大宮さんの妄想bl小説です。
色々、大丈夫な方のみお読み下さい。
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「ねえ。」
「うん?」
「ねえ。」
「うん。」
「ね~え。」
「う~ん?」
「...... 。」
「...... 。」
「だーーー!何?なんなんだよ!気になるだろ?」
「うん?」
「うえ?」
「だから、ニノ、何なの。智くんに何か言うことあるの?」
俺と、さとしのぐだぐだのやり取りに、我慢の限界がきた翔ちゃんが、声を上げた。
あーばさんは雑誌を読んでで、潤くんは台詞を覚えてる。
俺とさとしがこんななのには、免疫があるから、普通に放っておいてくれる。
翔ちゃんは、まじめだから、発展性も生産性も感じない、丸ごと無駄そうな会話を、聞いてるだけで辛いんだろうな。
「特にはないんです。ただ、呼びかけたくて。」
「...... 。」
「智くんは、それで良いの?って、良いに決まってるか。邪魔したね。」
珍しい。
翔ちゃんが、何か諦めた。
真面目だから、突き詰めるタイプなのに。
まあ、楽屋で、ひとつのソファーで、ピタッとくっついて座る俺達。
しかも、今日の俺はひどい。ダランとさとしにもたれかかって、ずり落ちそう。
そんな俺に、何を言っても無駄と思ったのかな?
仕方ないよね。俺、ぐだぐだなの。
それでも仕事はちゃんと頑張った。
身体動かして、沢山話して、笑った。
お疲れさま~ってスタジオを後にして、今日の仕事はおしまい。
俺は、まださとしにくっついて居たくて。
わざとゆっくり着替えたら、あーばさんと潤くんはさっさと帰って行った。
翔ちゃんは、呆れたように笑って、さとしに何か言って帰って行った。
「さとし。」
「なんだ?」
「さとしぃ。」
「かず?」
「好きだよ、さとし。」
「うん。おいらも好きだよ、かず。」
いつの間にか、かずって呼ばれるようになってて、子どもの頃の呼び方に、俺の気持ちもあの頃に、還っていくようだった。
色々考えて、仕掛けて始めたこの恋を、少し切なく思ったりして。
さとしは、すっかり甘くなって、まるで本物の恋人みたい。
勘違いするなって頭の中で、もう一人の俺が言ってる。
さとし。
あなたが好きで、好きすぎて。
どうして良いのか分からなくて。
こんなこと始めた自分が、惨めで。
それなのに、どこまであなたが、俺を許して、受け入れてくれるのか知りたくて。
小出しにした我が儘が、俺を縛る。
「好きって言って」
「手を繋いで歩いて」
「抱きしめて」
「膝枕させて」
「こっち見て」
全部、受け入れてくれるんだもん。
「さとし、キスして。」
「うん。良いよ。」
さとしは、楽屋に鍵をかけて。
その綺麗な指が、俺の頬に触れて。
そっと唇が重なった。
柔らかくて、温かくて
優しいキスだった。
プライベートで
二人が交わす、初めてのキスだった。
「好きだよ、さとし。」
「おいらも好きだよ、かず。」
呟くように言ったのに、返事まで。
ありがと、さとし。
好きだよ、さとし。
おしまい