自民党幹事長交代

 

分列している千代田区自民党議員団の少数派(保守派?)である、

嶋崎秀彦議員が会派の幹事長を辞任して、

永田壮一議員が新たに幹事長に就任しました。

 

昨年、嶋崎議員は令和6年1月6日までの病休届けを出していました。

 

しかし、年が明けても登庁は難しい状況にあるとして、1月5日に

自民党少数派の幹事長と環境まちづくり常任委員長の

辞任届を提出したとのことです。

 

嶋崎議員は議会運営委委員でした。

こちらも、永田議員に替わりました。

 

嶋崎議員から病欠届が出されたのは、昨年の11月定例議会中でした。

当時ヤフーニュースで報道された、区の契約情報漏えい事件に

関わり合いがあるかもしれない、ということで話題になりました。

 

第三者の目には、嶋崎議員の病欠はそのこととと

関係があるように見えます。

 

そうであれば、中長期病欠を理由に役職の交代したほうが、

きれいに処理できたと思われます。

 

病欠でなくても、中長期欠席の場合は役職を辞職するのが普通です。

しかし、嶋崎議員から役員辞任届けが出されませんでした。

役員辞任届けが出されなかった理由は不明です。

 

 

議会の役員交代問題もさることながら、不思議なのは

誰も契約情報の漏えいについて触れないことです。

行政は口をつむぎ、議員は話題にもしません。

 

普段はこうしたことに厳しい主張をする議員も、行政に質すことをしません。

後で、政治問題に「活用」することを念頭に、

この問題を「凍結保存」しているのでしょうか。

あるいは、議会として話題にできない、何か特別の理由があるのかもしれません。

 

嶋崎議員の、今後の身の振り方はわかりません。

「願わくは議員の職務を全うしてほしい」と切望する人がいるようです。

私も、嶋崎議員の果たす役割は重要だと思っています。

しかし、今の本人、行政、議会の対応では、継続が難しくなるばかりです。

 

ヤフーニュースの「件」が事実であれば、他の議員の刑事事件の

書類送検と一緒に議論すれば良いいだけの話です。

そうではなく、議員としての職務放棄のような状態になっているのが

問題にされると考えられるからです。

 

 

左傾化が強まるか

 

嶋崎議員が環境まちづくり常任委員長を辞任したあとの、

委員長が互選されました。

委員会内で選挙を行った結果、自民党多数派(左翼系?)の

林則行議員が、委員長に選ばれました。

 

自民党多数派と左翼系議員との連携があっての選出だ、

と伝えられています。

 

これによって、3つしかない常任委員会の委員長を、

自民党多数会派(議員数6人)の議員が独占しました。

千代田区議会始まって以来の珍事です。

 

委員会は7つあります。

そのうち5員会が左翼系委員長になりました。

 

会派「次世代」所属議員が委員長の議会運営委員会と、公明党が委員長の

特別委員会の一つを除き、自民党多数派+左翼系議員が

議会を仕切ることになります。

 

「自民党・左翼連合」ともいえる、

「画期的?」な体制が出来上がってきています。

 

今後は、左翼左翼系と蜜月関係にある、

自民党多数派が議会内で存在感を示すことになるでしょう。

 

国会で自民党が分裂し、その一部が左翼政党と連携して

議会ポストを握ったら、自民党支持者はどう思われますでしょうか。

面白いことに、千代田区ではそれに近いことが行われているのです。

 

千代田区議会自民党多数派は会派を分裂させたので、

「堂々と」左翼系議員と連携できるようになりました。

これまでとは違い、会派内にそれに抵抗する議員がいないからです。

 

来年の区長選挙や都議会議員選挙に向けて、「反樋口区長」の旗色を

鮮明にする条件整備が整いつつあるといえそうです。

 

どうして、このような結果になったのでしょう。

区政関係者に聞いてみました。

次の5点が理由としてあげられました。

 

嶋崎議員が、辞任までの空白の期間をつくった。

嶋崎議員所属の会派が、その状況を変えられなかった。

自民党多数派が、保守政党としての自覚と誇りを捨てた。

自民党の多数派が、左翼議員と連携を強めた。

行政の無関心が強すぎた。

 

なるほど、原因は一つではなさそうです。

 

嶋崎議員の病欠届けが出されたあとの時間を有効に使い、

多数派形成した自民党多数派が勝利したことは、

今後の区政運営に影響することでしょう。

 

 

良し悪しは別にして、議会の役職は会派や議員の活動状況を考えて、

話し合いで割り振るのが慣例でした。

 

環境まちづくり委員会の委員長は、自民党少数派に配分されたものでした。

常識的には、嶋崎議員の所属する会派の議員が後任となります。

状況によっては、委員の差し替えもあり得ます。

 

その慣例が壊されて、特定会派が委員長ポストをほぼ独占しました。

不当・違法かというと、そういうわけではありません。

節操の問題は別にして、「実力」を発揮したに過ぎません。

 

今回の件は、投票でものごとを決めるという

議会本来の姿を示したことになります。

 

議会人事はバランスを配慮する必要はなく、これからは

水面下の交渉でものごとを決めないということが大事になります。

 

一票でも多ければすべてを掌握できる、少なければ発言権を失うという、

新しい慣例によって今後は少数意見は消されていくことになりそうです。

 

それを左翼系の議員の皆さんが選択したところに、

興味深いものがあります。