視野は広がったか

 

そのむかし、議会を含めた役所内部で、

「千代田区は国際都市である」と表現されていました。

 

多くの議員が千代田区の「地の利」を分析して

そう認識したのです。

 

ただ、どういうものが「国際都市」なのかは、

整理されないままのアピールしました。

 

そのためか、千代田区で金融機関が活動しやすい環境をつくろうとか、

外国人が訪れるまちにしようとか、目指す方向はバラバラになりました。

 

たとえば、大手丸の内地域を「国際金融センター」に

しようという話がありました。

 

しかし千代田区が考えても、そうなるわけではありません。

「国際金融センター」の場合は、むしろ国策になります。

 

議会として、そういうことを含めた千代田区の特性を

もっと研究すべきでした。

 

それでも、「国際都市」の文言を念頭において、

シティ・オブ・ロンドンとの交流を目指すことになりました。

 

いま、千代田区立中学校の生徒が、

英国の学校と交流しているのは、その名残です。

 

ところで、交流事業は何十年も続いていますが、

「国際人」が育ちましたでしょうか。

「国際人」は、どのような形で社会活動していますでしょうか。

 

外国のことを知れば、必ず役に立つとは思います。

 

子供たちに外国に目を向けてもらうこと、国際社会における

日本という視点を持ってもらう契機にする

ということで位置付ければ、「国際人」として活躍しなくても

特に問題はありません。

 

それでも施策としてやっている以上は、

「どんな効果があったのか、何がどう変わったか」くらいは、

検証する必要があるのではないでしょうか。

 

そうでなければ、より効果的な「やり方」を考えることができません。

 

この事業を提案したのは当時の議会ですが、いまは肝心の議会で

国際社会に関心を持った議論をすることがなくなったようです。

 

議員が入れ替わったために、議会として熱情が薄くなったのでしょう。

 

残念ながら、現在の議員質問や主張を聴く限り、

国際社会を意識したものがあるようには思えなくなりました。

 

自分の主張を引き立てるために、外国の事例を持ち出す場合でも、

日本のあるいは千代田区の置かれた諸事情を踏まえて

質問するものにはなっていません。

 

たとえば、LGBTに関するものがそれです。

国によっては、LGBTというだけで命が脅かされます。

 

日本の場合は、歴史的にLGBTが許容されていて、

自由度が高くなっています。

LGBTである芸能人の活躍ぶりをみれば、すぐにわかることです。

 

それをあえて「権利だ」として前面に出し、

「日本は差別が激しい」と訴えるのは、外国の物まねに過ぎません。

 

LGBTを政治的に利用しているのか、とさえ思ってしまいます。

 

 

社会が混乱すると

 

LGBTの政治的利用というのは、社会を混乱させる

材料にするという意味です。

 

現に、岸田内閣が(エマニエル在日米大使の圧力もあって)

LGBT理解増進法を制定してから、

国内の政治的混乱に拍車がかかりました。

 

このことについては、多くの人が警鐘を鳴らしていました。

しかし、岸田内閣と左翼の皆さんは法制化しました。

 

日本人は危機予測が不得手のようです。

 

まぁ、政府の要人自身が政治をビジネスにしているようでは、

危機の予測などできません。

 

それは千代田区においても言えることです。

 

4年前に、千代田区政を混乱させて区長選挙に出ようとする人がいると、

ブログ等で議員に情報提供しました。

 

ところが、混乱を目的として仕掛けをしていることに気が付かず、

議会は前区長の私的事項を調査するための

「100条調査委員会」を設置しました。

 

区長の私生活に問題があったとしても、それで「100条調査委員会」を

作るのは法律違反だと思われます。

 

区政は混乱し、普通なら区長候補になれないかもしれない

某区議会議員が、自民党の支援で区長選に立候補できました。

 

結果的には、某議員は自民党の内紛が障害となって当選できませんでした。

 

区議会議員と区長とは職務内容が全く違うのに、

落選した区長候補は区議会議員として戻りました。

 

これは違法でもなんでもありませんので、議員として勤務はできます。

 

外からは、議員でも首長でも政治家なら何でもいい、

ビジネスだからと捉えているように見えます。

 

さて、来年の区長選と都議選です。

 

自民党多数派会派所属の議員の動向が、選挙を左右するかもしれません。

いまのところは、来年の区長選挙をどうしようとしているのか、

都議選をどうするのかについては不明です。

 

多数派会派の中には陰謀上手な議員がいて、区政が混乱しないと

選挙が有利に展開しないことを承知していると思われます。

 

いまは、効果的な「混乱材料」を探しているのかもしれません。

 

都議選では、第三の候補を擁立して区政の実権を握り、

将来に備えるという選択をすることも考えられます。

 

たとえば、別の政党所属の議員の擁立に協力し、

事実上の支援をすることです。

 

これなら、自民党が「自由投票」を選択した場合には、

自分たちの意向を反映させることができます。

 

いずれにしても、混乱しないと彼らの道は開けません。

社会を混乱させることで、革命を起こす条件を整えることと同じです。

 

国も地方も保守勢力が情けない状況になっていますので、

いまは混乱する条件が整っています。

 

・・・・・・安倍晋三元首相が暗殺されたことによって、

こんなにまでひどい政治状況になってしまうのか、

とつくづく考えてしまいます。

 

このままでは、英国と同じように自民党は政権を失う恐れがあります。

保守層への求心力を持つことができるかどうかが、

決定的になりそうです。