◎ビザンチンドリーム、鮮烈な差し切り! 日曜の予想結果 | NAKAMEの中央競馬重賞予想

NAKAMEの中央競馬重賞予想

主に重賞を中心にNAKAMEさんが予想します
データと血統を中心になるべく穴っぽい馬を狙うスタイルです

ちょっと時間がないので恙なくやっていきます。

 

 

日曜に行われた重賞はきさらぎ賞と東京新聞杯の2つ。まずはきさらぎ賞から振り返ってみよう。

 

 

勝ったのは本命で1番人気のビザンチンドリーム。ゲートはやっぱりというか案の定というかでしょうね、という感じで出なくて実質最後方からの追走。5F通過が60秒2、3F毎に分けると35.6-36.8-34.4と中弛みしたスローで、道中は行きたがるのを抑えるのに苦労するような面も見受けられた。2着のウォーターリヒトは内に、この馬は外へ行って直線を迎えたが、追ってからの反応は俊敏という感じではなくむしろ直線半ばまでは差が開いて行ったように見える。ただ残り200を過ぎてからようやくエンジン点火という感じで伸びてきて、最後はギリギリハナ差捉え切った。道中の折り合いに不安を残すようにまだまだ粗削りで幼く、ポテンシャルで走っている印象は強いが、直線でなかなか差が詰まってこなかったところやスピードの乗っていく感じの雰囲気からして、距離はもっとあった方がいいだろう。恐らく1800は短いはずで、今回はスローになってくれたのが幸いした感じ。とはいえラスト3F12.0-11.1-11.3を4角ほぼ最後方の外から差し切る辺り、脚力や能力は確か。ここから3カ月で急激に大人っぽくなる事はまずないので東京の2400は合っていても色々難しい運びにはなるだろうが、クラシックでどこまでやれるかという楽しみはある。配合としてはエピファネイアにマイラー牝系のラスティックベルを拝しているのが一つキモで、やっていることは分かりやすくデアリングタクトやエフフォーリアなどと同じだが、ヌレイエフを噛ませている分、ややデアリングタクト寄りか。馬の気分で行かせず、溜める競馬を選択したことが今後に繋がれば。

 

2番人気で6着だったファーヴェントは直線で不利を受けるシーンがリアクション含めて印象的だったが、京都外回りのスローで中団だとそもそもきつい。ハーツ×ストリートクライのニックス配合で底力は十分だがタイプとしては今のところハーツの正統派という感じでしぶとさと持続力が売りだし、直線を向いた段階で前に6頭では差し切るのは難しい。最後の不利のシーンも勢い優勢で進路をカットされたわけではなく、ウォーターリヒトとの併せ馬で手応え劣勢の中後れを取ったタイミングで内外からサンドウィッチされた感じ。俊敏に動くことが出来ないが故にあの不利を受けたとも言えるだろう。まだ緩くて自然な先行が安定しないのもあるだろうし、これからの成長に期待したい馬。弱い馬ではない。

 

2着ウォーターリヒトはスローの延長で道中の追走は格段に良くなり、持ち前の京都適性でここでも食い込んできた。インを掬う選択も悪くはなかったと思うが、外から差されたところから結果的には内外の差も僅かにあったのかなと思う。血統通りの京都適性だけに京都開催が終わるこれからはクラシックに挑んでいくのか、それとも夏を見据えたローテになるのかはわからないが、能力は使いつつ磨かれているようで、この馬のフィールドで戦えれば同世代相手なら上位になれそうだ。3着シヴァースはスローで行きたがったら馬に任せて位置を上げるミルコスペシャルな乗り方で、スタートは良くなかったが気が付けば2番手、4角では先頭。同血のディヴィーナもそうだが、母父がディープでマキャヴェリアンのスピードも入る分、モーリス産駒としては動きが俊敏で時計に対応できる。自分はこの配合を『モキャヴェリアン』とセンスのない呼称で呼んでいるけども、ラストの11.1-11.3というのはそれがまさに出たところじゃないかなと思う。ただそれだけに最後の最後に差されたのは内回りと外回りの適性の差かなと思うし、悪い走りではないのだけれども上位2頭とは適性で僅かに負けたかもしれない。とはいえ、この晩成血統で3歳の2月の2戦目、しかも重賞で格好をつけるのだから能力は高い。今後はどうやって折り合いを付けていくかだろう。4着インザモーメントはシュートから周回コースに合流する地点では既に隊列の外に出していて、2枠でも比較的馬場のいいところを全体的に通れていたように思う。スローだったので折り合いはギリではあったがしっかりリズムよく、口を割ることなく運べていた。なのでレース全体かなり思うような競馬が出来たと思うし、手応えも良くて4着となると、今はちょっとパンチが足りないというか上の馬とは力差があったかなと言わざるを得ないか。京都の自己条件ならすぐにでも勝ち負けできそうだが、クラシックを目指して重賞を戦うとなると、今後も一枚足りないような競馬が続きそうで今は成長が欲しい。5着ジャスティアースも外々から運んで、坂を下り直線を迎える軽やかな、しなやかな動きは惚れ惚れしたが、それだけに今の馬場だと良さを削がれたかなという印象もあり、最後の伸びなさ具合やパドックの馬体なんかを見るとマイルに短縮するのも有効では?という感覚も。母方のマイラーっぽさが強くなっていきそうな感じで、京都の外マイルで見直す手があると思う。4番人気のレダーロデルシエロは8着。元々折り合いは難しいタイプではあるが、今回も道中が上手く行かなかった模様。自分が確認できる限りでは今回ビットガードを着用しているが、前回は使っていなかったと思うので陣営としても折り合い面を意識した対策を講じていたのだろう。ただそれがあまり効果がなかったという事で、血統面からも母がアレッジドのクロスを持つ1400重賞勝ち馬で父がロードカナロアだと1400にシフトしていくのかもしれない。

 

続いて東京新聞杯。

 

勝ったのはサクラトゥジュール。スタートはあまり速くはなかったが道中は出たなりの中団で競馬を進めた。前後半の半マイルは46.1-46.0のほぼイーブンで、3分割で見ても34.4-23.4-34.3だから昨年よりは少し緩んではいるものの、全体として波のないマイル戦らしい淡々とした流れだったように思う。その中で道中はやや行きたがるところも見せていたが、序盤に出しに行っていない分脚は残っていたようで、インを立ち回ることが出来たのも大きかった。直線はある程度の位置に収まっていたのもあるが随分と綺麗に前が空いて逃げたウインカーネリアンを捉えた。祖母セダンフォーエバーからはこの馬以外にもさくらコマースの活躍馬が出ているのだけども、その中でサクラプレジデントがちょっと前向きすぎる馬だったように結構カッカするところも秘めている血統で、日曜の最終に出てきたエランティスもそうだが、短い距離で走る馬も多くて短縮がハマりやすい血統でもある。なので今回の短縮+波のないラップがピタリとハマったところも少なからずあったのではないか。ただネオユニ曲飛に見えるし東京でストライドの勝負が合うという印象は持てなくて、ストライドズドーンという事ではなく立ち回りの勝利だったのではないかなと思う。ただ7歳にして重賞を勝たせる堀厩舎の厩舎力はお見事だし鞍上も本当に引き出しが多くて感服する。

 

本命のダノンタッチダウンは15着。パドックは悪くないなという感じで成長はしていたように見えた。ただスタートでは後手を踏んで後方となり、隊列の外を回る形に。流石に後方からぶち抜くような脚はないし日曜は逃げた馬が4連対したようにインが強い馬場で、ちょっと厳しい競馬になってしまった。良馬場ではあったが午前中に雨が降ったのもこの馬としてはマイナスで、リズムが悪いとこんなに巡り合わせも悪くなるのかな、という感じ。馬自体は間違いなく成長していると思うけど、ちょっと状況があまり良くない。辛抱強く好走できる日を待ちたい。

 

2着ウインカーネリアンは昨年よりちょっと緩めのペースではあったがマイラーらしい流れを刻んで持ち味のしぶとさをしっかりと発揮した。残り100までは先頭で粘れていたのだが最後は捕まる形に。今年はマイラーらしいマイラーがあまりいないと思っていたしこのペースなら今年も勝つかなと思っていたけど、最後は1度使っていた勝ち馬と休み明けだったこの馬の状態面の差か。年齢の衰えというのは全くないし、GⅠ級だとちょっと、というところではあるがこれくらいの相手関係なら追走力で上位。昨年はここから海外へ、という流れだったけど今年はどうなるか。3着ホウオウビスケッツは久しぶりのマイル戦でもまあまあ追走出来ていて、インからロスなく立ち回ってやりたいことは出来たのではないか。だいぶ肉付きが良くなって以前よりも中距離からマイルに寄ってきている印象は強くなった。ただ今回はイン伸び馬場での好走で、次も上位と断言するにはまだ心許ない。4着アスクコンナモンダは勝ち馬を見るというよりも横山武史騎手自身が乗ってNHKマイルで2着だったウンブライルの方を見ていたんじゃないかなと思うけど、インがガラガラだったのでそちらに突っ込む感じに。直線では1度ステッキを入れた後はほとんど扶助で馬を動かしていて、しかも結構右にバランスをとる感じの追い方だった。母父がモンズンだし馬が狭いところから逃れようとしていた可能性はありそうで、ちょっと勿体ない。この馬も枠なりに相当展開に恵まれたので4着という結果程の評価を与えていいとは思わないが、もう少し外の枠なら伸びは違ったかもしれない。5着マテンロウスカイは前走はスローで行けたものの、淀みないペースのマイル戦ならこれくらいの位置になる。その辺の判断を間違えないのは鞍上が流石。結局前を捉え切るまでには至らなかったが1800ベストの馬だと思うし、ステイヤー血統のモーリス産駒なので本格化はまさに今年だろう。配合からちょっと器用貧乏というか勝ち切れない競馬が増えそうだが外回って5着なら結果、内容ともに悪くない。1番人気で6着だったマスクトディーヴァはゲートが開いてないとかTwitterで見たけど、それは仕様だしだから騎手の方が制裁を食らう訳で、落ち度はゲートのタイミングを決めた側ではなく騎手。それは一貫している。とは言いつつもゲートが開かなかったこと、そして何より出遅れは痛かったと思うし、パドックを見てもマイラーには見えない体型で血統からも1800は欲しいよねという感じなので、出遅れた事で余計に追走に脚を使ったのは誤算。マイルのイーブンラップを出遅れたところから追走するのは相当負荷が掛かるしラストの伸び脚が鈍ったのもその影響。ただあれだけ出遅れたなら腹を括っても良かったと思うし、隊列についてくリカバリーが正しかったかと言うと、血統や馬体からは疑問符は付く。その辺は鞍上のフィーリングや馬に対する考え方、捉え方の問題になってしまいますがね。でもそういうところで騎手の特徴を掴むことは出来る。もし横山典弘騎手が乗っていたらポツンだっただろう。ヴィクトリアマイルに向けて取り組むことはゲートもそうだけど、馬の特徴と適性を見極めて適した競馬をする事だろう。7着アヴェラーレは大外枠で競馬が組み立てづらいのはあったのはあったが、付いて行くべき馬を間違えているし『内をさばいてこられる手応えはあったんですが』(レース後コメント)という事を言うくらいならインを狙う素振りぐらいはしてみたらいかがでしょう。馬は外からいい脚を使っていて内容は悪くないし、まともな競馬が出来ればもっと差は詰まる。のは間違いないと思うけど、クラブ規定で引退間近。どこか使うとすると1400になってしまうのがネック。9着ウンブライルは時計への対応に課題を残すタイプで、上がり3F

34秒0はまさにこの馬の時計では走っているというやつ。もう少し馬場が渋って欲しい。身体が大幅に増えていたがやや緩いかなと思ったけど太くはなく、ほとんど成長分だろう。12着ジャスティンカフェはアヴェラーレをブロックしてインに入れさせなかったが、脚を使えなかった。6歳になり重厚さが出てきて時計への対応が苦しくなってきた面はありそうで、このタイミングで1800、2000にかじを切るのも悪い選択ではないと思う。

 

先週今週と重賞は2つだったけど、来週は3つ、再来週は4つとハードモードに突入。大変ですけど頑張ろう。京都記念の動画出してるので見てね。