校門
丘のうえまでくると、「城光中学校」と書かれた校門が見えてきた。
駐車場となっているグラウンドには、既にたくさんの車が停まっていた。
車から降りて正面玄関へと歩き出す。中学校にはやはり不安があった。
すごく緊張する・・・・・・。張りだされた名簿を見ると、クラスは2組。
2組に入ると半分くらいの人たちが座っていた。いくつもの視線が注がれる・・・やっぱこういうのダメなんだよ・・・。
席は一番後ろ。座って、ボーっと外を眺めていた。
川が流れていて、木が揺れている。
すると、前のほうから声が聞こえた。
「あ、翔平やんか!」 小学校からずっと仲の良い亮介だった。
「え、亮介も2組なん!?」思わず声が大きくなり周りを気にした。
あいつら友達か、という視線・・・。翔平はあまり多くの人たちから注目されるのは好きじゃない。
でも亮介は全然気にしない奴だ(笑)
「おう!よろしくな!つーか7年も同じクラスかよ(笑)」
「確かにな。」今度はちょっと控えめに。
チャイムが鳴った。
担任の先生が来て、ざわざわした空気は一気に静まった。男の先生でめちゃくちゃ怖そう。
でもしゃべったらそれほどでもなく、出席確認をした。
その後入学式についての話があり、 廊下に並んだ。
緊張した面持ちで体育館に入ると、吹奏楽の人たちのすごい演奏があった。
校長・・・やっぱ話長かったな・・・とか思いながら教室に帰り、亮介と一緒に車まで行った。
「また明日なー」「おう。じゃーね」
こんな感じで別れた。
いつの間にか中学校に対する変な不安はなくなっていた。
ちょっとだけ、そう、本当にちょっとだけなんだけど、明日が楽しみ・・・
久しぶりのこの感じに、俺はワクワクしていた。