◎コンクシェル、オーバーペースに… 日曜の予想結果 | NAKAMEの中央競馬重賞予想

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唯一の休みとなった日曜日。やる事やって午後はランニング。曇って気温がいい感じになりまして。更に信号にもほとんど引っかからず、とてもストレスフリーなランニングでしたね。時計もまずまず。体重が落ちないと動かす時に重くてそこが課題。どうにかしたいですねえ。

 

 

さて、そんな日曜に行われた重賞はGⅠヴィクトリアマイル。早速振り返ってみよう。

 

 

勝ったのはブービー人気のテンハッピーローズ。ゲート内でハーパーの駐立が悪く待たされたがいいスタートを切った。外からフィールシンパシー、内からスタニングローズ、コンクシェルが主張する中でコンクシェルが出鞭を入れて先手を奪った。フルゲートを割って有力なマイラーがいないという組み合わせからはちょっと想像できないペースとなり、入りの3Fは33秒8、4Fが12.2-10.5-11.1-11.6で45秒4、後半4Fが11.4-11.6-11.7-11.7の46秒4で1秒の前傾ラップとなった。こうなるとマイラーがスイスイと付いてくペースで1800質であったり中距離寄りな馬は追走に手を焼く。この馬自身はスタートの良さと裏腹に位置は中団やや後ろとなったが折り合いはバッチリ。重賞勝ちはなかったが勝ったレースは1200と1400でOP入り後も1400を中心に使われてきた馬だけにマイルならこれくらい流れた方が折り合いやすい。高速巡行の東京マイルは1400経験が重要だといういい例だろう。直線では有力馬がそれぞれ伸びあぐねる中、外から悠然と差し切ったが、2着馬とは脚をどれだけ温存できたかの差もあっただろう。ペースが展開にもこの馬にも上手くハマってくれた感はあるが、1400を使ってきた馬がこのペースを物にするという意味では勝ってくれてよかったなと思う。牝系自体は遡っていくとAloeに辿り着く牝系だが、血統の全体像はマイラーというよりも中距離馬で、胴回りもマイラーとしては長め。その中で1400で脚が溜まるマイラーになったのはシンボリクリスエスの影響が強いのかも。飛節もやや曲飛気味だ。エピファネイアはこういった馬が割と多いけども、ラストまで脚が持たずに最後は失速気味に入線というシーンもよく見る。今回も最後はやや詰められているが、そこはやはりやってきた競馬の違い。ペースへの耐性が上だった。年齢的にここから更にという感じはしないが、個人的には色々意味を持つ1戦になったかなと受け止めている。

 

本命のコンクシェルは13着。逃げれば3戦3勝という馬でここは前述の通り出鞭も入れて逃げて行ったが、他が速くてペースを落とし切ることが出来なかった。入りの3F33秒8、4F45秒4自体は馬場を思うと速いという程ではないが、この馬としてはテンが進まない1800型なのでこれでもかなり踏んで逃げている状態。馬場の違いがあるので一概に比較してはいけないが、わかりやすい比較例を出すと前走の中山牝馬Sが入りの3Fが37秒4と3秒6も遅く、4Fは4秒2も遅かった。今回はスタートからアクセルベタ踏みで行っていると言っても過言ではなく、そうなってしまうとラストに余力はない。GⅠ級のスピードレンジがないという裏返しかなあという感じもしないでもなく、今後は中距離に距離を絞った方が良さそう。パドックは良く見せなかったが、割とそういう馬なのかなという印象もあり、これはそこまで気にしなくていいのかも。道悪は上手なので雨の時期に差し掛かるのはこの馬にとって歓迎だろう。この経験を今後に活かすことが出来れば。

 

2着フィアスプライドは好位からロスなく運んでそつがなかった。高速巡行のマイラー的要素が強く求められるヴィクトリアマイルはストームキャット持ちが強い。フィアスプライドはストームキャットは持っていないが、サマースコールがストームバードにセクレタリアトなので構成はストームキャットに似ているし、その点このペースをこなす下地があったかもしれない。このレースに2頭出ていた6歳馬がそれぞれワンツーを決めたし、やっぱり経験は大事だなという結論に。3着マスクトディーヴァはフィアスプライドを見ながら運ぼうとしていたが、自然と位置が下がっていって中団に。直線で狭いスペースを割れずにブレーキをかける場面があったが、仮にそれがなくても勝ち切るまではなかっただろう。この馬自身、マイルのペースをこれだけ追っていくのは初めてで、その中で位置が下がっていったのだからマイラーとしてのスピードレンジで走っている馬ではないのは明らか。距離不足=スピード不足で不利を受けるというのは往々にしてある事で、狭いところを割れないのは余力のなさに繋がる。今回の結果から、本質的にマイラーとしての資質が劣るというのはハッキリしたと思うし、今後は距離を延ばして中距離戦線を歩んでいくべきだろう。4着ドゥアイズはマスクトディーヴァと同じルーラー×ディープだが祖母がサミットヴィルでマイラー然としているのはこちらの方。ただハイペリオン的な馬なので巡行する競馬は得意ではなく、もうちょっと時計が掛かった方がいい。サマーマイルシリーズで時計が掛かってくると面白そうだ。広いコース自体は合っている。5着ルージュリナージュはスピルバーグ×ルーラーシップでフェアリードール一族出身だからやはり中距離馬で、前のペースに付き合わずに中距離馬としてのリズムで運べたことが大きかった。力は出し切ったと思うがこれ以上を望むのはどうか。6着ウンブライルはやや忙しそうに見える追走で、この馬自身半マイルを46秒を切って追走するのは初めてのはず。マイル自体がダメとは思っていないが、時計に対応した実績がない馬で上の兄や姉も少し時計が掛かった方が買いやすい馬だった。今後の方向性も恐らくそうなっていくだろうと思っているし、それを思うと今回はペースが流れてというよりはスピードレンジが足りなかった可能性はあるだろう。一度9F戦を試しても面白そうだ。7着モリアーナもマイラーではないからルージュリナージュと近いところから運べたのは良かったはずだが、それにしては伸びが思ったほどではなかった。鞍上が直線で手綱を落としていて追えなかった時間はあったが、ウンブライルに並ぶところまでいかなかったのはやや不満。今回も馬体重が増えてデビューから約30㌔近く身体は増えているが、470㌔近辺で走っていた3歳時と比べると全て480キロ以上で走っている今年は重厚な走りに変化している印象を受ける。要は中距離馬により完成してきたかなという感じで、31秒で走る、33秒で上がるマイル戦は以前ほど得意ではないのかも。2000の1周の方が競馬がしやすそうだ。サッチがspecialと同血でサッチングがサドラーとニアリーになるから、そこのスイッチが入ってきている可能性を考えたい。2番人気のナミュールは8着。パドックを見た印象では曇ってトーンが暗めだったのもあるのだろうが、昨秋と比べると80%くらいかなあという感じで抜群にいいという感じではなかった。レースでは出遅れから始まったが、ペースを思えば寧ろ良かったくらいでそこまでマイナスではなかったはず。その中で全く反応できずこの結果は状態云々ではないところにも敗因がありそうでちょっと不安。確かにマイラーではなくもっとスローの方がハマる馬だが、東京新聞杯などではハイパフォーマンスとは言わないまでもある程度着順も中身もまとめていた。それを踏まえてもやはり走れていない。海外帰りという難しさもあったか。こんな馬ではないし巻き返しに期待したい。14着ライラック、15着ハーパーは時計が速くてペースも速くて距離も短いとなると好走できる材料がまるでなかった。2000くらいの距離に戻して改めて、というところ。

 

今年のヴィクトリアマイルの反省点は、マイラーがいないから中距離質の競馬になると思いこんでしまったこと。コンクシェルのテンが速くないと分かっていたのにマイルでもゆったり先行が出来るという勘違いから予想を組み立ててしまったので根本から間違えてしまった。先入観は罪、固定観念は悪という言葉を故野村克也氏がよく言っていたのを思い出す。今回は完全に先入観と固定観念に捉われた予想となってしまって考えが及ばなかったのは大きな反省点。もっと色んなヒントを見つけて考えないと駄目ですね。