アニメ研究家リュードー的「アニ評論」


夏アニメ⑰『悪魔城ドラキュラ -キャッスルヴァニア-』 

 

【カテゴリー】
 ファンタジー

 
【放送局】

 Netflix

 
【制作会社】
 フレドレター・スタジオ
 ワウ・アンリミテッド・メディア

 

【概要】

 KONAMIの「悪魔城ドラキュラ」を原案としたアニメシリーズで世界最大級のオンラインストリーミングサービス・Netflixが全世界独占配信。製作は『アドベンチャー・タイム』シリーズなどで知られるフレドレター・スタジオとワウ・アンリミテッド・メディアが手がけ、「Ultimate Fantastic Four」や「Iron Man」などのマーベル・コミック作品で知られるベストセラー作家、ワーレン・エリスが脚本を担当。製作総指揮に同じくワーレン・エリスに加え、ケビン・コールド、フレッド・セイバート、アディ・シャンカルが務める。

 

【ストーリー】

 時はドラキュラが生きる中世のヨーロッパ。汚名を負ったベルモント一族の最後の生き残り、トレバー・ベルモントを主人公に、ドラキュラの手によって絶滅の危機から東欧を救う戦いを描いたダークな中世ファンタジー。体に眠る英雄の血に導かれし青年は、邪悪な力を止められるのか。

 


【視聴評論】

≪ストーリー≫

・ダークファンタジーが今期はなんだかHIT作ばかり!!ここ3年くらいかなりPOPなテイストの作品が大ヒットばかりしていて、現在も作風の中心がそういうのばかりだからちょっぴりそれらに飽きた人がダークな作品を支持していて人気沸騰しているんだね。

 

・アニメが地上波&ネットでの同時配信がかなり増えてきた中で、なんとNetflixのみでの放送っていう新しい放送のされ方がメッチャトレンド!!これってアニメコンテンツが有料チャンネルの中でも人がつく貴重なコンテンツだっていうことがハッキリしてきたって証だよね。いい傾向!ただ、それらの有料コンテンツに加入しないと見られないから視聴者数はそう多くは無いと思うけど。

 

・ゲーム原作の作品で制作がアメリカで全世界配信っていうかなりグローバルな作られ方が他に無いね。そのためか、ストーリーが分かりやすく難しい用語や設定がみられないから確かにどこの国でも見やすいと思う。

 

・ドラキュラがストーリーの要になっていてその起源とも言われる東欧が舞台設定としてされているけど細かいディテールがかなりしっかりしていて、その当時の衣装や宗教的建物や物などなんだか行った事なくても中世ヨーロッパを感じられるのがとっても面白い。

 

・ドラキュラが人間の女性と一緒になり人間を理解したが、妻が殺されたことで悪魔として扱ったキリスト教会や信者、人々を悪魔の軍団で滅ぼすというメッチャ設定がシンプルで見やすさ抜群!!!なのに登場キャラクターが一癖も二癖もあって、実は関係性がそれぞれどこかにあるというシンプルながら設定の細かさがめっちゃいい!

 

・なんかアメコミ系のアニメ作品、とくにマーベル系とかは面白いし楽しんだけどそこまでの深みがないから、この作品にもそこまで期待はしていなかったんだけど、意外や意外。おもしろんだなー。

 

・全4話でストーリー的な展開の進みはそこまで速くなくて、しっかりとキャラクター背景も描かれているからそれなりに楽しいし、セカンドシーズンを早く見たくなるような流れがいいねー。

 

・戦いのシーンがちょいちょい出てきて、これがカッチョいいのさ。中世ヨーロッパだから基本は剣とムチなのになぜかビーム的な要素や魔法まであったり。あくまでダークな戦闘だからどれもフワフワしていないから見ごたえ抜群!

 

≪描写≫

・OPからとにかく鮮明な描かれ方でアニメなのか実写なのかわかんないような感じがとっても凄い!!このリアル感が見ている人をあっという間に作品の世界へ引き込んじゃう。

 

・アメリカの制作会社がメインだから良くも悪くもどうしても大雑把な作りになっちゃうのかなーなんて思ったら、これまた日本のアニメの雰囲気にそっくり!というか日本のクリエーターが入っているの?って思うくらいの見易さ。プロデューサーが、日本のアニメが好きで色々研究もしていて世界で人気を誇る日本のアニメのテイストを盛り込んでいるらしい。だから外国発の作品でも、アニメ慣れした日本人でも違和感なく引き込まれていくんだなー。凄い!!まじで。

 

・最近日本の作品ではあまりリアルすぎる描写は避けられていて、例えば戦闘シーンで人が斬られるとか言う場合は背景だけとか血しぶきとかで表現をされたり、顔のUPだけで殺されるシーンを表現する事が多いけど、この作品は斬られた後の内臓が飛び出た姿や斬られた首から血がドクドク湧き出てくるエグイ描写まで行っていて、そこがダークさをより演出していて見ごたえに繋がっているんだなー。見ちゃうもん!!あっ、殺された・・・。人が切られるとこーゆーふうになるんだ、とか。

 

・手の指の関節や目の内側のシワとか本当に1つ1つが事細かに描写されていて、こーゆーところに手をかけているのは素晴らしいことだと思う。一瞬のカットなのに一時停止してみちゃうもん!!うわーーここまで描いているのかー♪って。

 

・ルーズのシーンでの表情変化のバリエーションがちょっぴり少なめ。口パクパクで終わっちゃうことが多々あるけど、まーしゃーないか。あとリップシンクがずれているのも英語ベースで作っているからしょうがないことだね。そこまで細かく見る人はあんまりいないんだろうけど。

 

・作品がダークだから全体的に色使いが暗いね。まー、ドラキュラがベースだから日差しの下では死んじゃうからそうなるんだろうけど。ww 時折でてくる明るいシーンとかが余計に映えて、視覚的コントラストの差がメッチャあるからストーリーのテンポ感にも繋がっていると思う。

 

≪音楽≫

・頭から終わりまでダーク作品にピッタリのわりく暗くて重低音が効いているSEやBGMばかり当ててあってとにかくかっこよさの中に不安にさせるような印象を与えるのがかなりのテクだね。

 

・ハリウッド映画を見ているような音の当て方と重厚感があっていいね!これを日本のサウンドクリエーターさんが当てたらまた雰囲気がガラッと変わりそう。www 

 

・OP/EDを主題歌を設ける日本のつくりではなく1つの作品のストーリーにはまるような音楽を当てていて、本当にどこまでも上手いなーって思っちゃう。

 

 

【ターゲット】 10代~60代(大人アニメ)


【おススメ度】 ★★★★★


【番組HP】   https://www.netflix.com/jp/