今年観た映画のパンフレット。今回は「プロジェクト・ヘイル・メアリー」。ライアン・ゴズリング主演で話題のSF映画です。原作小説は既読。「さて、どのように映画化しているのかな」と、お手並み拝見といった感じで鑑賞してきました。

 

 太陽が弱っている。原因は不明。このままでは地球は冷却化が進み、人類滅亡の危機を迎える。そんな状況で、中学校の理科の教師ライランド・グレース(ライアン・ゴズリング)に協力要請が来る。太陽が弱体化する原因が未知の単細胞生物「アストロファージ」にあり、周辺の恒星も徐々に弱っていることが分かる。ただ、地球から11.9光年離れた恒星タウ・セチだけはアストロファージの影響を受けていない様子。そこで人類を破滅から救うために、実際にタウ・セチまで宇宙船で行ってアストロファージの影響を受けていない原因を解き明かし、その情報を地球に送り返すという「プロジェクト・ヘイル・メアリー」が計画され、実施に動く、という話。

 

 ただ、すでにグレースは宇宙船の中にいる。ということは、グレースはプロジェクト・ヘイル・メアリーのメンバーで、宇宙船の中には二人の乗組員の死体があって、グレースは一人でこのプロジェクトに取り組むことになる。そんな状況下で、グレースの宇宙船の近くに別の宇宙船が近づいてきて、と話は続く。

 

 うーむ。これは困りました。先立って原作小説を読んでいたために、展開の妙を味わうことができなかった。これは個人的な見解なんだけど、「プロジェクト・ヘイル・メアリー」の魅力ってストーリー展開が大きな割合を占めていると思う。以下もうネタバレにならないと思うんだけど、まず自分が誰なのかもわからない状況から宇宙船の中にいるってことがわかって、太陽の重力から太陽系にいないということがわかって、という感じで、記憶が徐々に回復していく流れが続く。さらに異星人とのファースト・コンタクトがあって、その異星人とのコミュニケーション成立を経て「バディもの」に流れていく。こういう展開こそ「プロジェクト・ヘイル・メアリー」の面白さなのだと思うのだけど、原作小説を読んでいたので映画ではその展開に驚きはなかった。「ああ、こういう映像表現するのね」といった感じで淡々と鑑賞したって感じでした。

 

 先に原作を読んだっていうのも、「予告編でネタバレがある」って聞いていたから。「予告編を見る前に原作を読んでしまおう」って思った結果だったので、原作小説はかなり楽しく読めました。ただ、映画が公開されてこれだけ事前情報が出てしまうと「プロジェクト・ヘイル・メアリー」の魅力を100%堪能するのは今後無理なんじゃないかと思ってしまいます。残念です。ああ、映画の評価がしにくい作品でした。