通りがかったのお寺の掲示板より
撮影 雪 風
「 非常ボタン!
だれか非常ボタンを押して下さい!」
・・・ ・・・
「非常ボタンを押して下さい!」
慌しくも、男性のはっきりした声が響く
「押しました。」
「押しましたよ!」と、
2度応じる女性の自信なさげな
か弱い声は人垣の向こうにいる現場の男性には届かず、
再度「非常ボタンを!」と、
男性が叫ぶ。
身動が効かない
早朝の通勤列車内
少し離れた場所では何があっても分からない。
-何だろう?-
列車の動きに身を任せるしかない人々に緊張が走る。
-何があったのか?-
ガタン ガタン ・・・列車の振動音だけが時の経過を告げていく・・・
やがて緑ランプが点灯した非常マイクから
「どうしました?
お客様 どうされましたか?」
乗務員の応答が有り、ボタンを押した若い女性がおうむ返しに繰り返し、それを現場の男性へ伝える為に周り数人による伝言の連携が始まったのだ。
現場の男性
「人が倒れました」
非常ボタンの女性
「復唱」
乗務員「車両番号と場所を教えて下さい」
乗客1「・・・」
乗客2「?」
乗客3「これ何両目?」
乗客4「6号車の前の方」
非常ボタンの女性「復唱」
乗務員「倒れた人はどうしていますか?」
非常ボタンの女性「復唱」
乗客たち「復唱」中継
現場の男性
「座席に腰掛けています。」
乗客たち「復唱」中継
本文とは関係ありません
イメージ撮影 雪 風
このままでは乗務員が事案を把握し、乗客が必要な処置をとるまで時間がかかると見た彼が、現場の男性に向かって声を張り上げた!
「倒れた人の 性別と年齢 意識はありますか?」
と、叫び 返ってきた応えを大声で非常ボタンの女性に伝えた。
緊張のせいか 頬を赤く染め、一所懸命に連絡係を努める女性
どうやら傷病者の発生。
吊革を持って揺られていた50歳前後の男性が突然倒れ、周りの人たちが座席に移した。
倒れた男性は満員の人が壁になり、床に頭を打ち付ける事もなく大事に至ってない様子だと言う。
それを聞いた乗務員より、
「列車は緊急停車をせずに次の急行停車駅迄進みます。」
との応えがあった。
約10分後、停車駅には車椅子で待ち構えた3名の駅員が車内に乗り込み傷病者を保護した。
「お疲れ様でした」
「ありがとうございます」
乗り換え駅である此処では、居合わせた人の半数以上が入れ替わり、協力し合った見ず知らずの人々が互いに御礼を交わしながら足早に車両から離れて行く。
看護係と連絡係はお互い顔を合わす事なく、
又 何処かで会っても分からない、いや もう会うことも無いだろう。
偶々乗り合わせた彼はそんなことを考えながら視線を移した
清々しい青空と白雲
人々の心も爽やかな秋晴れだった。
撮影 雪 風
社会人一年生らしい非常ボタン係になった若い女性はその後の駅で下車し、声を張り上げた彼に
「ありがとうございました」
満面の笑みで頭を下げた彼女は、自信を一つ開花させ、本来の持場へ向かったことだろう。
彼も笑顔で返礼し見送った。
乗車時に嫌な奴と思った目の前のスマホゲームに夢中オヤジも、車両番号を申告するなど、他の多数の人と同じく協力していた。
今回 大事に至らなかったが、
何か事が起これば、見ず知らずの者同士が協力し合う
日本人は世界に誇れる民族なんだ。
しかし、普段の訓練も必要であることも体験した。
傷病者が出たら、
状況、意識確認(JCS)、
性別年齢、バイタルサイン
(生命兆候)、回復体位、
意識無しなら気道確保、
心肺停止ならCPR
(心肺蘇生法)、
これらの基本を職場や学校で時々訓練すべきだと。
又、急行列車等で各駅に停車しない列車では、車内放送で非常ボタンの説明に加えて、乗務員に伝える事を開示すれば良いと思います。
日本人は素晴らしい。
今、我が国は
隣国から大量の観光客や、もはや移民状態さえ見受けられる。
何か事か起こった時、
はたして?
目覚めよう日本!!