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「安全であること」の役割と、生き残るために必要な「安全である」という合図

神経系は、爬虫類から哺乳類へと進化した過程で変化していった。特に哺乳類では、同種の生物の うち、どれが安全で近づいてもよく、また触れてもよいのかを同定する神経系が発達した。爬虫類や、 その他のいわゆる「原始的な」脊椎動物では、防衛戦略が非常に発達していた。しかし哺乳類として適応するには、今度はそのよく発達した防衛戦略のスイッチを切る神経的作用機序を作っていくことが必要になった。
哺乳類は、いくつかの生物学的な必要性に迫られて「安全」を求めるようになっていった。第一に、 我々の祖先であり、すでに絶滅した爬虫類と違って、哺乳類は生まれてからすぐ、母親からの世話を 受ける必要がある。第二に、人間を含む数種類の哺乳類は、生きていくために長期間社会の中で相互 依存的関わりを必要とする。こうした哺乳類にとって、「孤立」はトラウマ的な出来事であり、 健康を著しく損なう。防衛反応を起こすスイッチを切り、子育てをしたり、適切な社会的行動をとる ためには、安全な環境と、安全な同種の生物を同定する能力が必要になった。第三に、生殖、授乳、睡眠、消化を含む様々な生物学的、行動学的機能を果たすためには、哺乳類の神経系は安全な環境を 必要とする。特に、妊娠や出産直後など、脆弱性を持つ時期には、こうした安全な環境が必要不可欠
このように哺乳類は、特定の生物学的機能を果たすために「安全」を必要とする。そのため哺乳類 は社会的行動の表現と感情の制御を必要とするようになっていった。
すでに絶滅した爬虫類と哺乳類の神経生理学的な違いは、系統発生学的に見ると、社会行動と感情 の制御に関係している。心と身体の健康という点から考えると、危険で生命が脅かされる環境では、 こうした社会的神経回路は使用不可能になる。そして、いくつかの精神的あるいは身体的障碍を持つ 人においては、この神経回路がうまく働いていない。
ポリヴェーガル理論では、こうした社会的行動と感情の制御を行う神経回路は、神経系が「安全である」と感じているときにのみ発動すると指摘している。そのとき、この神経回路は、「健康」「成長」「回復」を促進するように働く。
〈中略〉
どのような状況が「安全である」という感覚を損なうのか考えてみる必要がある。「安全ではない」世界で生きることの、健康への負荷は計り知れない。我々が危険や生命の 危機に対して脆弱性を持つことを理解した今、強靭な社会的な絆を築くとともに、「健康」「成長」「回復」を支持することができるように、防衛系を抑制する社会交流システムを促進す ることが重要である。
〈ポリヴェーガル理論入門〉より

身体は安全であることで安心することができます。
身体が安全であることとは?
についてのお勉強でした。
自分が思っている安全と体が感じている安全は違ったりしがちです。
そして安全であることでようやく安心できます。

例えば、いったことのない場所に訪れたとき、マップを見て位置を確認しますよね。
それが地図もなく自分が今どこにいるのかわからなければどうでしょう?
それだけでもなかなか不安でしょう。
自分の体の位置(見えてないけど指先が感じられるといった具合に)がわかるとそれだけでも安心できると思います。

体でいうと、こんな感じで左右のズレがあるのでもうそこそこ体は居心地が良くない。
建付けの悪い家に住んでると想像するとわかりやすいでしょう。
もう安全ではないので不安ですよね。
これは無意識の世界なのでなかなか気付けないです。つまり、痛みがでたり違和感を感じるといった具合によっぽどの症状が出ない限りは意識上に上がっては来ないので実際は「不安」とは思いません。

またその体が感じていることと現実とが近ければ近いほどあなたの体は安全で安心して動くことができると思います。

matsu塾では「安全」で安心できる身体に整えるための運動をしています。
なんとなく動くより、感覚を磨く。

また確認しながらうごいていきましょう。
本日も参加ありがとうございました。