今回の映画レビューはウディ・アレン連投の第7弾。「誘惑のアフロディーテ」(原題:Mighty Aphrodite、1996年)です。

 

 友人に子どもができて、それまで子どもを欲しくなかった夫婦、アマンダ(ヘレナ・ボナム=カーター)とレニー(ウディ・アレン)も欲しくなって養子を取ることに。数年後、いい子に育ったその子を見て、レニーはその実際の母親がどんな人物なのか知りたくなって、ウディ・アレン映画にありがちな無謀な手段を使ってその名前をゲットし、その名前から探していくと彼女は天真爛漫なポルノ女優で娼婦だった、という話。

 

 冒頭、前衛の舞踏家集団みたいなのが出てきて面食らうけど、これが幕間の狂言回し的な役割を果たしていて良いアクセントになっています。

 

 レニーは客として彼女(リンダ:ミラ・ソルヴィノ)に会いにいき、変態扱いされるもストーカー的な付き纏いでリンダも次第にレニーに心を許していき、自身の身の上話をするようになる。そこでレニーは、リンダが娼婦から足を洗い真面目な普通の生活ができるように、結婚相手にいい男を紹介しようとする、と話は進む。

 

 そんなことにうつつを抜かしているレニーに対して、妻のアマンダは自分の画廊をオープンさせようと、そちらの世界の男に言い寄られていて浮気寸前の状態。といった感じで、さまざまな愛情のエピソードが絡みながら、エンディングはかなり皮肉なものになっています。一見ハッピーエンドなのだけど、「真相がわかってしまったら」と考えるとちょっとゾッとしますな。

 

 こちらの作品もU-NEXTの配信は終了しているようです。あらら。