いつものように、千代田区民、元区職員、私とで責任のない雑談をしました。

 今回は、千代田区の定例議会を振り返っての放談です。

 三人とも定例議会の概要は承知していますが、部分的には思い違いがあるかもしれません。ご容赦ください。(元職員の発言を荒っぽく記述しています)

 

経過を振り返ると

 

都市の自治体では、地元出身というよりも名前が知られていて、どんな人たちが応援しているかで区長が決まるという傾向があります。

 

千代田区では30年ほど前に加藤清正区長が退任して以降、区長が千代田区で長い期間生活した人ではなくなりました。

 

議会のほうも地元出身者だけではなくなり、価値観が異なる幅広い分野から選出されるようになりました。

最近は、女性議員も増えています。

 

25年ほど前までの千代田区は自民党の影響力が強く、自民党以外の議員が「人間でない」ような扱いを受けた時期がありました。

当時の地域社会における差別は酷でしたが、私を含めた自民党以外の議員は、それに耐えて仕事をするしかありませんでした。

 

議会では自民党が3分の2を占めていて、区政は「自民党の天下」でした。

 

ただ、「自民党の天下」を謳歌していたのはごく一部の議員であって、大半の議員は「気の好いオジサンたちの集合体」みたいなものでした。

議会はいつも揉めていましたが、区政運営そのものがギクシャクしたことはあまりなかったと思います。

 

議会は自民党の数が圧倒的ですから、それに対抗する「野党」は攻撃の技術力を高めて主張を通すしかありません。

そのころの「野党議員」は、自民党議員を貶める技を磨いたものです。

 

自民党議員団の幹部は、「野党」のリーダーたちを「良い気持ち」にさせて、行政の施策を容認させることに腐心しました。

「野党対策」は費用がかさんだかもしれませんが、難しいものでもなかったように思えます。

 

やがて世情が変わり、自民党議員の一部の「権力争い」が激化しました。

都議や区長になりたいという強い要求をもつ議員が、党内闘争を賑やかに展開したこともありました。

 

ここで「傭兵」みたいな役割を果たしたのが、一部の「野党議員」でした。

ネパールのグルカ兵士のような、戦い強い某野党議員などは頼りになったと思います。

 

「野党」を味方につけることが、出世の条件だといえるような状況が続きました。

実際、そういう議員が「実力者」と見なされるようになったのです。

 

ところが、区長、都議、区議間(自民党)での内紛が激しくなり、急速に自民党が弱体化していきました。

 

区長、都議を「他党」に取られ、昨年の区議会議員選挙で公認候補は9人しか当選できませんでした。

議会の定数が25人、自民党公認候補が13人でしたが、半数を大きく割り込んだのです。

 

それにもかかわらず自民党は敗北の原因を総括もせず、某議員らが多数派工作のために自民党会派を割りました。

 

多数派の自民党議員は、左翼議員らと連携して中間派と言われる議員たちを揺さぶり、行政を脅すような言動を繰り返しました。

 

3月14日に終了した「予算議会」では、彼らが左翼議員らを扇動していましたので、状況によっては予算案が否決されたかもしれませんでした。

 

ところが、自民党多数派は方針転換して予算案に賛成しました。

予算案は4人の左翼議員の反対しかなく、何事もなかったように可決されました。

 

以上が、これまでの簡単な経過です。

 

女性議員が戦闘的

 

元職員 今度の議会では女性が活躍したね。自民党多数派と協力した女性議員が自民党の保守派と都民ファーストや無所属議員を攻める一方、立憲民主党と都民ファーストの女性議員らを中心に、城を防衛するという感じになった。自民党少数派のベテラン議員が、予算特別委員会で良い味を出したらしい。

 

区 民 イメージからすると、アマゾネスVs守護女神というところですか。

 

中 村 アマゾネスではなく、ジャンヌダルクとイシス(豊穣の女神)かもしれません。

・・・・・・ジャンヌダルクは火あぶりにされてしまいましたので、違うか。

 

エジプトの「イシス」

 

元職員 男どもが情けないので、女性たちが奮起したのだろう。頼もしい話だ。

 

中 村 守備隊の女性二人は、議会運営のテクニシャンではありませんから、かなり苦労されたと思います。

 

元職員 幹部職員は、「豊穣の神」である二人の女性を評価している。彼女たちは苦労した分だけ、パワーが身につくでしょう。今後が楽しみ。

            自民党多数派の某議員が「こんな予算を認めたら、犯罪になる」てなことを言っていたらしいが、最後には腰砕けになって賛成した。動揺すると思っていた行政が踏ん張ったことと、自民党保守派・#次世代(都ファ、立民、無所属議員)が擁護の立場になったことが大きかったのではないか。公明党はいつもの通り落ち着いた判断をしたし、維新も思いのほかまともだった。

 

中 村 自民党多数派にすり寄っていた議員がいたようですから、予算案否決議会解散区議会議員選挙なるかもしれないかったのですが、選挙を恐れた彼らが、いわゆる日和ったのではないでしょうか。

 

区 民 最後は、「わが身可愛い」に走ったということでしょう。

 

中 村 もう一つ考えられることは、会派内で予算案に反対することまでは賛同できない、という声があった可能性が高いということです。

 

区 民 自民党多数派の中にも、左翼になり切れない人というか、自民党を壊したくない人がいるのかもしれません。

 

中 村 可能性はあります。自民党を壊しても平気なのは3人だけでしょう。彼らは一度自民党を離党して、左翼議員と一緒に自民党攻撃をしてきた過去の「実績」があります。

 

元職員 今は自民党内にいて、自民党を攻撃している感じかな。

 

区 民 この議会で行政に一泡ふかすことができなかった彼らは、どこで決起するのでしょう。

 

                           3月25日に続きます