インソールの形は足と靴が決める。という話 | インソールで快適な毎日に!なかじきやのブログ

先日家の整理をしているとこんなのが出てきました。



ちょっとわかりにくいのですが、プラスチック製のインソールの芯材部分がつま先側まで巻き上がっています。

これは専門学校時代に自分のフットサルシューズ用に作ったインソールです。キックすると巻き爪が痛かったので、じゃあ直接当たらなければいいんじゃね?って発想で作ってみたものです。

素材は軟ポリという柔らかいプラスチックを使い屈曲性を確保。アーチ部分は底側に硬めのクッションを入れることで支える構造にしました。


で、実際に使ってみると、母趾の保護効果はばっちりで、かなり痛みが軽減されました。しかし、足裏でボールを触れる感覚が少し鈍くなったのはデメリットでした。

あと、トーキックの威力が5割くらいアップしました(笑)


さてもう一つ



こちらは自転車シューズ用に作ったものです。


とある選手に依頼されたものですが、黒い部分はカーボン繊維に樹脂を染み込ませて補強。その他は薄いクッションです。

足に問題が無いのと、靴底が硬く土踏まずの盛り上がり(サポート)が強い、尚且つ熱成型が可能な靴でした。

ただ、熱成型可能といっても、靴全体が足に沿うわけではなく、ラスト(靴型)も本人のものではないので、ノーマル状態ではフィット感は完璧ではありませんでした。

なので足と靴のすき間を埋めつつ、最低限のサポートをするためこんな形になりました。

具体的には、横アーチサポートをつけ、土踏まずのサポートを少し踵側に延長し、外側に逃げる力を抑制するためのサポートをしています。

写真ではわかりづらいのですが、第5中足骨底という外側の足の骨の出っ張り部分は抜いてあります。


結果、片足18gになり、競技をする上では重要な”軽さ”も追求できたと思います。


次はこちら



これらは上記の選手に作った2013~2014年シーズンのインソールです。

このときはシューズが熱成型できない靴だったのでほぼ全体に樹脂補強をしています。

ただ、一番左と左から3番目の指先(カバーで隠れていますが)はカーボン繊維+樹脂補強ではなくコットンガーゼ+樹脂補強です。

つま先までカーボンだと硬くて疲れるとの要望がありそうしました。


このように、インソールの形は使う人の足、靴、用途によって全く変わります。

また、形だけではなく素材の厚さや種類、組み合わせも違います。

今回はスポーツ用インソールで説明しましたが、外反母趾やタコといった足のトラブルに対応するためのインソールも同じです。

足の大きさや幅、体重、関節の硬さ、骨の形、etc...考えるべき点はたくさんあります。

足のトラブル対策を謳った商品は数多くありますが、量産品では上記の要素に対応するのは不可能です。


足のこと、靴のこと、インソールのこと。なかじきやにご相談ください!