困る理由がない

 

このブログでは、これまで千代田区の議員が多いのではないか

と問題提起してきました。

議員数を減らしても、住民サービスが向上するとは限りませんし、

低下することはほとんどありません。

 

議員数を減らした分だけ職員数を増やせば、人的サービスは充実します。

 

千代田区には、「なくても困らない組織」がいくつかあります。

元幹部職員等の再就職先のような、外部組織のことです。

議員を減らしても、そのような組織を拡充させると意味がありません。

 

増えた職員数で充実できる住民サービスには、どんなものがあるでしょうか。

たとえば区内マンションの管理人を、元職員が担うのがそれです。

集合住宅で暮らす新しい区民の皆さんは、

行政や地元と疎遠になりがちですが、その橋渡しになれます。

 

各出張所に地域コミュニティ担当者をおき、

地域組織との連携をはかることもできます。(以前、担当者を置いた

ことがありましたが、短期間で廃止されました。職務の内容が

明確でないことや、使命感の問題があったと思われます)

 

ペットと一緒に眠れる場所の研究・紹介も、良いかもしれません。

ペットと暮らす人が増えてきた、新しい時代への対応です。

 

議員数を減らした費用で、防災用職員家族の

住宅を確保することも、方法だと思います。

このことで、在住職員が少ない千代田区でも

有事の際、効果的な対応ができるようになります。

看護師に特化した住宅建設も、被災時の対策として意味があります。

 

支出面だけでなく、昼間区民を対象にした「ふるさとの納税」担当の

歳入窓口を作れば、事業に使える経費をまかなうことができます。

この場合は特定の事業を提示しないと、納税してもらえそうもありません。

江戸城天守再建や、路面電車研究費用などがそれにあたります。

 

どんな仕事をしてもらうかという視点がないと、職員を

増やす意味がありませんので、区政運営方針との兼ね合いが重要です。

知恵を出し合えば、色々な事業展開ができるのではないでしょうか。

 

議員が何人いても、こうした事業はできませんし、

有事の際には役に立ちません。

 

議員数の話をするとき、議員数が多ければ住民の意見が

より反映されるという意見が強調されます。

少ないよりも、多い方が色々な人が参加しやすくなる、

というのはなるほどと思える見解の一つです。

 

でも、効率性や投資対効果の問題があります。

多ければ良い、ということにはなりません。

 

多くの場合、議員は個人の考えを披露するだけです。

後援会活動はあっても、幅広い住民意見を聴く機会すらつくらない、

というのが実態ではないでしょうか。

各議員の「議会報告」は、自分の宣伝だけが目立ちます。

 

それに、最近は「議会をあげて〇〇に取り組む」というものが見られません。

これでは、大勢の議員がいる意味がありません。

 

議員数は多いほど良い、という主張には説得力がないのです。

 

議員数が多いことによる、弊害はどうでしょうか。

①  税金投入額が多くなる。

②  議会としてのまとまりがなくなり、非効率的な議論で時間が浪費される。

③  会派のまとまりを重視するために、会派の利害が優先される。

④  目立ちたいための、パフォーマンスが増える。

⑤  バラバラになり、方向性を統一できないため政策論議ができない。

と、いったことが考えられます。

 

 

どの程度が妥当か

 

千代田区議会の場合は、常任委員会(常設委員会

―これが委員会活動の中心になります)は2~3つあれば機能します。

 

3常任委員会で試算してみます。

委員会構成は奇数が望ましいので、1委員会7人で21人いれば十分です。

 

2常任委員会であれば、7人×2委員会で14人です。

議長を常任委員会から外しても、15人で十分だということになります。

 

ところで、23特別区の議員定数はどうなっているのでしょう。

人口が違いますから、議員数の単純比較はできません。

住民数に対して議員数はどうかを、慎重に見る必要があります。

 

千代田区は、人口2206人に1人の議員になっています。

中央区は、人口4915人に1人の議員です。(2016年現在)

 

東京23区 議員定数・議員1人当たり人口・平均年齢・女性比率・議員報酬・政務活動費(2015年4月調)【一覧表】 (23kugikai.net)

 

千代田区は、人口対する議員の多さで筆頭区です。

人口比2番目に多い中央区と比べても、議員数が倍以上という計算になります。

 

因みに、最も議員一人当たりの人口比が多い江戸川区で、

15565人に1人の議員になっています。

 

この数値からすると、千代田区はいまの半分である

議員数13人にしても「世間並」以下となります。

 

議会を機能させるための最低数は、どのくらいでしょうか。

13人ほどで構成している地方議会がありますから、

それで大丈夫といえます。

 

といっても、激変緩和しないと議会での合意が得られないという問題があります。

その点での配慮は必要なのかもしれません。

 

以前、自民党、公明党、私で2度にわたって、

議員定数を削減したことがあります。(36人→30人、30人→25人)

 

そのとき、猛反対した人たちは「議会が機能しない」と騒ぎました。

削減した結果・・・・・・何も変わりませんでした。

 

議員数の多さよりも、議員の質が課題ではないでしょうか。