その昔好きだった女の子に


「傘さすの下手だよね。」


と言われたことがある。


思春期絶頂期。好きな女の子に弱点を指摘されるほどせつない事はない。


その日から私は状況に応じた傘の使い方を研究した物である。


基本真上に構えたニュートラルスタイルから風を読みスタイルを変える。


前方からの風には前に倒すフロントスタイル。
急な突風により傘がリバースするのも防げるという防御体制である。


後方からの風には傘を後ろに倒すリアスタイル。
幼稚園児、小学生に多数見られるスタイルで傘を肩に乗せれる為楽という利点がある。


リアスタイルの良さは後ろからの風に対して行うと自分にロケットダッシュがかかる所だ。


急いでいる時うまく風に乗るといつもより早く目的地に着く。なかにし自ら検証済みである。


しかしリアスタイルは前方からの突風に弱い。私の経験上フロントスタイルを取っていて後方からの突風にやられた事はないが傘がリバースするのは皆さんほぼリアスタイルの時ではなかろうか。


この様に傘というのはそのままでは雨は防げない。


状況に応じたスタイルチェンジが必要なのだ。


ちなみにバックパックを背負っている時傘ではかばんが濡れるのを防ぐ事はできない。


そこで私が開発したのが身代金スタイル。


バックパックを前に持って抱きかかえる。


ドラマなどで身代金を持っている人はほぼこの抱き方だ。


これでかばんが濡れるのを完璧に防げる。


思春期に好きな女の子に弱点を指摘された事がなかにしを変えた。


そして今日は朝から強い雨。


私は傘をさして出かけた。


めちゃくちゃ濡れた。


それではまた。