大豆やトウモロコシなど先物相場が昨年つけた安値から5割超の上昇となっています。人口増や新興国の経済成長で長期的な需要増は確実であるとともに、一部の国に生産力が集中するという食糧需給には構造的な問題が存在しているからです。

①砂糖

人口11億を抱えるインドは、世界一の砂糖消費国であるとともに世界第2位の砂糖生産国ですが、政府が主食であるコメや麦を増産するためサトウキビ農家の転作を奨励したことで砂糖生産量が約15百万トンへと44%も急減し、砂糖不足をきたしてきました。そのため政府は輸入拡大へとカジを切ったところ、それに国際価格が敏感に反応し、またファンド資金も流れたため砂糖先物は3年ぶりの高値をつけました。いまではあらゆる農産物先物のなかで最も粗糖が買われやすい状態になっています。

②トウモロコシ

世界生産量見通しが約7億9千万トンで、このうち輸出に回るのは約1割程度。しかも、米国、ブラジル、アルゼンチンの上位3カ国で8割超のシェアを握っています。ある1国で不作になると、輸入国の需要がほかの輸出国に集中するとともに国際価格が急騰することになります。あいにく今年はアルゼンチンが不作に見舞われています。

グローバル化した経済では食料の高騰が高速で世界に連鎖する構図にあり、国際社会はあらためて抜本的な対応を迫られているといえます。

同報告は「厳しい状況にあるものの、このところ悪化のテンポが緩やかになっている」とし、「急速な悪化」という従来の見方をやや改善方向に見直し、「最悪の時期は脱した」との認識を示しました。上向き方向で見直すのは3年3か月ぶりです。

背景には輸出、生産、経済対策の効果という3つの薄明かりがあります。輸出と生産の判断はいずれも「下げ止まりつつある」に引き上げました。輸出は、3月の指数が7か月ぶりにプラスに転じたこと、生産は鉱工業生産指数が半年ぶりにプラスとなったことを評価。国内外で在庫の調整が進み、底入れの兆しが出てきたとみています。

海外経済は「引き続き深刻な状況にあるが一部に政策対応の効果がみられる」と指摘。米国は「収縮のテンポがゆるやかになる兆しがみられる」、中国は「景気は持ち直しつつある」に上方修正しています。

国内の公共投資は、4月の請負金額が20.5%増え、2か月連続の2ケタ上昇となり「このところ底堅い」に判断をあげました。

ただ、先行きについては「厳しい状況が続く」と分析。雇用情勢を「急速に悪化しており厳しい状況」へと下方修正しています。海外経済にも米大手自動車の経営危機に加え、金融不安解消の行方など不透明要因が残るとしています。

2007年の1世帯あたりの平均所得は前年比1.9%減の556万円となり19年ぶりの低水準、また働く人1人あたりの所得は313万円となって過去最低となりました。

高齢者世帯は299万円で前年より2.4%減、子供を持つ世帯は691万円で1.4%の減となっています

所得額別に世帯割合をみると、200~300万円が12.8%、300~400万円が13%、平均所得額を下回った割合は約6割を占めています。

コスト削減を目的に企業が非正規社員の比率を増やしたことや高齢者の単身世帯の増加が所得水準を低下させたものとみられます。

1世帯当たりの所得は1994年の664万円をピークにこれ以降はほぼ減少傾向にあり、07年度までに16%減っています。

08年は秋に生じた金融危機以降世界的な景気後退が鮮明となっており、世帯所得はさらに落ち込んでいる可能性があります。

米景気はこれまでの景気対策の効果により、GDPの約7割を占める個人消費が2.2%増と消費マインドが持ち直す兆しが見られ、住宅販売も約5%増と住宅市場にも下げ止まり感が出ています。ただ家計は借金返済を優先しており、小売売上高は0.4%減とまだ消費水準は低く、本格的な回復には時間がかかりそうです。

企業部門でも下げ止まりの兆しが出てきていますが、内外需の不振から在庫調整が続き、鉱工業生産指数は0.5%減となっており、失業増は鈍化したものの悪化のピークは2010年初めになると予想されています。

2年の時限措置で高速道路の値下げが始まって1か月、その結果は、各地で広域のドライブが増え、「平日は全時間帯3割引き、土日祝日は上限1000円」という地方の高速道路の交通量が1.4倍に増えました。

割安感の強い本州四国連絡橋の利用は2.1倍で、讃岐うどんの売り上げや道後温泉の観光客が増えているようです。

この値下げに伴う経済波及効果は2年間で7900億円、雇用も2.4万人増えると見込まれていますが、観光地での宿泊や飲食などレジャー需要が増えるのが主因です。一方、値下げに必要な財源は約5千億円です。

特需を受けるものとして、ETCの生産・販売、高速近くの給油所、アウトレットモール、レンタカーなど、一方、GWの渋滞が昨年の2倍見込まれ、あるゴルフ場はGWの予約件数が半分程度になったとのことです。

小売業のプライベートブランド(PB)の市場が急拡大しています。

食料品、日用品では全体の約5%を占める2兆円規模を突破し、拡大ピッチが加速しています。

PBは広告宣伝費の圧縮や、大量仕入れで一般的なメーカー品よりも1~5割安く販売するのが特徴で、昨年半ば頃までのメーカー品の相次ぐ値上げをきっかけに、大手スーパーを中心に急速に広がってきました。

消費者の低価格志向が強まっているほか、原料価格の下落を受け、PBをさらに値下げすることや、メーカー品も特売や値下げを強化する計画があります。

また、イオンはグループで約30万品目を販売していますが、品目数を今後4割減らす方針のようです。

このためメーカー側も戦略の見直しを迫られており、PB生産に協力するほか、対抗値下げを検討しています。また、PBが成長する分野では再編圧力も高まりそうです。

急激に悪化する経済情勢を下支えするための追加経済対策が決定されました。財政支出は15兆5千億円、事業規模は56兆8千億円で、いずれも過去最大。対策は雇用、環境、金融など「政策総動員」を印象付ける内容で、これにより09年度の実質成長率の2ポイント引上げと40~50万人の雇用創出を見込んでいます。その内容は以下のとおりですが、その財源として新たに10兆円の国債を見込んでおり09年度の国債発行額は43兆円超と過去最大となります。そのため2011年度の消費税の導入は必至となりそうです。

追加経済対策の主要項目としては次のとおりです。

①雇用

雇用調整助成金の拡充、職業訓練中の生活支援、失業者の住宅手当

②環境

 省エネ家電の購入補助(5%のエコポイント)、低燃費車の買替え補助(最大  25万円)、太陽光発電の普及促進

③医療・子育て

 子育て応援特別手当(3~5歳の子供1人当たり3万6千円支給)、子宮けいがん、乳がんの検診支援、介護職員の待遇改善

④金融・中小企業

 中小企業向け保証枠の拡大(30兆円に)、政府機関による株式買取り準備、頭金なしで住宅ローン「フラット35」利用可能に

⑤公共投資・農業など

 地方向け臨時交付金、羽田空港の滑走路延伸、三大都市圏感情道路の緊急整備、農地の大規模集約化に協力した農家に助成

⑥減税

 贈与税減税(枠を500万円拡大)、企業の研究開発減税の拡充、中小企業の交際費の損金算入拡大

FRBが18日、29兆円規模の米長期債の買い取りを決めたことを受け、金融市場では日米の金利差が一挙に縮小し、外為市場では円高が加速しました。

米国では10年物国債の利回りが前日より0.48%低い2.53%に急低下し、日米の金利差が1.2%に縮小しました。

国内金利との差が縮むと、投資の魅力が相対的に減り、ドル商品への投資が手控えられることでドル安要因となり、1ドル=94円台まで円高が進みました。

過去10年で最も縮小した昨年12月末の日米金利差0.8%に近づきつつありますが、この時は1ドル=87円台まで上昇しています。

これまでは世界的な金融危機のなかで、決済のためにドル資金を確保する動きが強かったのですが、金利差の縮小が続けばじりじりと円高が進む可能性があります。

その場合は市場から日銀に対してさらなる追加策を求める声が高まりそうです。

中国は、政府主導で基幹産業を企業合併させ、企業規模の拡大で国際競争力の向上を図るようです。

鉄鋼においては世界一を視野に、自動車ではトップ10を狙っているようです。

ちなみに世界粗鋼生産量の上位5社をみると、アルセルロール・ミタル(ルクセンブルク)が116百万トン、新日本製鉄(日本)が35百万トン、宝鋼集団(中国)が35百万トン、JFEスチール(日本)が33百万トン、河北鋼鉄集団(中国)が33百万トンとなっており、中国は上位10社内に5社も入っています。

また世界の自動車販売台数の上位3社をみると、トヨタが897万台、米GMが835万台、独フォルクスワーゲンが623万台で、中国は上海汽車集団が172万台をトップにその他2社を合わせて458万台となっています。

英イングランド銀行は政策金利を0.5%下げ0.5%すると同時に、英国債などの購入を通じて大量の資金を供給する量的緩和策の導入も決めました。

景気悪化に歯止めをかけるとともに、信用収縮を和らげ、企業などの資金繰りの下支えを狙うものですが、昨年後半は5%であり、いかに急速に金融緩和を進めているがわかります。

ちなみに米国では政策金利が0.25%(2007年は5%)、国債買い入れを検討中で、CPと住宅ローン担保証券の買い入れ実施中。また、日本は、政策金利は0,1%、国債等買い入れはすでに実施・拡大中であり、CPと社債を購入中です。