睡眠が充分に取れることで、血糖値が降下することはあります。だから、糖尿病治療に有効だというのは、実に短絡的ではないでしょうか?。しかも、個人差があるものの、睡眠剤には運動障害など様々な副作用が指摘されています。また、糖尿病患者の場合は、運動することで自然と充分な睡眠が得られるとものと思います。ましてや、性機能障害などは糖尿病からの影響による合併症と、薬物投与(糖尿病治療薬・降圧剤)からのものがあり、的確な診断が困難な場合もあります?。

 このことからも糖尿病治療の基本は、運動療法・食事療法です。そして、日本人に多い2型糖尿病では、発症初期では、殆どがインスリンが充分に分泌されており、遺伝的な原因以外は運動消費量に対する摂取カロリーのオーバーが原因です。そのため、最も大切なことは運動により糖代謝を円滑にして、血糖値をコントロールすることです。しかし、運動が充分にできない患者さんは経口血糖降下薬を服用しなくてはなりません。さらには、体重の急激な減少など糖尿病が進行すると、インスリン注射が必要になってくる場合もあります。

 したがって最も大切なことは、発症前・発症初期の段階で運動を心掛けることです。しかし、運動が嫌いな方は勿論ですが、血糖値が高いと、倦怠感などの症状で身体がだるく疲れやすい為、運動ができないことがあります。

 こんな時は、はり治療が糖尿病治療の役割の一旦を担うことができます。実際に、はり治療を受けることで身体が軽くなり気分が良くなることで、運動を始めようとされる患者さんも見えます。はり治療で、糖尿病が急激に良くなることは困難ですが、血糖コントロールに良い影響を与えて、合併症を予防できることは解っています。しかし、体力を維持するには運動療法に勝るものはないと思います。

 是非、運動療法を一生懸命に行っている方、運動とはり治療を併用することをお勧めします!。