アニメ研究家リュードー的「アニ評論」


春アニメ⑩ 『Re:CREATORS』 

 

【カテゴリー】
 ファンタジー

 
【放送局】
 MX


【制作会社】
 TROYCA

 

【概要】

 マンガ「BLACK LAGOON」の広江礼威さんと「Fate/Zero」「アルドノア・ゼロ」などの監督を務めたあおきえいさんによる完全新作オリジナルTVアニメ。原作・キャラクター原案を広江礼威さん、監督をあおきえいさん、シリーズ構成をあおきえいさんと広江礼威さん。

 

【ストーリー】

 人はその手で多くの物語を創造してきた。 喜び、悲しみ、怒り、感動。物語は人々の感情を揺れ動かし魅了する。 しかしそれは傍観者としての感想にすぎない。 もしも物語の登場人物たちに“意思”があるとしたら、 彼らにとって、 物語を産みだした我々は神の存在なのだろうか。「Re:CREATORS」 誰もが皆、創造主(クリエイター)になる。


【視聴評論】

≪ストーリー≫

・アニメやゲームのキャラクターが同じ世界に飛び込んできたら・・・なーんて、アニメファン、ゲームファンの一度は夢見た設定をアニメ化したというサブカル大好きな人にはシンプルながらめちゃめちゃ嬉しい作品!!

 

・単に1つのゲームやアニメのキャラがでてくるのではなくて、色んな作品のキャラクターがリアル世界で一同に介するってなんてステキなアゲアゲな世界なのか。この発想は日本のアニメでは今までなかったなー。アメリカのマーベル系作品だとマーベルヒーローが作品を超えて集まることはあったけど、日本の作品で架空のアニメやゲームだとしても同じステージでバトルを繰り広げたりするのは本当に新しい!

 

・魔法、RPG、ファンタジー、ロボット、魔法少女、ハードボイルドが同じ作品にいること自体奇跡♪いやーーこれはテンション上がらないわけ無いでしょ。こんなアニメやゲームの異種格闘技戦みたいなものって他に無いから今期注目作品の1つだね。

 

・それぞれの背景設定やキャラ設定、描写まで本当にそれぞれの作品がリアルであったような作り方をしていて、あ!原作アニメやゲームをやってみたいみてみたい!なんて思うくらいリアルっぽくて楽しい。

 

・原宿、新宿、都内各所とか本当にディテール細かくて、リアル感満載なところもこの作品の見所の1つだね。

 

・著名クリエイターさんがいつも作り上げているそれぞれの作風や作品が1つの舞台にあったらどうなるんだろうーっていう、クリエイターさんならではの発想から出来上がったこの世界観が本当に面白いし、クリエイターが作り上げたキャラクターが自分をどう思っているのか、そんな発想まで考えたこと無かったしなー。新しすぎて目からうろこ!

 

・セリフがかなりマニアックで専門的で聞いているだけではなかなか理解できないところもあるけど、アニメやゲーム初心者にはちょっぴり難しいかなー。でも、それだけアニメやゲームのファンからすると引っかかるところがたくさんあってワクワクしちゃう仕掛けがたくさんあって楽しみ方がたくさんあるとおもう。

 

・このシンプルな世界がラストに向かってどう進んでいくのか、落としどころはどうなるのかが本当に楽しみ。この作品、長くシリーズでやってもらいたいなー。リアルゲームやアニメなどとコラボして作品の中に登場してくれたらもっともっと盛り上がりそうなのに。

 

・誰もが創造主になるっていうこの目の付け所が本当にそのままのことなんだけどこれを作品にしてしまうという発想が新しくて、同じように作品を作り上げている人からすると共感度高い作品なんだろうなーって思う。いやーークリエイターさん自身がワクワクしている気がする。www

 

≪描写≫

・色んなステージでのキャラクターが登場するけど、それぞれに合った描かれ方をしていて“マジカルスレイヤー・まみか”なんて可愛くてキラキラしている感じから、サイバーパンクな世界観を持つ漫画・アニメ
“code・Babylon” のブリッツ・トーカーはどことなく埃臭くて男らしさを感じる。1つの作品でこんなにも描き方を変えているなんて手が込みすぎだし素晴らしいことだと思う。

 

・どのキャラクターも透明感あるけど、やっぱりアニメらしいデフォされていたり、なんかあえてクリエイター陣がリアルとアニメを融合させる雰囲気を作り出すためにこうしているんだと思っちゃう。

 

・町の描写や建物、小物まで本当にリアルすぎて驚く!!何よりも幾度と無くネット画面や検索結果の画面とか小さなところまでこだわりぬいて本物過ぎる感じがとっても感動する!!絵萌えとしてはこーゆーところを見逃せないんだよねー♪

 

・水しぶき、通り抜ける風、日差しの移り変わりなど普段生きている中で感じる空気感みたいなものをかなり上手に表現していて、見ているとその世界にいるかのような錯覚さえ覚えてしまうような素晴らしさがあるんだよねー。

 

・セリフが多い分、その間にでてくる町の様子な上空から見た街並みがどれも美しくてなんだかホッとする。

 

・まみかがコーヒーを公園で飲んでいるときのシーンで、背景の石のブロックの陰影がリアルすぎて本当にビビる!!しかも火で照らされた顔の描写が美しくて見入ってしまう。素晴らしい!!!このこだわりは。

 

≪音楽≫

・OPのSawanoHiroyuki[nZK]:Tielle & Gemie「gravityWall」。なんとも不安定ながらこれから起こる不思議な世界の始まりを告げるような感じがとってもいいね。


・EDは、綾野ましろ「NEWLOOK」。見終わったあとの興奮がほっと一息つけるような感覚になる。こーゆー鎮静剤的な楽曲ってOPからEDまで一貫していてよく考えられているなー。

 

・音のつけ方の臨場感がゲームっぽくて、RPGをしているような感覚になるのがいいねー。キャラ心情を表現するというより、カッチョいい音とかカワイイ音でアニメゲームの独特な世界をあえて作り出している感じがする。これって人によって感覚違うけど、でも狙いは大きく外れていないと思うなー。

 

【ターゲット】 10代~50代(アニメゲームファンの共感度高) 

【おススメ度】 ★★★★★


【番組HP】 http://recreators.tv/