夏アニメ⑩『バチカン奇跡調査官』宗教と科学のミステリー作品！カットの使い方が特徴的♪　

アニメ研究家リュードー的「アニ評論」


夏アニメ⑩『バチカン奇跡調査官』　

 

【カテゴリー】
　ミステリー

　
【放送局】

　ＷＯＷＯＷ
　ＭＸ

　
【制作会社】
　J.C.STAFF

 

【概要】　

　人気ミステリー小説を原作としたTVアニメ作品。バチカンに寄せられる世界中の謎や事件に挑む、天才科学者にして真理究明の申し子・平賀と、古文書・暗号解読のエキスパート・ロベルトの活躍を描く。監督は米たにヨシトモさん、シリーズ構成は水上清資さん、キャラクターデザインは岩倉和憲さん。

 

【ストーリー】

　涙を流すマリア像、信徒の肉体に浮かび上がる聖痕。世界中から寄せられる“奇跡”をめぐる様々な現象は、真実なのか、まやかしなのか。その真偽を調査し判別するのがバチカンに所属する「奇跡調査官」の務め。天才的な頭脳を持つ平賀と、古文書・暗号解読のエキスパートであるロベルト。強い信頼関係で結ばれた二人は 調査のために訪れた先で奇怪な事件に巻き込まれながらも、奇跡の真偽を見定めミステリーを解決していく。


【視聴評論】

≪ストーリー≫

・ミステリー作品の中でも奇跡というワードでことの真偽を確かめるという単なるミステリーものではなくカトリックなどの宗教的色濃いものが作品の特徴で面白さ抜群！！世界観から大人向けの作品だねー♪

 

・平賀とロベルトという天才神父コンビが謎を解決していくっていう設定がそもそも面白い！これは原作からして面白いんだろうなーって思う。神父やカトリックの世界での禁断の話題や教会内部、宗教のしきたりとかを知る事ができるし、基本知らないことばかりだから１つ１つのシーンがメッチャ興味沸くね！

 

・謎解きミステリーとして１話もしくは２話で完結させるとなると意外と難しいだろうなーって思うけど、この作品は本当にテンポ感が最高で早くもなく遅くずるずるしているわけでもなく、しっかりとミステリーの１つ１つの事象を描き出しながらシーンが展開されていくのが良く計算されていて見ごたえ抜群！Ａパートなんてあっという間に終わっちゃうし。

 

・用語がカトリックのものが多いけど、独特な言葉もわかりやすく補足もしているから聞きやすい。他の作品にはないオリジナリティがメッチャあってこの世界観がとっても好き。本当にありそうな宗教ミステリーで良作だね。

 

・セリフが本当に多い！見るというより聞く事に集中しないと置いていかれちゃうって感じ。ｗｗ　でも、情報がドンドン積み重なっていくから謎解き感がハンパない。無駄なギャグシーンとかない硬派な作品だから見ごたえ抜群。好きだなー、こーゆーしっかりした作りの作品って。最近あんまりないからなー。

 

・科学的な見解や技術から宗教的な謎を解いていくっていうのも今っぽいしリアルにありそう。なんかアメリカの人気ドラマを見ている感じ。ナンバーズとかね。ｗｗ　あれのカトリック神父版だと思えば。ｗｗ

 

・シーンの作り方が美しい♪明暗と緩急がかなりハッキリつけられていて１シーン１シーンが短いのに見ごたえ抜群なの。良く考えられている大人アニメ♪　一緒に謎解きするようなストーリーではないけど、どう解決していくのかドキドキしながらワクワクしながら見られるのがいいね。

 

≪描写≫

・１カットごとの描写や画角がよーく考えられていて色んなバリエーションがあって面白い。ロベルトや平賀が悩んでいるシーンだとしても、色んな角度から顔を描いたり心情が不安定になったら画面がユラユラ揺れるように描かれたりしているのが凄い！手間かかりすぎてアニファンとしては歓喜♪

 

・ミステリー作品ということで全般やや薄暗い色使いだったりするけど、それが余計にドキドキ感を生み出したり、見ている側がじっくり作品の世界へ入っていきやすくなっているのがいいね。これも計算かな？！

 

・気づいた！！！表情とか動きとか１つ１つがメチャメチャ細かい！っていう程でもないんだけど、色んなカットでそのシーンを描きだしているのが特徴なんだね。１シーンでキャラクターのズームインやパーンなどを多用していてカットの多さが本当に凄い！

 

・室内や背景などの描き方はかなりシンプルで最低限の美しさを保っているけど人物描写が特徴的で顔の立体感をだすのに影を多用したり個性的な表情だったりを作り出しているのが印象深い。

 

・絵のパーンがメッチャ多いことに気づいた！！キャラクターが割りとじっとしているシーンが多い中で、どう躍動感を出すのか？！ってことでこの演出を多用しているのかなーって思った。

 

≪音楽≫

・OPは、SCREEN modeの「MYSTERIUM」。ミステリー作品にピッタリなちょっぴり不安をあおるようなメロディラインがとってもピッタリでいいと思う。


・EDは、岡本信彦「サクラメント」。うーん、この曲でなくてもいいかなー。ｗｗｗ　本編ミステリーが結構重たい感じなのにＥＤでかなりフワッとした感じがどうも個人的にはしっくりこなくて。ｗ　

 

・音の使い方が謎解きミステリーにピッタリ！ドキドキ感や不安をあおるようなＢＧＭを当てていたり、カトリック的な宗教音楽のようなものを当てたり、とにかく色んな音に溢れていて音楽を聴いているだけで楽しい。個性的な音の使い方がドキドキを増してくれる！！サウンドクリエーターさんのセンス最高♪

 

【ターゲット】　１０代～４０代


【おススメ度】　★★★★★


【番組ＨＰ】　  http://kisekichosakan.jp/