アニメ研究家リュードー的「アニ評論」


春アニメ⑭ 『カブキブ!』 

 

【カテゴリー】
 学園

 
【放送局】
 TBS


【制作会社】
 スタジオディーン

 

【概要】

 小説を原作としたアニメ作品。歌舞伎が大好きな高校1年生・来栖黒悟が親友・村瀬とんぼらともに「歌舞伎部」を作るために奮闘する姿を描く“青春歌舞伎物語”。監督は米田和弘さん、シリーズ構成は中村能子さん、アニメキャラクター原案はCLAMP、アニメキャラクターデザインはまじろさん。

 

【ストーリー】

 歌舞伎大好きな高校1年生、来栖黒悟の夢は、部活で歌舞伎をすること。けれど、入学した高校にそんな部は存在しない。「それなら、自分たちで作っちゃえばいいんじゃない?」親友のトンボと一緒に、まずはメンバー集めに奔走する青春歌舞伎物語。


【視聴評論】

≪ストーリー≫

・TBSのアニメイズム枠で最近トレンドになっている日本伝統芸能を扱ったシリーズものの1つ。今回は「歌舞伎」。前回の落語心中は、落語の世界を本格的にかつじっくり格式あるストーリーだったけど、今回の歌舞伎を題材にしたカブキブはかなりライトな感じ。個人的には落語同様に歌舞伎の世界をハードに描いて欲しかったなー。学園テイストだとどうしてもフワッとしちゃうし、そこまで歌舞伎歌舞伎できないだろうし。

 

・学園で歌舞伎部を作りたい!歌舞伎をやりたい!!という王道学園部活もので、ストーリーやキャラ設定はかなりシンプル。部を作る為に奔走、部での公演っていう流れは見やすいね。

 

・ただ、古典芸能に興味をもつ学生っていう設定がどうしても非日常的過ぎて歌舞伎というリアルなものにちょっぴり合わないかなーっていう気持ちで見ちゃう。もちろん個人的にそーゆー風に見ちゃうだけなんだけど。歌舞伎をテーマにするなら現代ではなくて一昔でも設定が良かった気がする。まぁ原作ありきだからしょーがないけど。

 

・フワッとした展開が多めでどうしても歌舞伎が二の次っていう感じに見えてしまうのが残念。もちろん一本筋はあるんだけど、それをどこか忘れちゃうくらい。

 

・歌舞伎らしい歌舞伎をストーリーの中であまりたくさんのシーン見る事がないからどうしてもライトな感じに見えちゃうんだよなー。歌舞伎の面白さがどうしても伝わりにくくて、気持ちが入り込めない。

 

・10話になってよーやく実演する展開が見えてきて、えーー遅いなーっていう印象。あと数話で歌舞伎やっちゃうなんてまた急な展開にならなきゃいいけど。

 

≪描写≫

・かーなりシンプル。あれ?静止画??って思うような描写が結構多くて、キャラはわりとすっきりした描かれ方なんだけど小道具とか生活雑貨とがメッチャ大雑把な感じでちょい萎える。

 

・口元の表現が少なくてなーーーー、ただパクパクしているだけに見えちゃうのが。セリフの感情がどうしても乗り切らない絵になっちゃってると個人的な感想。

 

・背景描写もこれまたシンプルで細かなところは良いとしてもなんか雰囲気があまりリアルに描かれないから歌舞伎というリアル感がちょっぴり欠けるかなー。

 

・もっと歌舞伎の衣装や動きとかリアルにそして色んなシーンが出てくるかと思ったけど少なすぎてちょい残念。

 

≪音楽≫

・OPが下野紘「Running High」。ちょい厳しいかもしれないけど、歌舞伎というテイストに合ってないなーって思う。もちろん学園ものとしては成立しているんだけどねー。


・EDのカブキブロックス「お江戸‐O・EDO‐」は懐かしすぎる!!まぁ和風作品だから抜擢されたのはわかるしEDでちょい本編のモヤモヤが晴れるからいいかな。

 

・作中のBGMや効果音が全般可愛らしすぎてなんだか伝統芸能の歌舞伎がもつ格式とか緊張感とかがあまり感じられないのがちょっぴり不満足。まぁ学園者だから・・・って言われたらそれまでだけど。

 

 

【ターゲット】 10代~30代

【おススメ度】 ★★


【番組HP】 http://www.tbs.co.jp/anime/kabukibu/