アニメ研究家リュードー的「アニ評論」


夏アニメ③『ボールルームへようこそ』 

 

【カテゴリー】
 スポーツ

 
【放送局】
 MBS

 MX


【制作会社】
 プロダクションI.G

 

【概要】

 月刊少年マガジンで連載中のマンガを原作としたアニメ作品。何をすればいいのかわからない、そんな平凡な中学生・富士田多々良がある出来事をきっかけに社交ダンスに出会い、その才能を開花させていく姿を描く“本格ダンスアニメ”。監督は板津匡覧さん、シリーズ構成・脚本は末満健一さん、キャラクターデザインは岸田隆宏さん、音楽は林ゆうきさん。 

 

【ストーリー】

 何をすればよいか分からない平凡な中学生・富士田多々良はある出来事をきっかけに社交ダンスの魅力に引き込まれていく。「何か一つでいい、好きだと言えるものがあれば」今の自分から変わるため、 多々良は社交ダンスの世界へ飛び込む。


【視聴評論】

≪ストーリー≫

・スポーツものが今期は本当にワクワクさせてくれるものばかりで嬉しい!!なんかオッサンが青春時代に戻れるような気になれるし。ww しかも本格的な競技ダンスをテーマにしているって新しい。

 

・原作の評判がかなり良い作品で、アニメ化も原作ファンからするとかなり期待していた作品の1つで原作からアニメ化までしっかり楽しめるものになっているんじゃないかなー♪

 

・競技ダンスってテレビのバラエティで見るくらいしか無かったけど、でもあちらもかなり真剣なドキュメンタリーになっているからなんとなくそれらを見ていたから知った風になっていたけど、この作品はダンス、競技ダンスのディテールを細かく描き上げて、ルールやポイントも素人でも楽しく見られるような情報の出し方とか本当に上手いなーって思ったね!!

 

・スポーツものはストーリーがいたってシンプルだから本当に見やすいよねー。主人公が競技を通して内面と技術を磨き成長していくっていう。これまででも多々良が小さな挫折を乗り越え、でもおっちょこちょいでドジったりする微笑ましい展開がなんだか親になった気分で見ちゃう。それと同時に自分が青春時代過ごしたときに似たような葛藤があったなーなんて思えるしね。

 

・主人公の多々良とライバル兵藤がよくあるライバル関係というのではなくてお互いをどこか支えあうような展開になっていきそうな感じがとってもキュンキュンする。スポーツでライバル登場は当然の設定だけどやっぱりなんか孤独なスポーツだからこそどこか支えあうようなシーンが出てくるのがなんともいい感じ。

 

・競技ダンスと恋愛の三角関係がこれから二本柱として進んでいきそう。多々良がダンスを1つ1つ習得して成長する姿をずっと見ていきたいから1クールで終わるとかじゃなくて続いて欲しいなーって思う。1クール最終話で大会優勝とかそんな展開だとちょっぴり残念だし。

 

・ワルツのリズムを聴くと足が動く多々良。なんか頑張って覚えたことだからこそ体が自然と動く。コレって誰でも1つのことに熱中していたら経験あることだよね。1つ1つのシーンからリアルな感じを受け取る事ができて1話があっという間。素晴らしい世界観♪

 

・ダンスだけかと思ったら個性溢れすぎるキャラクター達のドタバタシーンもちょいちょいあって微笑ましく笑えたり、必死に頑張る姿から見ているこっちも緊張したりってこのメリハリ感がいいんだよねー!

 

≪描写≫

・ダンスの描写ってこれまた難しいから大変だろうなー、どうなるんだろうなーって思ったら細かく描いていて足の運びや手の動きなど競技ダンスで重要なポイントをしっかりと描き出しているところが凄い!

 

・指先の動きまでことこまかに書き出していて、でも会場のルーズショットの場合は細かいディテールというより会場の雰囲気や臨場感を大切にして表現していたり、どれもこれも細かいっていうか描写でもメリハリがあって大満足!!

 

・この作品の描き方で一番の特徴は、多々良の目の動きと描写。目のUPで多々良の感情を表現したり微妙な心情変化を映し出したりして、絵代わりもめっちゃあって見ていて楽しい!おーーー!そーゆーカットで表現するかー♪って感心しながら見ちゃう。

 

・割とマンガテイストの描き方で目の周りのシワとかも線を何本も入れてみたりして、原作を大切にしている感じがとってもいい。綺麗な描写も好きだけど、コレの方がなんか臨場感でるんだよねー。

 

・ダンスで躍動感あるカットの後に静止画でズームインとか見ていて本当に飽きない。たぶんこの静止画は描くのが大変だからこーゆー静止画カットなんだろうなーって思うけど、競技ダンスの美しさが上手く描かれているからなんかじっと見ちゃう。他の作品だったらこうはならないんだろうなー。

 

≪音楽≫

・OPが、UNISON SQUARE GARDENの「10% roll, 10% romance」。合う!!!!小気味いいリズムがダンスっぽいしワクワクさせてくれる歌詞とかが作品にピッタリなんだよねー。ちょっと追われるような心理感じも好き。

 

・EDの小松未可子「Maybe the next waltz」もダンス作品にピッタリなナンバーでOPからEDまでダンス色満載でとっても楽しい。

 

・ダンスの作品だからワルツやルンバとかいろんな曲が使われていて聞いているとなんかその会場にいる気になるからとってもいいね。色んな効果音とかでどうこうするのではなくてシューズがキュッキュ言う音とか本当に細かくリアルを追求しているから見ていて気持ちがいいね。

 

 

【ターゲット】 10代~60代(スポーツもの、ダンス好きな人)


【おススメ度】 ★★★★★


【番組HP】  http://www.ballroom-official.jp/