気質が変わった

 

都知事選挙では候補者が56人にもなって、公営掲示板が足りずに

選挙管理委員会が大慌てしたようです。

 

後から立候補した人たちは、クリアファイルを活用した

「掲示」を求めたと報道されています。

 

選挙管理委員会事務局は、事前に情報収集をして諸準備をします。

公営掲示板、選挙公報、宣伝カー「7つ道具」、

選挙ビラ貼付用シールなどがそれです。

 

しかし、告示(公示)日にならないと、本当に立候補するのが

何人なのかがわかりません。

 

候補者は事前に選挙管理委員会事務局で書類を

チェックしてもらいますが、チェックを求めない人がいれば、

候補者数を予想できません。

 

それなら100人分くらいの掲示板スペースを、

予め準備すればよいではないかという話になりますが、

東京の場合はそれだけの場所を確保することが困難なのです。

 

今でも都心区では一つの公園の周りに、複数の掲示板を設置して

「数を確保」しているという事情があります。

 

今回のような「掲示板ジャック」のようなことが起これば、

ますます掲示板が大きくなり、設置場所が限られてしまいます。

 

そうなれば新人のポスターによるアピールができなくなり、

現職有利の選挙になってしまう恐れがあります。

 

生真面目な日本人は、違法でなければ

何でもやるようなことをしません。

「掲示板ジャック」などで、選挙制度を壊すような

発想は持ち合わせていません。

面白さだけで走る国民ではないのです。

 

日本人としての価値観に基づき、

幾つもの法律制度ができています。

選挙制度にも、それが窺えます。

 

ところが、政党等による事実上の事前運動が

堂々と行われています。

税金による政党助成金を受け取っている人たちが、

選挙の本旨を踏みにじっているのです。

 

公営掲示板に女性の裸同然の姿をプリントしたポスターを貼り、

警視庁から警告を受けた候補者がいたようです。

 

昔むかし、千代田区長選挙で男性の裸体を

ポスターにした人がいましたが、普通はそんなことをしません。

 

第一番に法律を守らなければならないはずの政党や、

選挙に立候補する人たちがその調子ですから、

示しがつかなくなっているのでしょう。

 

日本人の気質が変わってきたのですから、それに合わせた

法制度を整備しなければならないようです。

 

 

公営掲示板がない

 

都選管は公営掲示板の枠が足りなくて苦労しているようですが、

千代田区では公営掲示板そのものが設置されていなかった

箇所があったことがわかりました。

 

各種選挙の時、各自治体ごとに公営掲示板を

設置することになっています。

実は、このスペースを確保するのが一苦労です。

 

居住者がいないビジネス街にも掲示板が置かれ、

公園には複数の掲示板が設置されています。

 

その千代田区で、都知事選告示日に掲示板にポスターを

貼りに行った人がビックリしました。

掲示板そのものがないのです。

それも、複数個所です。

 

普通はあり得ない話です。

 

万が一事故が予期された場合には、その旨を関係者に徹底するはずです。

当然、連絡をしたのでしょうが、作業をする人たちにまで

情報を伝達する時間的余裕がなかったのでしょう。

 

そのために、ポスター貼付者が現場に行ってから

異常がわかるということになりました。

 

誰かが公営掲示板を持って行ってしまった、

ということではありません。

 

どうやら、今年作業を請け負った業者が不慣れで、

告示日当日までに公営掲示板の設置が間に合わなかったようです。

 

こんなことは起こりえることではありません。

前代未聞の出来事です。

 

地図に記された場所にポスターを貼るために勇んでいたので、

そこに何もなければビックリするでしょうね。

掲示板未設置の場所が14か所もあったようですから、

作業が間に合いませんでしたでは済まない話になります。

 

不慣れな業者が請け負ったために、起きた事故のようです。

次回以降、仕事を失うかもしれない業者には気の毒ですが、

公営掲示板を探している貼付者の姿を想像して、

つい笑ってしまいました。

 

選挙がらみで幾つも問題が起きていますので、

選挙制度全体の検討が必要になっているように思えます。