アニメ研究家リュードー的「アニ評論」
春アニメ⑯『正解するカド』
【カテゴリー】
SF
【放送局】
MX
【制作会社】
東映アニメーション
【概要】
東映アニメーション初のCGアニメーションによるオリジナルTVシリーズ。突如羽田空港に出現した巨大立方体「カド」と人類の想像を絶するファーストコンタクトから始まるSF物語。総監督は「翠星のガルガンティア」で監督を務めた村田和也さん、キャラクターデザインはマンガ「ヴァニシング・スターライト」の有坂あこさん、脚本は小説「2」「know」の野崎まどさん。
【ストーリー】
外務省に勤務する凄腕の交渉官・真道幸路朗。羽田空港で真道が乗った旅客機が離陸準備に入った時、空から謎の巨大立方体が現れる。“それ”は急速に巨大化し、252人の乗った旅客機を飲み込んでしまう。巨大立方体の名は「カド」。カドより姿を現した、謎の存在・ヤハクィザシュニナは人類との接触を試みようとする。カドに取り込まれた真道は、ヤハクィザシュニナと人類の間の仲介役を引き受けることになる。一方、日本政府も国際交渉官の徭沙羅花を代表として現場へ送り込む。ヤハクィザシュニナとは何者か。そして彼の狙いは何か。
【視聴評論】
≪ストーリー≫
・しっかりとしたSFものが最近あまりない中で、珍しく萌えとかギャグを殆ど無いストーリーで硬派な感じがしていいね。オリジナルストーリーだからどう展開するかわからないのがとっても楽しみで次話でどうなっていくのかのワクワク感がいいんだよね。
・1話から5話くらいまでは、なんだか東映のヒーローモノのアニメ版に見えて、設定や地球外生命体的なカドやザシュニナの存在と人類との交渉がどうなるのか面白い。勝手にカドと人類がどうこの先関係を築いていくのか、敵対するのか、ヤマトのように共存するのか、なーんて想像するのが楽しい時間だったなー。
・6話くらいからなんだか展開がまったりし始めちゃって、カドの移動シーンがなんだかとくに面白さを感じられなくなって、あれれ???なーんて感じたなー。また7話以降からもちょっぴり不思議な展開になっていって、まさかの沙羅花が人間ではなくなんだか人類とは違うザシュニナと同じ存在へ変身しちゃうって、どーーーなっているのかわからなくなってきちゃう展開。
・はじめの方はSF独特の難しい言い回しやオリジナル用語も日本側担当者が「それは何だ?」「どーゆー意味だ?」なんて質問するシーンが多くて、1つ1つ紐解きがあったけど後半になると展開を先に進めなければいけないせいなのか、ちょっぴり理解不能な用語やアイテムなどが出てきて謎に謎を読んじゃう感じがしてストーリーに疑問を持ちながら見ちゃうから勝手にラビリンスに陥っちゃうという。苦笑
・CGアニメだから作画にあわせたストーリーやセリフ回しになる分、かなりスローな感じで集中して見ないとかなりの確立で落ちちゃう。ww 万人受けする作品ではもはやなく、後半をみるとこーゆーSFやちょい考えさせられる深めなストーリー展開が好きな人向けになってきているね。
・最新話を見るともはや初期設定がぶっ飛び過ぎていてこの作品がどこへ向かっているのか全くわからない感じさえするのは俺だけかな。ww うーーーん、裏テーマというか伏線というかあまりにも難しすぎてもはや気軽に考えただけではわからない。もったいないなー、って思っちゃうね。
・オリジナル作品だからこその自由な発想と分かりにくい展開がよさなのだけど、見ている側が置いていかれすぎちゃうのはちょっぴり残念。しかも、いきなり沙羅花が戦い始めるって、どんな設定?!こんな最後のほうになってちょっとしたバトルシーンがでてくるなんて。ってか、この対立構造が理解できない。うーーむ、むずかしい。
≪描写≫
・東映アニメーション初のCG作品ってことで本当に力が入っていて描写がこと細かくて立体的で、美しく素晴らしいと思う!!
・CGだからこその目や顔の動き、それに伴って髪が揺れ動いたり、目の光彩が変わったりという本当に細かい描写を見ているだけで感動する♪
・キャラクターの描写だけでなく背景までリアルで本当に美しい。カドが万華鏡のように色んな色を放ったり形になったりするその動きがとっても綺麗。見ているだけでもいいねー。ストーリーがちょっぴりわからなくても。
・シーン1つ1つがとてもいろんなバリエーションを取り入れていて、内容よりもCG描写の凄さを見せ付けているような作品に見えるね。
・背景、キャラクター、効果とかそれぞれを独立して描かれているからその奥行きや立体感、美しさが見事!同じ背景やシーンがあってもキャラの表情や動きが変わっているから新鮮に見られる。これはCGで作っているからこその上手い使い方だよね。
≪音楽≫
・基本BGをずっと引きっぱなしっていうなんだか映画をみているような壮大さがあるんだよねー。軽い音というよりは深みと幅のある音で重厚感あって、CGの美しさを音でも表現している感じがとってもいい。
・ちょっとしたSEやノイズ、生活音とか細かくあてていて臨場感はある。ただもうちょっと減らしてもなーなんて個人的に。
・カドが動くときの独特な効果音をどーやって作っているのか不思議。なんて色んなシーンでSF的な音がでてくるからそれを聞きながら色々考えるのもこの作品の楽しみ方の1つかな。
【ターゲット】 30代~50代
【おススメ度】 ★★★★
【番組HP】 http://seikaisuru-kado.com/
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