ディジタルゲートICの実験(その4)多数決回路 | 中峯浩のオフィシャルブログ

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京都教育大学教育学部産業技術科学科で行われている実験実習の内容を簡単に説明します

1.NAND型フラッシュメモリ

 

NAND型フラッシュメモリは、不揮発性記憶素子のフラッシュメモリの一種です。NOR型フラッシュメモリと比べて回路規模が小さく、安価に大容量化できます。従来のフロッピーディスクに代わるPC用のUSBメモリやソリッドステートドライブ(SSD)、デジタルカメラ用のメモリーカード、携帯音楽プレーヤー、携帯電話などの記憶装置として使用されます。

 

この講義では、これまでは2入力NANDゲートIC(7400)を用いてきましたが、今回は新たに3入力NANDゲート(7410)も用います。ピン接続図は、図2のようになります。

図1 2入力NANDゲートIC(7400)

 

図2 3入力NANDゲートIC(7410)

引用:https://makerselectronics.com/product/7410-ic

 

2.多数決回路を作る

 

多数決回路とは,3つの入力を与えた時に,2つ以上が1だったら1を出力する回路です.名前の通り多数決をすることができる回路です.真理値表は以下のようになります.

 

表1 多数決回路の真理値表

 

これまでは入力が2つだったので2入力NAND(7400)と呼ばれるものを使用していましたが,今回は3入力NAND(7410)と呼ばれる3つの入力全てが1のときのみ0を出力するという素子が必要になります.

 

繰り返します。3入力NANDは,「3つの入力の全てが1のときのみ0を出力する回路」で,2入力NANDが,「2つの入力の全てが1のときのみ0を出力する回路」です.これらを使って作った多数決回路が以下の図です.

 

図3 NANDゲートにより構築された多数決回路

 

この図において、左側のNANDゲートは7400の内部ゲートです。それに対し、出力端にある3入力NANDゲートは7410というICの内部です。図1および図2をみて足の番号などを確認してください。

 

では、多数決回路を配線してみましょう。ですが、前回の方法(信号が1ならば5Vに接続する、信号が0ならば0Vに接続する)ではいま一つ動作がわかりにくいので、今回はスイッチとLEDを組み合わせてみます。したがって、回路図は図3から図4に変更します。

 

図4 多数決回路の実配線図

 

図5 多数決回路の製作例

 

次回は、足し算をしてみましょう!?