議員の質問

 

6月28日の千代田区議会本会議一般質問で、会派「#次世代」の

岩田かずひと議員(立憲民主党議員)が、小池都知事の

「学歴詐称疑惑」に樋口千代田区長が関わったのではないか

という「疑惑」について質しました。

 

これは、元小池都知事側近であった小島敏郎弁護士の、

『文芸春秋』記事に基づくものと思われます。

 

小島弁護士は、先日「学歴詐称」容疑で、小池都知事を刑事告発しました。

検察庁が告発を受理するかどうかは、まだわかりません。

受理すれば、捜査となります。

 

岩田議員の質問に対して樋口区長からの答弁はなく、

政策経営部長による「説明」がありました。

 

岩田議員の質問は、「都議会議員時代の樋口たかあき現区長の

私的行為」に関するものと思われるので、

区政運営に直接かかわるものではありません。

 

しかし、首長の姿勢や「誠意」の問題としているので、

質問自体は違法行為でもルール違反でもありません。

 

同時に、樋口区長が応えたくなければ、

答える必要のない性格のものです。

 

岩田議員の質問に対して樋口区長が答弁席から、

「行政運営とかかわりのないご質問なので、

お答えすることを控えさせていただきます」とやれば、

紳士的な対応となります。

 

しかし、残念ながら、政策経営部長が「説明」をしてしまいました。

見かたによっては、行政が答えるものであるという

立場を示したことになります。

 

部長が答えるのであれば、「区長が個人の立場でやったことなので

千代田区区役所には関係ありません」という立場だけ

明確にしておけば十分でした。

 

政策経営部長は、岩田議員の再質問にも「説明」していましたので、

樋口区長が答弁拒否をしたと受け止められることが考えられます。

 

樋口区長には自分で答えられない事情がある、

とも理解されてしまうことでしょう。

 

これは、上手な対応ではないような気がします。

問題の先送りになるからです。

 

行政運営上の問題と、私的な事柄を整理できる

チャンスだったのに残念です。

 

 

議員とカスハラ

 

何でも〇〇ハラといえば、自分が優位に立てる

便利な時代になりました。

東京都では、「カスタマーハラスメント」(略称カスハラ)防止の

条例を検討しているようです。

 

「カスハラ」とは、顧客が無理難題をぶつけたり、長期間居座ったり、

威嚇したりすることです。

 

もしかしたら、議員が区幹部職員に対して乱暴な言葉を発することも、

「カスハラ」だとなるかもしれません。

 

条例が可決されれば、「都にならえ」の千代田区も

条例を提案するものと思われます。

 

そのためかもしれませんが、今回の定例議会では複数の議員が

この「カスハラ」について質問しました。

 

役所の答弁は、「入札情報漏えい事件」に関わった議員の行為は

「カスハラ」だといいます。

 

「カスハラ」なのかどうかの判断は、

役所として行うものなのでしょうか。

 

電車の中で女性を見ただけで、「痴漢」扱いにされることがある

とSNSでの問題提起があります。

 

「カスハラ」の内容をしっかりと共通認識にしておかないと、

自分に都合の良いように理解され、

政治的に「使われる」恐れがあります。

 

余談です。

私は若いころに乱暴な言葉を使って、

行政側とぶつかったことが何度もありました。

 

行政が誠意ある対応をしてくれないことに対して感情的になり、

ずいぶんと区職員を傷つけたことがあったと思われます。

 

乱暴な言葉を使うことが必ずしも効果的でないとわかるまで、

時間がかかりました。

 

そのことを認識しておくと、

議員が質問の技を磨かれることでしょう。