アニメ研究家リュードー的「アニ評論」


冬アニメ①『宇宙よりも遠い場所』 

 

 

【カテゴリー】
 美少女青春

 
【放送局】

 MX

 
【制作会社】
 マッドハウス

 

 

【概要】

 日本から約14000km離れた「宇宙よりも遠い」南極に向けて旅を続ける4人の少女の青春を描くオリジナルTVアニメ作品。いしづかあつこ監督をはじめ、シリーズ構成・脚本には花田十輝さん、アニメーション制作はMADHOUSE。大ヒットアニメ「ノーゲーム・ノーライフ」の制作チームが再びタッグを組んで挑む作品。

 

 

【ストーリー】

 宇宙よりも遠い場所「南極」。何かを始めたいと思いながら、中々一歩を踏み出すことのできないまま高校2年生になってしまった少女・玉木マリことキマリは、とあることをきっかけに南極を目指す少女・小淵沢報瀬と出会う。高校生が南極になんて行けるわけがないと言われても、絶対にあきらめようとしない報瀬の姿に心を動かされたキマリは、報瀬と共に南極を目指すことを誓う4人の女の子たちの旅の物語。

 


【視聴評論】

≪ストーリー≫

・「女子高生」と「冒険」という今まであまりなかったテーマをくっつけたリアリティある設定がまず面白い。それが南極へ行くってまず発想のない夢物語だけどどこかリアルであるかも?!って思わせる背景が興味わくんだよねーー。本当にこーゆー設定づくりする人すごいと思う!

 

 

・キマリちゃんが天真爛漫でとにかく可愛い♪他の美少女ものの作品にもこの手のキャラクターはたくさん登場してきて多くの人がファンになっちゃうと思うけど、ちょっぴり抜けているにもかかわらずどことなく芯があって夢追う姿っていうのが作品を見ていくうちに1つ1つ紐解かれて行っていつのまにかファンになっちゃってるっていうのが自然でとっても高感度高い!!

 

 

・あざとい可愛らしさをもったキャラの女の子アニメがここ数年多い中でなんか自然さを感じてしまって、どことなく身近にいるような温かみがあるのが本当にいいね。社会人になって働いている人も、この子って誰誰に似ているなーなんて身近な人に置き換えて見ることができちゃうくらいわりとリアルなのが好き。w ←ここまで書いたらドハマリ中なのがバレる。ww

 

 

・高校生の時に普通に生活をしてなんとなく終わってしまったっていう記憶の人多いと思う。あの時留学していたらもっと英語とか外国語しゃべることできたのになー、とか、あの時あの部活に入っていたら違った人生だったかなーとか。www もうおっさんになったらそこまで思うことはなくなったけど、でもあの時あーだったら?!って思うことは誰でもあるよね。そんな高校生時代に何か生きている証というか自分で成し遂げたい!という信念をもって南極大陸へ向かうことに挑戦する姿が自分ができなかったことを代わりにやってくれる!っていう親心というか温かみのある気持ちで見られるのがいいね。

 

 

・しらせちゃんが南極へ行く!っていう強い思いにキマリちゃんがなんとなく靡いてそれを一緒に夢見ていくという誰にでもある流されっぷりがメッチャ好き。w あるじゃん!そーゆー時って。しかもしらせちゃんがなぜそこまで南極へ行くことにこだわっているのか、その背景が話数が進むたびに少しずつ解明されていくっていうところが何ともハートフルでちょっぴり切なくなるのが上手!こーゆー情報の出し方って本当にセンスあるよね。

 

 

・女子高生4人がそれぞれキャラクターが違いながら1つの夢を追うって、割とよくある設定なんだけど、それらって敵を倒すとかアイドルになるとかっていうもっとありがちなものじゃん。でも、この作品では彼女たちの目的が南極というリアルな世界でしかも本当にチャレンジが必要なことに、えっ?!できるの?がんばれっていう応援したくなる目線に作品を見ていくとなってしまうところが面白さ。

 

 

・本当にいけるの?どんな苦難が待っているの?っていう見ている側がいろんな想像をして彼女たちの成長を見守り続ける点は今までの育成ものと同じなんだけどね。南極っていう絶対的にいけなさそうな場所に挑戦っていうこの1点突破が他の作品との差別化を図っているし独自の面白みなんだよ。

 

 

・4話まで見ると着実に1歩1歩進んでいて、単に可愛いとかだけでなくそれぞれ4人が南極へ行く理由をしっかりと持っているところがなんか微笑ましいし、それぞれ応援したくなる理由があっていいね。でも彼女たちに隠された闇というかまだ明らかになっていない暗い部分とかが少しずつ描き出されてきたらその苦難がよりリアルになって物語ももっと面白くなっていきそう。

 

 

・きっとこの先4人が色々とぶつかりあいながら南極を目指すというわかりやすい設定になっていくんだろうと思うけど、その目の前の苦難をどう乗り越えていくのかを見ている側は一番楽しめるんだと思う。設定が南極って無茶苦茶なことだけどでもリアリティもあるし、それをどう越えるのか、彼女たちが成長していくのかが今後の見どころだね。

 

 

・4話でトレーニングをするシーンがメインになっていたけど、そこでのコンパスの使い方とか方位とかリアルで、見ながら「へーー!そーやって南極では移動するんだー」なんて新しい知識も得られたりしちゃうし。

 

 

・単に冒険する少女たちっていうのではなくて、家庭内のいざこざだったりママとキマリちゃんのやりとりとか面白くて笑えるシーンもたくさんあって、なんか自然と笑ったり真剣に応援したりできるストーリーがとってもいいよね♪

 

 

・作品をみていて思うことが、彼女たちを見ているだけで、「よし!自分も明日からしっかりして1歩1歩前に進もう♪」って前向きな気持ちになれるのがこの作品の一番の魅力だね。

 

 

≪描写≫

・群馬の館林が舞台になっているから駅前のビルとか印象深いシーンにはしっかりとリアルなものが描かれていてこれまた聖地巡礼作品として人気が出そう。

 

 

・ロケハンもしっかり行われているんだろうなーって思うくらい町並みとか電車内とかディテールが細かくて見応え充分。

 

 

・キマリちゃんやしらせちゃんの表情描写が豊かで見ていて飽きないねー!笑顔1つとっても色んなバリエーションがあって、目の大きさは頬の膨らみとか見応え充分。風にたなびくしらせちゃんの髪とかもリアルでなんか自分も同じ空間にいるようにさえ感じられるくらい。

 

 

・背景の美しさも十分にすばらしい。細かい部分やふんわりと柔らかく仕上げた部分とかメリハリがあってそれに伴ってキャラクターがしっかりと浮き出てくるときや全体的にまとまりがあって一枚絵みたいに見えるシーンがあったり、絵を止めて見るとこれが意外と面白い。ww

 

 

・よく館林から東京へ行くから移動のシーンが多様されるかと思ったらいつのまにかワープしてたりしてちょっぴり残念なシーンも。細かい車内での様子とかももっと見たいなーっていう欲が出てくるくらいリアルで面白く見られる。

 

 

≪音楽≫

・OPがsayaの「The Girls Are Alright!」。これから目標に向かって突き進む女子高生の元気さとどことなく不安な気持ちを歌声やリズムに表現されているようでOPにぴったり♪

 

・EDは、玉木マリ(CV.水瀬いのり)、小淵沢報瀬(CV.花澤香菜)、三宅日向(CV.井口裕香)、白石結月(CV.早見沙織)による「ここから、ここから」。作品を見終わってまた1歩進んで行く彼女たちの元気さと前向きさがメロディに乗ってワクワクする気持ちにさせてくれるね。

 

・SEに関しては無駄にどこもかしこも当てるって感じではなくてあくまでリアルなシーンにこだわって音がつけられているように感じる。だから見ている側も、そのシーンにいつの間にか入っちゃっているような気持にさせられるんだろうなー。うまいねーー!

 

・BGのあて方も上手!メリハリがあって見ていてうるさ過ぎずでも物足りなさもない。ちょっぴりキュンとするようなシーンでのあて方とか最高♪ これからも音はかなりチェックしてみていきたいな。

 

 

【ターゲット】 10代~50代(見ていて勇気や元気をもらえる)


【おススメ度】 ★★★★★


【番組HP】   http://yorimoi.com/