大宮さんの妄想bl小説です。
色々、大丈夫な方のみお読み下さい。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。
休みの日の午前10時。
突然鳴ったスマホ。
名前を見るとカズだった。
昨日は、おばさんと買い物に行くって言ってたと思うけど、おばさんに何かあったのか?
「はい。もしもしカズ?どうかした?」
「潤くん。あのね...... 」
話し出したカズの声は、俺が今まで、一度も聞いたことない、可愛らしい、明るい声だった。
その朝、カズから電話を受けたのはまーと、准一さんと俺。
翔さんは、大野さんから電話があったって言ってた。
カズに言われて、初めて降りる駅で電車を降りた。
ここは、大野さんの部屋のある町。
会社と俺たちの住む町との、丁度真ん中。
その、大野さんのマンションの部屋に俺たちは呼び集められた。
「いらっしゃい。迷わなかった?」
呼び出し音の後、玄関に現れたのはカズで、金曜日までとあまりに違う顔つきに、俺は、一瞬言葉が出なかった。
「あ、うん。地図アプリで見ながら来たから、大丈夫だった。」
「そう。さすが潤くんだね。さっき、まーくんから分かんなくなっちゃったーって電話があったから、今、さとちゃんが迎えに行ったところなんだよ。」
「そうなんだ。まー、買い物行ってたんだっけ?」
「うん。だから、今度でいいよって言ったんだけど、かずくんのが大事ーって、来てくれるって言うから。ふふ。」
「まーらしいな。」
「うん。」
頷いたカズは、いつもの寂しそうな空気が無くて、茶色い瞳はキラキラ輝いて、白い肌に薔薇色の頬、唇は少し紅くなってて、男だって分かってても、ドキッとするくらい可愛かった。
冷蔵庫から、お茶を出して紙コップにいれて俺の前に。
「ごめんね。さとちゃんコップ2個しか置いてないから。さっき、買ってきたの。」
「良いよ、そんなの気にしないから。それより、おばさんのこと、良かったな。今度、おばさんが落ち着いたら、俺もおばさんに会いに行くよ。」
「うん。ありがとう、潤くん。」
はにかんだような笑顔のカズは、やっぱりいつもより、ずっと可愛かった。
ガチャガチャ
バタン
「かずー?」
「かずくーん?」
「ニノー?」
「和?」
どうやら大野さんが帰ってきたみたいだ。