◎タイセイドレフォン、見せ場なく… 日曜の予想結果 | NAKAMEの中央競馬重賞予想

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データと血統を中心になるべく穴っぽい馬を狙うスタイルです

恙なくやります。

 

 

日曜に行われた重賞はアルゼンチン共和国杯とみやこSの2つ。まずはアルゼンチン共和国杯から振り返ってみよう。

 

 

勝ったのはゼッフィーロ。ゲートは五分。レースの5F通過は約61秒0でトラッキングデータの走行スピードを見ても5Fまでは精々60㌔程度だから速いペースではなかった。ただ中盤からは11秒9が2度、11秒8が1度入って緩みっぱなしという訳でもなく、高速馬場だったのでこれが速いラップでもないが緩み過ぎずある程度の地力は求められるレースとなったか。結果的に差しの展開となったのは前がちょっとだらしないのもあるが中盤が流れたので差しやすいペースになったのも影響していると言えよう。その中でゼッフィーロは中団後方で脚を溜める展開。もっとも、序盤は馬群の真ん中辺りだったが、外の動きの中で徐々に位置が下がったというのはニュアンス的には近く、意図して下げて行ったのではない。それだけに直線でいかにスペースを見つけるかというのがポイントになったわけだが、前にいたグランオフィシエが外に動いてできたスペースに突っ込み、左にいたセファーラジエルが右ステッキで締めてこないのを確認後、先行し余力がなくなったアリストテレスの脇から抜けてバイタルを作り、見事にインから詰まることなく捌ききった。昔ほどジグザグとバンバン捌く事は出来ないが、現状なりにアジャストしているモレイラ騎手の真骨頂とも呼ぶべきレースで、アメリカンスタイルで加速の扶助も速く、まあ騎手120点という結果だろう。ゼッフィーロ自身はちょっと難しいタイプで序盤は少し力む走りになっていたし達者な騎手程力を出すタイプだと思うが、まあそういう馬をテン乗りでこうも容易く乗るのかと、もはやため息しか出ない。ディープ×ミエスクだとリアルスティールがまず思い起こされるが、この馬の場合はサドラーを噛ませているのでリアルスティールよりも重厚さがあってより中距離的。母が中々クロスの煩い血統なので、この馬自身がノーザンダンサーの5×5・4しかクロスを持たないというのは配合のバランスとしてはよく、その点でもリアルスティール以上に中距離型と言えるか。時計には対応したが馬場を考えるといいタイムという訳ではない。ただ今後、別の騎手が乗っても持ち味を出せるくらいコントロールしやすくなれば成績は付いてきそう。

 

本命のディアスティマは13着。ゲートを出た直後から行き脚が全然つかなくて、スタートして早々に鞍上がステッキを抜いて構えたくらい進まなかった。道中で動こうかというところもあるにはあったが、やはり動ききれなくて追走そのものに手応えがないようにも見えた。休み明けである事を考慮してもちょっと中身がなさすぎる負け方で、よりステイヤー的になってきたのか何かのアクシデントか。現状ではどっちともつかない。一度使ってどこまで変わってきてくれるか。

 

2着マイネルウィルトスは終始外を回される展開。2角で位置を上げたが、ミルコが乗って東京2500で好走した時と比べると控えめな捲りで、割とじっくり行ったかなという印象。今年は結果的には2着3着がロベルト持ちだったが勝った馬はサドラー持ちで、トニービンが走る時のようなペースの流れだったと思う。その中で外々を回ったロベルトが2着まで踏ん張ったのだから立派。この馬なりに力は出し切っただろう。3着は同着でまずはチャックネイトの方から。道中は中団辺りだったが、ディアスティマが外隣で外へ出すスペースを見つけられないまま。5歳の初重賞でそこそこのペースに対応して掲示板だからそこは評価してあげたいし、トニービンが活きる展開になって良さもある程度は出したと思う。ただ横の動きを意識できないポジションのまま運んだのはちょっといただけない。一応3着ではあるけど、これは写真判定でハッキリとした証拠が出なかっただけな印象で、勢いや実際の着差では同3着ヒートオンビートの方に軍配じゃないかなと。そのヒートオンビートはゼッフィーロを見る形で進め、4角ではこの馬よりも前に出た。ただ直線で捌くのに手間取り追い出しが遅れた分だけ勝ち馬とは差がついてしまった。進路が悪いというよりは判断が遅かった感じの追い出しの遅れで、もう少しやりようはあったのでは。ただ良馬場に戻って結果は出たし、やはり現状では良馬場の方が合う。まあ勢いと態勢ではこっちの方が3着だった気はしますがねえ。5着セファーラジエルは道中の感じからして乗りやすくはないんだろうなというのが伝わってきたが、インを取って右ステッキで勝ち馬を通してしまうのは大変よろしくなかった。あれはもう通ってくださいと言ってるようなもの。ダマスカスのクロスなど、全体的に北米的パワーが良く入った血統なのでもっとフィジカルに勝負しても良かったと思うし、ちょっと良さを活かし切る競馬ではなかった。復帰戦のテーオーロイヤルは10着。8枠だったので外を回るのは致し方なしだが、ちょっと位置が後ろすぎた感。どちらかと言うと回転数で勝負するピッチ走法で追い出しは我慢した方が基本的にはベター。要はおいでおいでをしたい馬。浜中騎手はこの手の馬が苦手で一気にギアを上げてしまう。ブランクよりは初コンビで馬の特性を把握できていなかった印象を受けた。直線で内にササる感じになったのはダイヤモンドSの時と同じでそれは大きな問題ではない。もう少しスローに落ち着くレースなら変わりそう。6番人気のアーティットは11着。ディープ×ガリレオでハイクレアとLight O' Battleの全姉妹クロス4×4と非常に重厚な馬で、決め手よりもしぶとさや持続力にストロングポイントがある。それだけに展開は良かったがスムーズに捌きたいところだったが、インのポケットで仕事を出来ず。先行は出来たものの、前を行くアフリカンゴールドとの間に1頭分のスペースが出来てしまい、そこに容易くセファーラジエルを入れてしまったのは良くないと思うし、入れるならすぐに外へ切り返さなければならないが、グランオフィシエが来たことでそれも出来ず。位置のキープに気を付けるあまり、横の意識が出来なかったのだろう。結果的に外の隊列が動いて後続が接近、先行したマージンがなくなりしぶとさを活かし切れず直線でも追い出せたのは400を切ってから。抜け出せる俊敏な脚があればそれでも差は詰めただろうが、この馬は前述の通りそういったタイプではない。良さを出せない負け。坂井瑠星騎手とは2戦2勝と相性がいいし、追えて距離感の意識が強い積極的な騎手との相性が良さそう。

 

 

続いてみやこS。

 

本命のタイセイドレフォンは12着。先行型が多く揃う中でペプチドナイルがハナ、アイオライトが番手に控える形。5F61秒2はメンバーやコースを踏まえると速くはなく、4F目から12.5-12.4-12.3-12.1と加速し続けるラップとなったので緩みまくったわけではないが、それでも大方の読みとは裏腹に落ち着きのある展開だったと思う。その中でタイセイドレフォンは終始促しながらの追走で、脚が溜まるとか捌くとか以前に付いていくのに精一杯。4角で脱落してしまった。重賞ではワンパンチ足りない内容が続いていたが、ここでは完全に追走力の差が出てしまった印象。現状では息の入る展開やもっと差しに構えて前が潰れるのを待つという戦い方しか重賞では通用しなそうだ。またパドックでは少し太いというか余裕を感じたし、まだ作り切れてないところもあったか。OPのゆったりしたペースなら巻き返せるか。

 

勝ったのはセラフィックコール。530㌔台の大型馬らしく後躯の筋肉は立派で、それでいて胴回りは伸びがあって大箱が合うのは確かだが、距離は2000くらいあってもいいタイプのヘニーヒューズだろう。スタート直後に躓いて後方からとなったが、序盤は毎度後方から促しつつ追走という馬だから大きな問題ではなかった。恐らく鞍上は1000Mくらいは追い通しで、40代半ばなのに流石の体力だなと感心するけども、こういったところからもこの距離は適距離ではない印象を受けたし、1800の加速していくラップも合っているとは言えないか。その中で差し切るのが地力の高さだと思うし、これで3歳なのだから完成してくればもっと上を目指せそうだ。5代母がBalladeの名牝系で3代母はラーイの全妹。親戚にはシュヴァルグランなどもいるお馴染みの牝系。母がヘイローの3×4なのでストライドよりは回転数というタイプだと思うが、プリンスジョンのクロスが入るようにそっちのステイヤーっぽさも顔をのぞかせていて、父ヘニーヒューズという字面以上に持続力に富む。チャンピオンズCも悪くない舞台だとは思うが、砂が入れ替わり時計が掛かるようになった大井の東京大賞典の方がより適性に近いかも。

 

2着メイクアリープは道中5番手辺りからの追走。1角でポケットに入りかけたが向こう正面で外へ切り返し外を確保。残り200辺りで先頭に立ちほぼ勝ちパターンだったが強襲に屈した。A.P.Indy的に高速巡行に強く、三宮Sではダ1800を1分49秒9で走破して2着(1着はキングズソード)、ダ1700では1分43秒8で勝っている。それだけに展開を思うと良さを活かし切った感じで、今回は勝った馬が強かったとしか。道悪ならもう少し差は詰まりそうだし、時計の勝負に強い点から地方よりは中央の方が合うかも。3着ウィリアムバローズに関しては正直ここまで走るとは思ってなくて、馬体重が過去最重量でパドックも結構うるさいところがあったので充実期に入った可能性も。また今回は中団から運ぶ形でも結果を出したのは収穫で、幅が出そうな3着。好走時は比較的前半で息を入れられる展開の時が多く、一息に走らせなかったのも良かったか。となると、ボリクリというよりはミッキーアイルの母方やミルリーフのクロスの重厚さが体現されているか。4着ペプチドナイルは今回は間隔を空けてハナを取る競馬で、大方やりたい競馬は出来たのでは。ただこの馬はやはり1700ベストのイメージで、ヘイローのクロスがセラフィックコールよりも強く出たタイプ。最後は距離適性の差かな。それでもよくやっているし、こういう走りを続けられれば重賞でも勝ち負けが。5着ゲンパチルシファーは外からセラフィックコールが動いても特に反応せずマイペースだったところを見るとここは着狙いだったか。5着といっても大勢が決したところからの伸びで2着馬とは0秒3差。ハイパフォーマンスとは言えないか。年齢的にももう少し距離があってもいいかも。タイセイドレフォン以外にもワールドタキオン、アスクドゥラメンテといった人気の先行勢が崩れてそれぞれ13着、14着。ワールドタキオンはこういったラップ自体は経験しているが母方がマイラー牝系なので1800は若干長いのかも。テースト曲飛だしベストは1700か。アスクドゥラメンテはドゥラメンテ×ゴーンウエストのニックスだが、クラスが上がるにつれて勝負どころの反応が悪くなっているし、序盤はスイスイ付いていくところを見ると距離を短くしてみてもいいかも。兄のマジカルスペル、グレートウォリアーは古馬になってからはマイルや1400で勝ち鞍を挙げている。

 

 

今週も4重賞ですって奥さん。頭足りないです。