【記事概要】

 

いっこうに勉強に取りかからない。勉強に取りかかるまでに時間がかかる。そんなお子さんに対して、学習習慣をつけさせたい!と考える親御さんは多いでしょう。発達障害凸凹キッズの脳が育つ正しい声かけと対応をすれば自分で考えて動き出す力が育ちます。

 

 

もくじ

1.勉強嫌いになる大きな原因

2.子どもの苦手なことばかりに注目した「くり返し」の練習が子どもを困らせている

3.発達障害凸凹キッズの学習習慣を育てる肯定の声かけ「1%ルール」

 

  1.勉強嫌いになる大きな原因

発達障害凸凹キッズは学習面において、発達のさまざまな特性から「苦手さ」があり勉強につまずく場合があります。  

例えば、
・英語を一生懸命勉強しているのにできない
・学校の宿題をやるのに時間がかかる
・計算はできるのに文章題は解けない
・学校で先生の言っていることが理解できない
・文字は読めるのに書けない

こんなお悩みがありませんか?

実際には多くの場合、お子さんは一生懸命努力しています。それでも周りからは「怠けている」「努力不足」などと思われてしまいがちです。

努力しても結果が出ないことが続くと、自分を否定的にとらえるようになり自信を失ってしまいます。

そうなると、勉強は嫌なこととして記憶にインプットされ、勉強をしようと思うたびに「嫌だな」の感情がセットで出てきてしまうので「やりたくない!」と勉強嫌いの原因となるのです。

次の章で、勉強嫌いの原因について「書くこと」を例に紐解いていきます。

 

  2.子どもの苦手なことばかりに注目した「くり返し」の練習が子どもを困らせている

 

書字が苦手な子に「練習あるのみ」と考えて、こんな対応をしていませんか?

・つきっきりで、ダメ出ししながら書き方の練習をさせている。
・書き終わった宿題を見て「もっと丁寧に書きなさい!」とやり直しをさせている。
・「何回も書けば上達するはずだ」と、とにかく繰り返し書かせている。

思い当たるお母さん、要注意です!
     
発達障害凸凹キッズには、特性に合わせた対応が必要なのです。

間違った学習のさせ方を続けることで、発達障害凸凹キッズに「無力感」を与えたり、「やる気」を失わせたりする場合があるのです。

努力しているのに、うまくいかなくて望む結果が得られない。

なのに、くり返し練習するようにお母さんに言われることが続くと、何をしても「無駄だ」と考えるようになります。

特性に合わせた対応が必要であることに目を向けず「くり返し」の練習をさせ続けると、なんのためにやるのか、目標を決めて始めようとするところからつまずいてしまうので、やる気が起こらないのも不思議ではありません。

 

  3.発達障害凸凹キッズの学習習慣を育てる肯定の声かけ「1%ルール」

 

勉強が苦手な発達障害凸凹キッズには、

・勉強をちょっとだけがんばってみようかな
・まずは挑戦してみようかな
・これくらいならできそうだな

と思わせる肯定の声かけが有効です。

声かけのポイントは「1%ルール」です。

完璧にできた100%を褒めるのではなく、始めようとした時にすかさず肯定の声かけをします。

例えば、

・勉強を始めようとしたときに「今からはじめるんだね。」
・カバンから宿題を出したときに「宿題出したね。」
・課題に1問取り組めたときに「一問解けたじゃん!」

と、すかさず肯定の声かけをするのです。

勉強のスタートを1%として、終わりを100%としたときに、完璧にできた100%を褒めがちですよね。

ですが発達障害凸凹キッズは苦手なことが多くて、なかなか100%までたどり着けません。

なので、1%でもできているところに注目してあげると「できていること」がたくさんみつけられます。

褒められた

自信がつく

成功体験になる

次もがんばってみよう!

という正のループができあがると「やる気」のエンジンが加速でき、子どもが自分で苦手なことにも向き合う力がうまれてきます。

「やる気」が加速する肯定の声かけ「1%ルール」ぜひ試してみてくださいね。

 

 

子育てに悩まれているお母さんの心の支えになれれば幸いです。

執筆者:中木村 美紀
(発達科学コミュニケーショントレーナー)