?」
「あ、ダメ?」
雅紀の発言に一瞬固まる。
何度か二人で飯を食って酒も飲んで、なんとなく落ち着く空気に、居心地の良さを感じてはいた。
そして、雅紀の綺麗な横顔に見惚れたこともある。
うちに来るって聞いただけで、このドキドキは、やっぱりそうなのか。
考え込んでたら、ずずっと鼻を啜る音がした。