気遣い

 

今はクレジットという名称を使うので、若い人には

「月賦」といってもピンとこないことでしょう。

月払いや回数払いと同じ意味を含んでいるのに、

横文字を使うと切迫感が出ないので不思議です。

 

私たちの世代はむかし、高額なものを現金で買えないので

「月賦」払いをしたものです。

その対象店舗が「マルイ」でした。

そのため、商態が変わっても「マルイ」というと、

「月払い」のイメージが続きました。

 

かなり前から「マルイ」の商業スタイルが、

変わっていることは承知しています。

生鮮食品を除き、デパートになっています。

(店舗によっては生鮮食品のテナントが入っています)

 

そのマルイが、これまでにデパートを凌ぐ

発展を遂げているのは何故か・・・・・・

私にわかるはずがありませんが、最近その理由の

一端に触れた気がする経験をしました。

 

2週間ほど前、マルイ上野店での〇〇教室に夫婦で参加しました。

使用語彙を始めとして、教室の講師陣などの接客態度が見事だったのです。

 

各デパートで、店員さんから不愉快な思いを

何度かさせられたことがあっただけに、その親切さに感激しました。

 

年齢が高く富裕層には見えない私たちなので、

デパート店員さんからすると「適当にあしらう」対象なのかもしれません。

また、個々の店員さんの個性もあることでしょう。

 

マルイ〇〇教室の親切な講師たちに勧められ、私たちはマルイの

「エポスカ―ド」をつくりました。クレジットカードと同じです。

 

手続きを終えて、仮発行のカードを受け取り、美味しいと評判の

店内にあるどら焼きを買いました。

ところが、私の「エポスカード」が見当たりません。

注文した品物は、包装して目の前に置かれています。

 

店員さんを待たせて申しわけないという気持ちで、焦りました。

ところが年配の店員さんは嫌な顔をするどころか、

一緒になって対応策を考えてくれたのです。

 

マルイのテナントだと思いますが、年配の

女性店員さんの私に恥をかかせないという

あの言葉遣いには、素晴らしいものがあります。

 

店内にあるカード発行カウンターにまで行き、

「落し物がないか」と尋ねましたがありません。

ここでも嫌な顔をしないで、いろいろ考えてくれました。

結局、カードは私の置きどころ忘れであることがわかり問題は解決しました。

 

それだけの話ですが、マルイの社員と言われている皆がみな、

相手に恥をかかせないようにしていることが「珍しい」と感じたのです。

社員研修だけで、そのような気風ができるものなのかと思ってしまいます。

 

あれから、妻は友人にマルイ上野店を奨め、

彼女自身も上野に行きたがるようになりました。

マルイの顧客には若い人が多いと思います。

しかし、年配者も行きやすい雰囲気を醸し出しているところが、

魅力ではないかとも感じるようになりました。

 

 

議員の態度

 

日本人の気遣いが好きではないという外国人がいますが、

多くの場合は「信じられないほどの親切さ」と感激するようです。

 

思いやりと無縁かと思われる世界が、いくつかあります。

現場で人の命を左右する消防、警察、自衛隊などの訓練は、

訓練生のトレーニングが非常に厳しくなります。

根底には国民への愛情がなくてはなりませんが、訓練は別もののようです。

 

金融関係で株を取り扱う世界は、儲かるか損をするかのどちらかですから、

情け無用の世界になります。

下手に同情すると、自分のほうが潰されてしまいます。

 

議会では思いやりの不足で場が殺伐とする場合と、

思いやりが仇になるときがあります。

 

千代田区議会における某議員の、同僚議員や区職員への

侮辱行為対して、嶋崎秀彦議員(当時)は、

「まぁまぁ、、あいつにいろいろ問題はあるけれど、

同じ自民党だから大目に見てよ」とやっていたそうです。

ケジメがつけられないのです。

 

嶋崎議員(当時)がそうした姿勢をとっていたのは、「思いやり」以外に

何か「弱み」があったのかもしれません。

彼の甘さと威張り腐った態度によって自民党は割れ、

「左翼自民党」とも呼べるようなグループができました。

 

「都議会のドン」が混乱の背後にいたとはいえ、

嶋崎議員(当時)自身が「ドンの後継者」を自認して、

強引な運営をしたことが混乱の源になったのかもしれません。

気が好い彼は、「ドン」のような「大物」を目指したために、

過ちを犯したように見えます。

 

たとえが悪いのですが、同じように塀の上を歩いていて,

足を滑らせたときに外側に落ちる人と内側に落ちる人がいます。

何が違うのかは一概に言えません。

 

「塀の内側にいてもおかしくない議員がまだいる」、

という声が聞こえてきます。そうなのでしょうか。

 

嶋崎議員(当時)は塀の内側に落ちましたが、

「犯罪者確定」ではありません。

 

これまでガラが悪いと言われた嶋崎議員(当時)が辞任したので、

議会の品が良くなったのかというと、違うようです。

逆に、態度の悪い議員が増えたというのです。

 

ただ騒ぎたてるだけの議員が多くなった、と言われています。

それが事実なら、マルイで研修を受けたほうが良いかもしれません。