こんにちは。

昨日はなかなか寝つけませんでした…。

昨夜は、FIFAクラブW杯2015ジャパン決勝戦「リーベル・プレートーバルセロナ」のスタジオゲストとして準決勝に引き続き出演させていただきました‼︎





といつも通りの形で終わろうとしたんだけど、書き出したらどこかでスイッチが入ったんでしょうね。止まらなくなり、とてつもなく長くなってしまったのであまり興味のない方はここでやめておくことをお勧めします
今忙しい方も読まないほうがいいです(そんなブログあんのか?笑)
あと同業者の方は読まないでください。恥ずかしいので
読まれる方は覚悟して読んでください(苦笑)

また完全な個人の主観で書いてるものなので誤字、駄文も含め気分を害す方がいらしたら先に謝っておきます。ごめんなさい。


決勝戦、結果的にはバルサの強さが際立った試合でした。

ここまで個と組織の融合が高次元のレベルにあるチームは中々ないと思います。

MSN(メッシ、スアレス、ネイマール)が期待通りの活躍でしたがそれをサポートする中盤、最終ラインの選手たちのプレーも素晴らしかったです。

ひとりひとりの基礎技術が他の追随を許さない高さにあり、その技術の高さゆえに最後の局面で判断を変えられる、変えられるということはディフェンスからすると選択肢を狭めて守れないので対応が難しくなります。(ディフェンスは相手オフェンスの選択肢を減らしていき最終的には選択肢をなくしてボールを取りたい)

人にマークをついても剥がされる、ゾーンで守ろうとすると間をスイスイいかれる。昨日のピッチではそういうシーンが頻発して起きていました。

リーベルの戦い方は先制点を許すまでは狙い通りのところがあったかと思います。南米のチームらしく人に激しくチャレンジにいく守備が功を奏するシーンが多く、決定機は作られはしていましたが、バルサのミスをついて攻めに入れていました。
また激しくプレスに行ってファールになった後に意図的に少し挑発してバルサの選手たちをイライラさせようとするところも南米特有の「らしさ」が出ていたと思います(個人的にはこういう心理戦結構好きです。
ただ、激しく行き過ぎた代償としてクラネビッテルとポンシオという中盤の守備の要2人が前半の早い段階でイエローカードをもらってしまったことはその後のゲーム展開に影響しただけに残念でした…)

ボールを持ちながら隙をつくバルサと受け身にならずボールを激しく奪いにいく守備が功を奏していたリーベル。非常に息の詰まる緊迫した攻防でした。

その緊迫したムードを打ち破ったのはやはりメッシでした。

得点シーンの技術の高さはもちろんなんですが、個人的には左サイドのネイマールからメッシに横パスが入った時のメッシのファーストタッチが本当に素晴らしかったと思います。

得点直前の前半34:52のシーン。
横パスが出た瞬間リーベルの中盤の選手もおり、奪われてもおかしくないシーンでしたが、メッシは奪れないどころか左足のワンタッチですり抜けてバイタルエリアに入ります。一番危険なエリアでメッシが前を向いてプレーできる時間とスペースを作りました。そうなるとメッシはそこから何でもできる選手なので、リーベルの選手たちはボールを持ったメッシの前に集結せざるを得なくなります(集結した選手たちの全員の視線がメッシに釘付け)そのあとの展開は見ての通りでしたが、ワンタッチ11つで危険な局面を自ら作り、なおかつゴールを決めました。

これぞメッシの真骨頂。
難しくなりかけた試合の流れを自らのプレーで自分たちの方に持ってくるきっかけになったゴールのそのちょっと前のメッシのワンタッチの技術は本当に凄かったと個人的にツボに入っておりました…あのワンタッチで局面ガラリとかわりますから…マニアックすぎてすいません…(苦笑)
しかし本当に3日前に尿管結石で苦しんでた人間のプレーとは思えないんですが…凄い。

先制点を取った後の戦い方は試合巧者そのものでした。

特に緩急のつけ方が秀逸でした。相手の出方を見ながらボールを回し、穴が見つかった時のスイッチが入る瞬間、特にメッシの0から100になる迫力は凄まじかったですね。フラフラ歩いてるかと思ったら急に何かに弾かれるように走り出してゴールに向かってくる出力の出し方は本当に凄かった。

また、そのスイッチを入れるのもパスだけでなくドリブル・パスなどあらゆるプレーで入れられるのはバルサの強みだと思います。パスも縦パスだけでなく何気ない横パスでも入れられるので守る方からすると非常に難しかったのではないかと思います。「来ないな」と思ってる瞬間にいきなり来るんですから。
また攻撃ばかり注目されていますがこのチームの強みは守備にもあります。
トランジション(切り替え)の早さ、ゾーン(相手陣地、中盤、自陣)ごとの守備。特に相手の「選択肢を消す」プレスは本当に凄いと思います。前の選手が相手ボール保持者に対してどの角度からプレス行ってるのかそれをみて自分はどうポジションを取るのか。約束事は多いかもしれませんが、ひとりひとりの判断と実行力そしてそれを繋げられるチームとしての連動力が図抜けていると思います。

その攻守の中心、肝の位置にいるのが5番のブスケッツです。怖がらないでボールを受け続け、そこでほとんど取られずにボールをさばける、ボール回しが滞れば最終ラインに入って周りを助け、フリーであれば2点目のロングスルーパスのように危険なパスを通せる。守備では1人でもボールが奪え、セカンドボールに対する反応、リスク管理もしっかりしている…などなど挙げればきりがないんですが(笑)とにかく献身的で、常に状況判断が的確でそれに基づいたプレーができ、味方を助け相手を困らせます。彼はバルサの縁の下で支え続けている。ブスケツが中盤の底で1人で攻守にハイレベルの仕事ができるために周りの選手は自分のことに集中できのびのびとプレーできているのかなと思います。
個人的にはバルサにとって最も重要な選手だと思っています。
あ…ブスケツの話はやはり止まらなかった…(笑)すいません。

リーベルはハーフタイム2枚替えした後半開始直後に2点目を奪われてしまったのが痛かったと思います。

あのシーン、バルサ陣内でのリーベルの攻撃から始まっているんですが、その時のバルサの前線の3人の守備の位置を注目していたんですがこれが、ものすごいサボってたんです…苦笑
(テレビでは映ってなかったです)
でも後ろの選手たちははなからそのつもりで4-3の守備のブロックを作っていました(映ってたのはこのキレイなブロック)
で、中盤で奪ってブスケツがパスを出す瞬間にはリーベルの2人のDFに対してMSNの数的優位という恐るべき局面が作られ、スアレスがゴールを決めました。

こういったシーンは昨シーズンからよく見られる光景なんですが、日本だったらあの3人の前線での残り方はミーティングで絶対に怒られる残り方です(苦笑)でも、チームとしてそれを許容して後ろはしっかり守りカウンターで決めきってしまう。あのシーンにチームの3人への信頼が凝縮してたように思います。逆も然り。
「守っていれば確実に、確実に点を取ってきてくれる」これ以上に後ろの選手たちが守りに集中できる理由はありません。
もちろんああいった残り方が出来るのは先制点を取れたからということも大きいかと思います。万が一、1点取られても同点、むしろここで取ったら突き放せる
という心理からきた強気なポジショニングだったと思います。正直、1点差の状況であの駆け引きが出来るのはセンスとしか言いようがないです。

これでゲームの大勢は決まってしまいました。

その後の話はここまでで既に長くなりすぎたのでもう割愛(笑)

バルサはもちろん、負けてはしまいましたがリーベルも南米特有の激しさ、厳しで対抗し、両者の良さが出ていた決勝戦だと思います。

特にバルサですが、近年稀に見る好チームだと個人的に思っているのでこの状態のバルサが日本に来て、たくさんの人がこの試合を日本のスタジアムでテレビでそれもリアルタイムで観れたことは本当に大きいことだなと思いました。

サッカーをやってる子どもたち、指導者の方、たくさんのサッカー関係者、サッカーが大好きな方、サッカーには興味なかったけど見た方。もちろん自分のようなプロのサッカー選手も。

もの凄い刺激を受けたと思うし、俺は刺激を受けすぎてボールを蹴りたくなってしまいました(笑)
このレベルのプレーを日本で観れたことは幸せなことだと思います。
昨日観た子どもたちがあそこを目指して日本中でボールを蹴ってることを願ってやみません。って蹴ってるか。俺も蹴りてーもん(笑)

また改めてこの大会を「観る大会ではなく出る大会」にと強く思いました。

広島の素晴らしい戦いを目の前で観て、誇らしさと同時に悔しさとここでやりたいという気持ちが湧いています。オフに入ったばかりにもかかわらず既にモチベーションMAXです。

それだけの刺激を受けた素晴らしい大会でした。
その素晴らしい大会のスタジオゲストとして招待していただき改めてありがとうございました。

ブログ始めて8年になりますがおそらく史上最長を更新したのではないかと思います。珍しくサッカーの中身についても書きましたが、生で見た人間として書かずにはいられなかったです(笑)かなりマニアックなところもありましたが…いいよね、個人のブログだもの(笑)

最後まで飽きずに読んでくれた方ありがとうございました

今夜はJリーグアウォーズに行ってきます‼︎

ケンゴ

P.S.
終了後、森重選手と。



久しぶりにお会いしたナオトさんと森重選手と一枚。