2021年観た映画のパンフレット。最後となるのは「偶然と想像」。「ドライブ・マイ・カー」が素晴らしかった濱口竜介監督の短編映画集。「魔法(よりもっと不確か)」「扉は開けたままで」「もう一度」の3編で構成するオムニバスです。

 最初の「魔法(よりもっと不確か)」は、女性二人のタクシー内の会話劇から「偶然」が明らかになって、という話。キャラクターがどんどん深堀りされていって、最後の展開もうまい。2話目の「扉は開けたままで」は、出席不足で卒業できず就職先(テレビ局)に行けなかった男がセフレの年上先輩を使ってハニートラップでその教授(芥川賞受賞!)に復讐しようとする話。3話目の「もう一度」は、ネットが不能になった時代、ある女性に会いたいと同窓会に出席しに仙台を訪れた女性が、同窓会では「会いたい」と思っていた女性に会えなくて、帰京するために仙台駅に向かうとその女性が偶然いて、という話。

 前作「ドライブ・マイ・カー」よりも軽妙で、ところどころ笑えたりして、映画館での体験を楽しめました。