アニメ研究家リュードー的「アニ評論」


春アニメ① 『GRANBLUE FANTASY The Animation』 


【カテゴリー】
 冒険ファンタジー

 
【放送局】
 MX


【制作会社】
 A-1 Pictures

 

【概要】

 Cygamesが企画開発運営する大ヒットスマホ向けゲーム「GRANBLUE FANTASY」を原作としたアニメ作品。空中に島々が浮かぶ世界を舞台に、主人公・グランが空から落ちてきた少女・ルリアとともに強大な軍事国家の手からから逃れるべく旅立つという冒険物語。監督は伊藤祐毅さん、キャラクターデザインは赤井俊文さん、脚本はCygames。

 

【ストーリー】

 君と紡ぐ、空の物語――― ここは、空に多くの島が漂う、空の世界。 神秘を奉る島ザンクティンゼルに暮らす少年・グランと言葉を話す羽トカゲのビィは、 ある日、少女・ルリアと出会う。 ルリアは、この空の世界を強大な軍事力によって支配しようとする軍事国家・エルステ帝国から 逃れてきたのだった。 グランとルリアは、帝国から逃れるため、そしてグランの父が残した 「星の島イスタルシアで待つ」という手紙を手に、壮大な空へと旅立つ。


【視聴評論】

≪ストーリー≫

・ここ1,2年で主流になり始めたスマホゲームが原作のアニメ作品。話題作からちょっぴりマニアックなものまでアニメ化され始めて、スマホゲームユーザーをアニメへ取り込むとっても良いビジネス構図が確立し始めているんだろうなー。ゲーム課金、アニメレビュー、DVD購入、グッズ購入まで。上手いね、この流れ。ww

 

・もちろんリュードーはゲーム全般全くやらないから原作ゲームは知らないけど、CMでグランブルーがたくさんやっているからなんかおもしろそーだなーって言う位の知識だった。1話2話と見てみたら、この冒険ファンタジーの王道感が最高!!!最近のファンタジー作品って冒険モノでもどうしてもギャグが入ったりして色んなリズムを生み出すんだけど、このガッツリ冒険もので1歩1歩前に歩んで成長する姿を描いているのがとっても好き!!

 

・どうしても冒険モノってキャラクターの背景説明が必要になってきて、なんで冒険するのか、何をめざすのかが必要になってくるんだよね。その説明が序盤に厚くされるとテンポ感なくなるし、遅すぎると置いていかれるし、この塩梅がなかなか難しいと思うんだよね。だけど、この作品は物語が進行していくなかで、上手く背景や設定を入れてくるのが本当に良く考えられていていい。

 

・知らなすぎず、でもなんとなくどーなっているんだろう?っていう疑問を持ちながらストーリーにはまり込んでいけるこのバランスがイイね♪♪冒険ものって単にメインキャラが冒険して進んでいくだけだとあまり面白くないんだけど、隠された秘密や背景があるとキャラに深みが増して、見ているこっちもどうなっているんだろう・・・なんて想像しながら一緒に世界へ入る事ができるのが好き。

 

・グランとルリアというわかりやすい男女メインキャラという王道さというか潔さがとっても見やすいしわかりやすい!しかもグランの命はルリアが支えていて2人一緒でいないと命が続かないという、もーーキュンキュンしかしないこの設定いいよねーーー!!

 

・シーンの展開が意外とポンポンいくから間延び間が全然無いね。しっかり見せてキャラクターの背景や心情を描くシーンはまったりゆっくり、次へのステップに繋がるシーンではちょっぴりスピードあって。メリハリある作品にここまではなっているからこの先のストーリーがどうなるか本当にワクワクする!!!一緒に冒険している気持ちになれる。

 

・グランの人生の目標が、ルリアとの出会いがきっかけで、いままで1歩踏み出せなかったことがルリアによって前に進むことができるように決心付いたって、ありがちだけど、こーゆー設定ってリアル社会でも重なるところがあってなんだか心がホッコリするんだよねー。一人では誰も生きてはいけないっていうメッセージをどこかしら感じさせるようなストーリーがとってもステキ!!!

 

≪描写≫

・新しいかなー!!背景や建物、物とかはメッチャ綺麗な描写で見ていて惚れ惚れするんだけど、キャラクターの描き方をあえて線多めの手書きタッチにしているところがなんだか温かみを感じる。この描き方は綺麗なCGベースの作品が多い中で、あれ?苦手だなーって思う人が多いと思うけど、個人的にはこの線で絵かがれたあくまでファンタジー感を感じさせるタッチが好き。

 

・1カット1カットが面白い!飛行艇が飛び立つ時のシーンなんて、エンジンかけるときの足UPから飛び立つ飛行艇ルーズ、部品が飛び散るのが印象に残る構図、雲の中、流れがいいねーー。色んな角度からグランブルーファンタジーの世界を見ている気がしてとっても好感度高い♪

 

・表情の豊かさに関してはそこまで過剰な表現はないけど、でも目線、口元、影、目じりの動きとかで微妙な感情変化をしていて、シンプルながらもとっても温かさを感じるキャラ表情が好き!時には凛とした決意新たにするシーンでは光多目に顔に当たったり、悩んでいるときは影が自然と多かったり。上手いなー。

 

・全体的に淡い色使いで派手さは一切無いけど、見ている人がそれぞれの感情をもって作品に色づけられるような気がするなー。この色使いのせいでなんとなく全くのファンタジーにも思えないし自然な世界観に描き出されているのがいいんだよねー。

 

≪音楽≫

・OPがBUMP OF CHICKENの「GO」っていう初っ端からテンションあがるしカッチョ良くて、これから冒険の始まり!!っていう凛とした気持ちに見ている側もなれるのがいいね。はまってると思う!この楽曲。「血界戦線」のOPもやっていたからなんかこーゆーアクション冒険っぽい作品にあうんだろうなー。

 

・作品中のSEやBGMは派手さは無いけど、差し引きが上手!!しっかり語らせるときは極端に効果音やSEを減らして、村人や仲間達と盛り上がったり旅たちの時の気持ちを高揚させるようなシーンでの背中を押すような音楽の当て方がいい。

 

・セリフと音楽のタイミングがピッタリ!!言葉尻の「行こう」でドーンと音楽がスタートしたりするとワクワク感が高まるし、本当によく練られているなーって思うね。

 

・EDがHARUHIの「ソラのパレード」でなんともファンタジックでエンドロールにピッタリの物静かさもあって、冒険でワクワクした心がそっと癒されていく感じがいい。OPからEDまで本当にトータルバランスが最高!

 

【ターゲット】 10代~50代(冒険ファンタジー好きな人にはピッタリ!) 

【おススメ度】 ★★★★★


【番組HP】 http://anime.granbluefantasy.jp/