ハコヨガ


本理論では、自律神経系の機能 は進化の階層に則って三つに分けられています。人間やその他の哺乳類には、
(1)有髄化〔絶縁性の 随着によってニューロンの軸索が覆われること。これにより神経バルスの伝導が高速化される〕されていない無髄 の迷走神経経路で、横隔膜より下の内臓の迷走神経制御を行っているもの、
(2)有髄の迷走神経経 路で、横隔膜より上の臓器の迷走神経制御を行っているもの、
(3)交感神経系、という三つの下位 システムがあります。

進化の過程で、最初に無髄の迷走神経経路が発達しました。ほとんどの脊椎動物は、これを持って います。人間やその他の哺乳類では、安全な場合には、この古いシステムによって恒常性(ホメオス タシス)が保たれています。
しかし、これが防衛に使われたときは、不動状態になり、徐脈や無呼吸をもたらします。そして代謝を落とし、シャットダウンを起こし、見た目には崩れ落ちたようになり ます。人間では解離も起きます。
シャットダウンのシステムは爬虫類にとっては適応的です。なぜな ら、彼らの小さな脳は、哺乳類に比べてごく少ない酸素しか必要としないからです。爬虫類は、呼吸 しなくても数時間生命を保つことができます。 を保つことができます。一方、たとえ水中に棲む生物であっても、哺乳類であ れば呼吸を止めていられるのはせいぜい二〇分ぐらいです。
爬虫類の迷走神経は無髄の太古の迷走神経です。爬虫類と違って哺乳類は、系統発生学的に二つの 迷走神経回路を持っています。爬虫類と同じ、無髄の迷走神経と、それとは別に有髄化されている哺乳類特有の神経回路があるのです。
この二つの迷走神経回路は、脳幹の異なるところから出ています。有髄の神経経路は、すばやく繊細な反応を起こします。脊椎動物の自律神経は、進化の上では最初に「不動状態」を起こす無髄の迷走神経ができました。サメや、エイなどの軟骨魚でさえ、無髄の迷走神経を持っています。

〈中略〉

ポリヴェーガル理論により、自律神経系は、ただ単に二つの拮抗する神経系で構成されているので はなく、三つの下位システムがあるということが明らかにされました。また、この下位システムは進 化の順番に沿ったヒエラルキーを形成し、新しい回路が古い回路を抑制するようにできています。こ のヒエラルキーは、ジョン・ヒューリングス・ジャクソン(1884)の「解体理論」とも通じるものが あります。ジャクソンは、脳損傷や脳の病気を患うと、脳の回路が順番に脱抑制していくと述べてい ます。

困難に見舞われたとき、なぜ私たちはこうした違った回路にスイッチを入れるのでしょうか。危機に瀕すると、迷走神経系は、生き残るために、まず新しい回路を発動し、順に古いものへと移動して いきます。
こうした移行が起きるきっかけは何なのでしょうか? 
私たちは、自分の行動は自ら選んでいると思っています。しかしこれは認知的な偏見です。私たちは、ある動機づけによって行動し、 その結果については自己責任であるとされています。あなたが行う選択には、どのような結果、リスク、メリットがあるのか、と問われています。しかし自律神経系の神経制御の「スイッチの切り替え」は、意図的に行われるものではありません。意図的に行っているわけではないのに、それが行動 に与える影響は非常に大きいのです。
クライアントは、神経系の状態を変える「合図」については、通常意識していません。しかし自分の身 体が反応していることには気がつくでしょう。例えば胸がドキドキしたり、汗が出てきたりします。

〈中略〉
新しい迷走神経回路で保護されている間は、私たちは落ち着いていられます。しかし、この新しい迷走神経回路の、生理学的反応を制御する能力が失われてしまうと、私たちは「戦うか・逃げるか」という防衛反応に駆り立てられたロボットになってしまいます。闘争/逃走反応という防衛反応に陥ると、人間や他の哺乳類は、身体を動かしたいと感じます。そのような中で、孤独であったり、拘束されていて動くことができないと、私たちの神経系は、それを「自分はどうすることもできない状態 である」という合図として受け取り、「不動状態」に陥ります。

〈ポリヴェーガル理論入門〉より

今日は迷走神経系のお話でした。

体がどこも不具合なくいれるのは、体の中のシステムがよく働き調整されているから。
体の内側ではご飯を食べたら消化、吸収して体が作られ、体が快適に動き、いらないものは排泄して出すし疲れたら自然と眠くなる。
体の外側の世界から来る情報を(五感)受け取り的確に判断し、社会とうまく交流できるのも、やっぱり体がまともに機能しているから。

「私たちは、自分の行動は自ら選んでいると思っています。しかしこれは認知的な偏見です。」

と書いてあるように内側と外側からの刺激に反応して、対処しているだけともいえます。

とはいえきちんと機能するためには体が健康でないといけません。
では健康とは何でしょうか?
体が危険に脅かされている状態は健康とは言えません。そう捉えると、肉体的にも、精神的にも体が安心している方が健康的だと思います。

そのためには、物理的な部分において(骨の整列、筋肉の状態など)できるだけ整っている方がいいです。

特に頭の位置、頸の状態は大事です。
頭が傾いているだけで、なんだか太って見えますね。。。印象も違ってくるので周りからの見た目も変わるでしょう。

本日も参加ありがとうございました。
来週は、おやすみです。
再来週お待ちしております。