アニメ研究家リュードー的「アニ評論」


夏アニメ⑧『ようこそ実力至上主義の教室へ』 

 

【カテゴリー】
 学園

 
【放送局】
 MX

 
【制作会社】
 ラルケ

 

【概要】 

 「レミニセンス」を手がけた衣笠彰梧さんと人気イラストレーター・トモセシュンサクさんによるライトノベルを原作にしたアニメ作品。希望する進学、就職100%。全国屈指にして実力至上主義が敷かれた名門校を舞台に、不良品が集まる場所とやゆされる最底辺のDクラスに配属された主人公・綾小路清隆を中心に「本当の実力」「本当の平等」とは何かというテーマで描かれる学園ドラマ。

 

【ストーリー】

 希望する進学、就職は100%という全国屈指の名門校・高度育成高等学校。最新設備の使用はもちろん毎月10万円の金銭に値するポイントが支給され、髪型や私物の持ち込みも自由。まさに楽園のような学校。だがその正体は優秀な者だけが好待遇を受けられる実力至上主義の学校だった。主人公・綾小路清隆は、不良品が集まる場所と揶揄される最底辺のDクラスに配属されてしまう。同じクラスで成績は優秀だが性格に超難ありの美少女・堀北鈴音、気遣いと優しさでできた天使のような少女・櫛田桔梗らと出会うことで清隆の状況も変化していく。


【視聴評論】

≪ストーリー≫

・よくある学園ものかと思いきや、ミステリー要素を含んだストーリー展開が面白い!成績の悪いクラスのメンバーがはじめはぶつかりあいいがみ合うが、他のクラスとの競争でクラスが1つになり他のクラスを圧倒するという分かりやすい展開ではあるけど、1つ1つの伏線が意外と面白くて単なる学園もの作品と思って見てしまうと驚かされる。

 

・学生に10万円分のポイントが与えられてその中でやりくりするというなんともお子様向けのお小遣いテーマかと思いきや、そのポイントがなくなったら退学になったりするという単なる平和作品ではないところが魅力だね。

 

・清隆のセリフ回しがとにかく特徴的過ぎて、最初は「あーーーもつかなーー」なんて思ったけど、色んなインタビューを見てみたらわざと覇気のない演技をずっとするという監督との狙いだったと思うと「へーっ意外」と思ってしまい、なんだか癖になっちゃうんだよね、あの喋り方。ただ、好き嫌いがかなり分かれるから苦手な人は見続けるのは厳しいかなー。

 

・原作が大人気でそれをアニメ化されて期待してみている人はとっても楽しめるんだろうね。ただ、推理場面や騙し騙されあいなどのシーンが割りと淡白だから見ていて想像つきやすくもうちょっと深みがあるといいなーって思う。

 

・話数が進んでいきDクラスがどのように学校内で上昇していくのかが楽しみ。それに伴って清隆のあの棒読みセリフがもしかしたら変化でてくるのかなーなんていうのもある意味見所の1つかな。

 

・今期も学園ものがたくさんある中でそれぞれが独自性を出していこうとしているけど、なかなかそれぞれ目新しさが難しいよね。そんな状況で「よう実」は決められたルールの中で、それをどう解釈してことを成していくのか、ある意味政治的な解釈みたいなミステリー感もあってなかなか面白いと思うね。

 

≪描写≫

・学園内の描写はまぁそれほど目立った凄さはないけど、リアルに忠実な感じが嘘っぽくなくてとてもいいと思う。絵が丁寧で全般キレイだし。

 

・キャラクター描写に関しては、それぞれが感情の浮き沈みを出してくるシーンがあるけどそれも丁寧に描いていて深みが増しているね。ただカットがあまり面白みがないから絵代わりという意味では派手さがないからちょっぴり寂しいかな。

 

・作品の中でも雲の動きとか森とか太陽の光とかの背景描写がとってもきれいだなー。時間の経過とかを上手く背景で表現していたり、そのときの温度感も風とか色味とかで描かれているところが魅力かなー。

 

・EDのテロップで、それぞれのキャラクターの横に現在のポイント数が描かれて、おーーー細かい!!って最後まで楽しめちゃう。こーゆー遊び心が好き♪

 

≪音楽≫

・OPは、ZAQさん「カーストルーム」。冒頭からなんだか心の不安をぐちゃぐちゃにするようなメロディーやパワフルな歌声がとってもいい!作品にピッタリ。さまよう学生達の心が音符になって表現されているみたいでステキ。

 

・作品中の音の当て方が派手すぎずしっかりとストーリーを支える控えめな感じがとってもいい!バランスが最高だね。セリフが多い作品だからある意味これくらいの差し引きできた感じが好きかなー。

 

【ターゲット】 10代~30代


【おススメ度】 ★★★★


【番組HP】  http://you-zitsu.com/