アニメ研究家リュードー的「アニ評論」


秋アニメ⑦ 『舟を編む』
 


【カテゴリー】
 リアル

【放送局】
 CX


【制作会社】
 ZEXCS

 

【概要】

 原作は直木賞作家の三浦しをんさんによる小説。出版社の辞書編集部を舞台に、言葉の海に挑む編集者たちの情熱と恋を描いたヒューマンドラマ。辞書の編纂という仕事の深みを描いたストーリー、味のあるキャラクターなどが魅力。キャラクター原案は「昭和元禄落語心中」原作者の雲田はるこさん。

 

【ストーリー】
 口下手なのに営業部員の馬締光也と、一見チャラ男だが辞書編集部員である西岡正志は偶然出会う。中型国語辞典『大渡海』の刊行計画が進む出版社・玄武書房のベテラン編集者・荒木は、自身の定年を間近に控えて後継者を探しに躍起になっていた。そんな中、西岡から馬締の話を聞き、彼をスカウトすることに。「人をつなぐ・言葉を編む」伝わらない言葉。伝えられない想いをかかえる不器用な人間達の物語。

【視聴評論】

≪ストーリー≫
・お仕事系アニメの中でもリアルに近いストーリー構図になっているのが珍しい。お仕事系って多少デフォルメしたりするけどこの作品は、原作をしっかり大切にしながら作り上げたって感じがするね。

 

・大きな盛り上がりや展開の派手さは全く今のところ無いけど、とにかくセリフにおいて「言葉」を本当に大切にしていて辞書作りという作風にピッタリの言葉並び。

 

・日テレで放送しているドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」みたいな出版社という派手なイメージの中の地味な部署が舞台になっているのがモロ似でいいね。こーゆー設定って個人的に本当に大好き。

 

・なんかまだ2話までだからかもしれないけど、絵の作り方やセリフの1つ1つのチョイスが昔のリアル社会を取り上げたジブリの作風みたいで見ていてなんだかほっこりする。

 

・下宿先のおばあちゃんがとっても好き!こーゆー全てを見通している心優しいアドバイスをくれる人の存在って今すくないから見ているだけで温まるよなー。

 

・静寂の後の言葉。この印象深い展開とか本当にうまいなーっておもう!じっくりしっとり見られる大人アニメだよなー。キッズ向けだとこーゆー花鳥風月やメリハリってもったいないもんね。尺的に。

 

・セリフ回しがゆっくりたっぷりで聞きやすく、BGMとドハマリでとってもいいね♪ アニメを見ているようだけど、オーディオドラマを聴いているような耳だけで臨場感が楽しめるのが素晴らしい!!

 

・「君の名は。」みたいな絵の美しさと温まる言葉のチョイス、ちょっぴり不思議な展開。これは大人が好きになる要素満載♪

 

・1話ごとしっかりまとまりがあっていいね。めっちゃ見やすい。

 

・一言で表すと、「美しい言葉アニメ」って感じかな。www よーくわかんないか。

 


≪描写≫
・建物や本、部屋の中などリアル設定だからこそしっかりと細かい部分まで描かれていて温かみがあるタッチがステキ♪

 

・表情の変化が色々こまかくていいねーー!ジブリの世界にでてくるおばあちゃんって口元や歯や目、シワも含めて全部で表現するけど、これも同じような描き方をしていてキャラクターの感情が豊かで素晴らしいね。

 

・黒目の動きだけで感情表現をするだなんて、ひゃーー!!描写に手間隙かけているのが本当に良く分かる!!

 

・テーブルを拭いた時の水分の残り具合とか細かすぎるくらいのディテールでこーゆー描写が好きなリュードー的には萌えるねーー。

 

・ビールを飲んだときのコップの中の細かい気泡とかまで描かれていて最高!!!すげーーー!

 

・辞書アニメだから文字を大切にしているのが本当に良く分かる。地味スゴみたいなテロップの出し方がいいね。文字が空間を躍るように舞うとか、重要なセリフをしっかりと画面に文字で表すことで印象もかなり深くなるし、その言葉の意味もしっかりと書かれているのがいい。

 


≪音楽≫
・OP曲が岡崎体育「潮風」でお仕事辞書アニメの本編にはないスピード感や期待感があってOPからアニメを見る気持ちが高ぶるね。

 

・BGMにしっとりたっぷりした曲調のものを使っていて、辞書という派手さがないものに見事に色をつけ華やかな雰囲気にしてくれるのがいいねー♪

 

・ED曲も作風ドンピシャで、次回を見るのが楽しみになってくるね。本編を見終わった後に心をホッとさせてくれるような歌声がすきだなー。

 


【ターゲット】 30代~60代(活字好き大人アニメ)


【おススメ度】 ★★★★★


【番組HP】 http://www.funewoamu.com/