アニメ研究家リュードー的「アニ評論」


春アニメ⑨ 『月がきれい』 

 

【カテゴリー】
 学園恋愛

 
【放送局】
 MX


【制作会社】
 feel.

 

【概要】

 思春期の中学生たちが抱く揺れる思いや恋愛模様を描くオリジナルTVアニメ。監督は「蒼き鋼のアルペジオ ‐アルス・ノヴァ‐」の岸誠二さん、構成・脚本は「デジモンアドベンチャー tri.」の柿原優子さん、キャラクター原案は多くの書籍の表紙イラストを担当するloundrawさん。

 

【ストーリー】

 茜と小太郎。中3で初めて同じクラスになり出会った2人。クラスメイト、部活仲間、教師、親、周囲との関わり、自分の成長。変化と不安に追いかけられながら慌ただしく駆け抜ける季節の中で、 瑞々しくもめくるめく、思春期の恋。


【視聴評論】

≪ストーリー≫

・オリジナル作品ならではの良さが展開の読めなさ。なんだけど、恋愛モノってやっぱりなんとなくわかるよね。でもでも!それがあってもこの作品はメッチャいいの。アニメの王道っていうか、リアル中学生の青春を描いているから誰にでもどこか1つ引っかかるところあるしね。

 

・最初は学園恋愛モノっていうウリだったから、うーーんどうだろうーーって思ったけど、これは本当に純愛作品でなんだか遠く懐かしい記憶の中にある自分の青春アルバムの1ページをめくっていくような感じで忘れたキュンキュンさを思い出させてくれる良作♪

 

・久しぶりにこんなキュンとするいい作品に出会ったなー。1つ1つのシーンの作り方がリアルだし、それに茜と小太郎の恋の距離がなかなか縮まらないのもかわいいし。とにかく展開がゆっくりでじっくりキャラクター心情や舞台を楽しめるつくりになっているのがとってもいい♪♪

 

・とっても1つのシーンを大切に作られていて、臨場感や心のドキドキとかの表現がとってもリアルで素晴らしい!アニメなんだけど、リアルさ200%で学園もので今期1位かなー!!見終わった後になんかキュンとするし清々しい気持ちになるし、この作品が一服の清涼剤になるのは間違いないね。ww

 

・小太郎と茜の恋愛ベタというかはっきり言えない性格とか、間やセリフの数とかで本当にリアリティ高くてとってもいいねーー。最近の作品は、展開早くてそれはそれで楽しいけど、こんなゆったり中3の恋愛を見る事ができるのって微笑ましい。あーー年取ったなーって思うけどね。w

 

・川越の町や京都、学校とか本当にリアルな設定になっているからより作品の中に入り込みやすくて自分の身近なことに置き換えやすいんだろうなー。これは聖地巡礼に萌える人が多くなりそう!!あまり聖地巡礼には興味ないけど、この作品は行ってみたくなる!描写がメッチャきれいだし。

 

・この先の2人の恋愛がどう展開していくのか本当に楽しみ。しかも太宰治の小説の一文を小太郎が語るところが本当にステキ!!いやー、言葉の選び方本当に美しすぎる♪♪

 

≪描写≫

・川越が舞台になっていて小京都って言われる街並みをリアルに描き出していてとっても臨場感あるねー。かなりのロケハンと描写に力を入れているんだろうなーって感心しちゃう。素晴らしい♪

 

・最近の美しい描写のアニメ作品の流れに乗っているけど、とにかくこの作品の力の入れ具合は凄い!!美しくて小さなところまでこだわりぬいていてビックリ。図書室のシーンが何度も出てくるけど、本棚の1冊1冊の背表紙や本の高さ、色使いまでリアルで実際にその場所にいるかのように見えてくる。本当に凄い!!

 

・LINEの画面が茜と小太郎のやり取りで頻繁にでてくるんだけど、この画面や文字のディテールとか本物そのもの。ww

 

・6話で本川越駅から西武線に乗っていくシーンが切符から駅舎、ホーム、電車内、どれもこれもリアル!ここまで力入っていると1カット1カットを何度も見直して楽しめちゃう♪

 

・この作品の良さは、抜群の背景の美しさ!!!!キレイすぎて本当に感動しちゃう。それでいてキャラクターはどことなく漫画タッチの描き方をしているこのバランス感がいいねー。だからこそ余計背景が目立つし、キャラクターも背景に飲まれることなくしっかりと立っているし。いい塩梅ってまさにこのことだねー。

 

・カットの作り方がとっても楽しい!興奮する。単純にそのシーンを色んな角度から描くのでなく、2つの時の流れを上手くMIXして、なのに1つの世界観に統一されて表現されちゃっているのが不思議だし上手いところ。

 

・その場その場の空気感の演出が本当に凄い!時間の変化も上手く描き出されていて、見ている側が作品の時間軸に入り込んでしまうような美しさが素晴らしい。

 

・大人数の学内の背景の人々が時折ロボチックなCGになっているけど気にしない気にしない。www それでものっぺらぼうにはしないで動きも人間らしくしているところには拍手!

 

≪音楽≫

・ストーリーも描写も美しければ、音楽も美しすぎて三位一体の素晴らしい作品に仕上がっているんだよねー!!

 

・中3の恋愛だからといって子供っぽくせず、ちょっぴり大人のふりをして背伸びをしているようなキャラクターたちの気持ちをピアノの静かな旋律や大人びたBGMで表現していることが本当に最高!!いやーーー素晴らしい♪

 

・図書館内の2人のシーンなんか、図書館は静かな場所で殆ど無音な中セリフのやりとりがあるのに、時計の秒針がチッチッチって動く音を薄く挿入していて、マジ最高♪この演出というか音の当て方素晴らしすぎるっしょ。

 

・セリフ回しがゆっくりで聞いているだけで、小説を1ページ1ページ読んで聞いているみたいでとってもいいんだけど、それ以上に音楽が美しすぎて、このBGMだけを聞いているだけでも楽しめるんだよねー。

 

・挿入歌が名曲であるのが本当に歌謡曲好きとしても感動しちゃう!!東山さんが歌う名曲の数々。

・3話の挿入歌「初恋」村下孝蔵!!まじ最高♪ まさかこの作品で昭和の名曲がカバーされるとは。素晴らしすぎる!!!「初恋」がアコースティックなゆったりとした曲調になっていてドキドキしかしない。w

 

・5話の挿入歌「やさしい気持ち」CHARA、6話の挿入歌「3月9日」レミオロメン、どれもじっくり聞く事ができるし、何よりもキャラクターの心情ピッタリな楽曲選びになっているのが最高!!!センスありすぎでしょ♪これからの話数でどんな名曲がカバーされるか楽しみ!!!!

 

・これらの挿入歌もOPの東山奈央ちゃんの「イマココ」が入っているCDに入るみたいだし、これは買っちゃうなー。川嶋あいさんの楽曲提供っていうところのセンスがナイス!いやーー全てにおいていい作品に出会ったー♪♪

 

【ターゲット】 10代~50代(疲れた心に響く作品) 

【おススメ度】 ★★★★★


【番組HP】 https://tsukigakirei.jp/